【レビュー】新作「ミシュラン パイロット スポーツ5」試乗。スポーツタイヤの雄がイケメンに進化
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:日本ミシュランタイヤ 29
掲載 更新 carview! 文:塩見 智/写真:日本ミシュランタイヤ 29
ハンドリング路で徐々にペースを上げながら周回を重ねていくと、パイロット スポーツ5の絶対的なグリップの高さが感じられるようになってくる。パイロット スポーツ4だと、グリップが限界に達しステアリングを通じてゴリゴリとした感触が伝わり、車両が狙いよりも外へ膨らんでしまうペースでも、パイロット スポーツ5ならグリップを保って狙ったラインをトレースできた。
もちろん、さらにペースを上げればパイロット スポーツ5でもグリップの限界に達するが、それは突如やってくるのではなく、やはりゴリゴリとした感触と挙動の変化によって漸進的に伝わるので恐怖感はない。
限界付近よりもずっと手前の、気持ちよいと感じるペースでは、パイロット スポーツ5は先代よりも路面からの入力に対する反応がソフトだ。ひと言で言えば、当たりが柔らかく乗り心地がよい。この日、ハンドリング路はハーフウェットだったため、音の違いはわからなかった。
ダブルレーンチェンジでもハンドリング路で感じた傾向がそのまま現れた。絶対的なグリップ力の向上によって、1回目のステアリング操作に対し、パイロット スポーツ5はよりノーズの入りが鋭い。そして、1回目の操作で生じたヨーが完全に収まる前に逆のヨーを発生させる2回目のステアリング操作では、それによって起こる車体の揺れの収束がパイロット スポーツ4よりもわずかに早いように感じられた。
スポーツタイヤとして人気が高かったパイロット スポーツ4の進化版として、パイロット スポーツ5は体感できる全方向の性能が少しずつ、確実に進化していた。17インチから21インチまで全43サイズがラインアップされ、スポーツタイヤでありながら、タイヤラベリングにおいて「低転がり抵抗(A/a)」(43サイズ中42サイズ)を実現しているのもミシュランらしい。
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