現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 日産 GT-R 2020年モデル 変更ポイント詳細解説

ここから本文です

日産 GT-R 2020年モデル 変更ポイント詳細解説

掲載 更新 26
日産 GT-R 2020年モデル 変更ポイント詳細解説

前回、2020MY(モデルイヤー)のR35型GT-Rニスモについてお伝えしたが、一方で標準車のGT-Rにはどんな改良が施されたのか。今回は標準車のGT-Rと「GT-R50周年記念特別仕様」モデルについてお伝えしよう。

フォルクスワーゲンの電気自動車戦略とMEBプラットフォーム

トータルバランス

前回お伝えしたようにNISMOはよりRゾーンへと深化が加速している。つまりレーシングゾーンでありピュアなレーシングカーであるGT3からのフィードバックを多く盛り込んだ変更が取り込まれている。

関連記事
日産GT-Rニスモが詳しく解る 2020年モデルデビュー

その一方で標準車は、GT-Rの本来の姿ともいうべき「ロードゴーイングカー」としての深化が加速しているのだ。加速性能、ハンドリング、そしてクォリティにおいてトータルで深化させている。

新ターボチャージャー

標準車のタービンも変更された。レースエンジンに採用される技術のひとつ「アブレダブルシール」技術だ。ターボハウジングに樹脂を射出することで、空気漏れを防ぐシール機能を持たせる技術だ。ハウジングとコンプレッサーブレードとおのクリアランスを最小化するもので、吸入空気の漏れを最小限にし、過給レスポンスを向上させることができる。

ハードパーツとしてコンプレッサーブレード、タービンブレードともに、17MYと同様にφ5612枚翼、φ53翼9枚という構成には変更ないが、こうしたシール技術によりわずかな変更が可能になり、ドライバビリティを向上させている。

このアブレダブルシールにより、過給効率が上がり、過給し始めのレスポンスが向上しているという。ニッサンのレスポンス解析によれば、1秒間あたりのトルク上昇速度が全域で約5%向上しており、50~60km/h/ 3速で2800rpm 4/8のアクセル開度加速の加速Gが17MYより高いGを発生させていると説明している。

TCUによるアグレッシブな制御

こうしたタービンの進化により、その効果をより実感させるためにDCTの制御変更も行なっている。2020MYではTCU(トランスミッションコントロールユニット)を新設定し、Aレンジ/Rモードの特性変更を行ない、積極的に低いギヤを選択する制御になっている。

ASC(アダプティブシフトコントロール)のシフトスケジュールをRモード専用に設定。コーナー手前で低いギヤを選択し、ダウンシフトによるターボラグを発生することなく、すぐさま過給されコーナーを脱出できるということだ。これが17MYモデルでは進入時に速度とシフトダウンがマッチングしないケースがあったということだが、TCU制御によりドライバーの意図通りに加速体制に入ることができるようになった訳だ。

また同時に低ミュー路でABSが作動するシーンで、車輪速が急減することでダウンシフトやエンジンのオーバーレブする懸念があったが、2020MYでは車輪速の影響を受けない車体前後Gの信号をTCUのプログラムに取り込み、車体にかかる前後Gにより路面状況を判断。これによりABSが作動しても低いギヤが選択できスポーティな走りができるようになった。

サスペンションチューニング

こうしたパワートレーンの深化に伴い、サスペンションではステアリングを切ってからヨー発生までの応答性を3%向上させる変更を行なっている。と同時に、乗り心地の質の高さも向上させている。こうした乗り心地の変更は一般道を40km/h程度で車列に並んで走行している場合などで、その進化向上を体感できる。まさに究極のロードゴーイングカーへと深化している。

ブレーキの深化

ブレーキブースターのチューニングを行ない、初期の効き感を向上させ、短いストロークで効きがが立ち上がる変更を行なっている。こうした変更に伴い、ペダル操作性も向上させている。

これはブレーキの高剛性化と感じる部分をペダル操作において不安がないように、大きな力を込めやすい足首の角度の領域を増やす改良を行なって対応している。ペダル操作性に磨きが掛かったということだ。

そしてホイールはGT-R史上最軽量の新デザインホイールを採用している。さらに外側面の剛性も歴代トップという。こうした変更もバネ下軽量により乗り心地に効果を発揮するわけだ。

エクステリアデザイン

ボディカーラーに新色が加わった。「ワンガンブルー」は従来のベイサイドブルーの陰影感をキープしながら、より鮮やかさを向上。また青透明ベースに光干渉顔料(シリカフレーク)を添加し、ベイエリアでの日没の余韻を感じさせるミステリアスな色の変化を愉しめるという。

そしてチタンマフラーだ。職人がひとつひとつ手作りで加工した青く輝くエキゾーストフィニッシャーを採用している。

50周年記念車の投入

日本のモータースポーツの一時代を築き、スーパースポーツへと成長を遂げたGT-Rを記念するモデルだ。「GT-R 50th Anniversary」はプレミアム エディションをベースにドレスアップされている。

ボディカラーは3色でブルーには白のストライプ、白ボディには赤のストライプ、シルバーボディには白のストライプがデザインされている。ブルーボディにはブルーの切削アロイホイールが装備される。

また、オーナメント、エンブレムにも「50th Anniversary」のロゴがリヤエンブレムやホイールのリム、センターコンソール、メーター内、そしてシートなどに描かれている。

価格

駆動エンジングレードミッション価格
4WDVR38DETTGT-R Pure editionGR6型デュアル
クラッチ
1082万8,4000円
GT-R Black edition1277万2,1000円
GT-R Premium edition1232万9,900
50周年記念モデル価格

こんな記事も読まれています

マセラティの新世代4シーターオープンカー「グランカブリオ トロフェオ」の日本における受注がスタート
マセラティの新世代4シーターオープンカー「グランカブリオ トロフェオ」の日本における受注がスタート
カー・アンド・ドライバー
BEVでも「駆けぬける歓び」を実現したi5を展示! 最新コンパクトSUVの「X2」には試乗も可能です! BMW出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
BEVでも「駆けぬける歓び」を実現したi5を展示! 最新コンパクトSUVの「X2」には試乗も可能です! BMW出展情報【ル・ボラン カーズ・ミート2024 横浜】
LE VOLANT CARSMEET WEB
ポルシェ、WECスパでのカスタマー勝利を称賛「ポルシェ963プログラムの証明になった」
ポルシェ、WECスパでのカスタマー勝利を称賛「ポルシェ963プログラムの証明になった」
motorsport.com 日本版
スズキ「新型軽バン」実車展示! オシャな「デニムブルー」×精悍ライトがカッコイイ! 快速ターボ搭載の「新型エブリイ」登場
スズキ「新型軽バン」実車展示! オシャな「デニムブルー」×精悍ライトがカッコイイ! 快速ターボ搭載の「新型エブリイ」登場
くるまのニュース
人気の中型ロードモデルがさらにハイパフォーマンス化!ホンダ「CBR500R」「CB500F」2024年モデルが北米市場に登場
人気の中型ロードモデルがさらにハイパフォーマンス化!ホンダ「CBR500R」「CB500F」2024年モデルが北米市場に登場
バイクのニュース
メルセデスベンツ『GLC』と『Cクラス』、最新「MBUX」搭載…欧州仕様
メルセデスベンツ『GLC』と『Cクラス』、最新「MBUX」搭載…欧州仕様
レスポンス
日産ノートオーラってどんなクルマ? 詳しく解説!
日産ノートオーラってどんなクルマ? 詳しく解説!
WEB CARTOP
メルセデス・ベンツGクラスの市販EVモデル「G580 with EQテクノロジー」が初公開
メルセデス・ベンツGクラスの市販EVモデル「G580 with EQテクノロジー」が初公開
カー・アンド・ドライバー
スズキ、2025年3月期決算は売上高と各利益が過去最高の見通し
スズキ、2025年3月期決算は売上高と各利益が過去最高の見通し
日刊自動車新聞
すべてが変わった!新型「BMW X2」クーペスタイルの2代目X2をテストする
すべてが変わった!新型「BMW X2」クーペスタイルの2代目X2をテストする
AutoBild Japan
千葉の超渋滞「国道357号」大混雑の”蘇我エリア”で「6車線化」進行中!? 蘇我駅も蘇我陸橋もキャパ超過! 工事どこまで進んだのか
千葉の超渋滞「国道357号」大混雑の”蘇我エリア”で「6車線化」進行中!? 蘇我駅も蘇我陸橋もキャパ超過! 工事どこまで進んだのか
くるまのニュース
ジェイテクトの「アカルイミライ」
ジェイテクトの「アカルイミライ」
レスポンス
「スポーティなルックス」だけど乗りやすい! なぜ? トライアンフの新しい“3気筒スポーツバイク”「デイトナ660」は走りの奥深さに驚きます
「スポーティなルックス」だけど乗りやすい! なぜ? トライアンフの新しい“3気筒スポーツバイク”「デイトナ660」は走りの奥深さに驚きます
VAGUE
タイのバンコクで中国製BEVタクシーが急増中……も乗り心地は従来の「カローラアルティス」に軍配!!
タイのバンコクで中国製BEVタクシーが急増中……も乗り心地は従来の「カローラアルティス」に軍配!!
WEB CARTOP
ホンダが新型「軽バン」発売! 精悍顔ブラックグリル×上質オシャ内装採用!? 車中泊も出来る「特別なN-VAN」反響は?
ホンダが新型「軽バン」発売! 精悍顔ブラックグリル×上質オシャ内装採用!? 車中泊も出来る「特別なN-VAN」反響は?
くるまのニュース
令和の今だからこそ往年のビッグバイクモデルを手に入れて、その余裕と風格を実感したい!
令和の今だからこそ往年のビッグバイクモデルを手に入れて、その余裕と風格を実感したい!
WEBヤングマシン
ホンダの電動バイク「EM1 e:」車体のみの購入は可能!? バッテリー無しで買っても補助金は申請できるの?
ホンダの電動バイク「EM1 e:」車体のみの購入は可能!? バッテリー無しで買っても補助金は申請できるの?
バイクのニュース
「唯一無二の天才」「とても寛容」「共に働けて光栄」元レッドブルF1ドライバー、退団発表のニューウェイに称賛送る
「唯一無二の天才」「とても寛容」「共に働けて光栄」元レッドブルF1ドライバー、退団発表のニューウェイに称賛送る
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

26件
  • ハコスカGT-Rをイメージしたストライプ、カッコいいと思うけどな。
  • R35初期モデルから何台か乗り継いでいるけど
    同じクルマとは思えないほど進化し熟成されている
    サスペンション,トランスミッション制御なんかは
    誰が乗っても違いが分かるくらい。
    初期モデルのギクシャク感が懐かしい笑

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村