McLaren F1
マクラーレン F1
MSOが手がけた「マクラーレン F1」のレストアが完了! ハンプトンコートで展示
マクラーレン F1認定プログラムによるレストア
9月6~8日、英国・ロンドンで開催される「ハンプトンコート・コンクールデレガンス」にマクラーレン・スペシャル・オペレーション(MSO)がレストアを手がけた「マクラーレン F1(#063)」が出展される。
昨年のこのイベントにおいて、MSOは「マクラーレン F1認定プログラム」を発表しており、今回そのプログラムによってレストアされた車両を持ち込むことになった。MSOは伝説のスーパースポーツを適切に管理・保持すべく、マクラーレン F1のパーツ開発・製造を続けていくことを約束している。
18ヵ月間という期間を要したハードな修復作業
シャシーナンバー063は、シャシーからボディやドライブトレインが外され、18ヵ月間をかけて骨の折れるレストア作業が行われたという。インテリアはオリジナル通り、 ウォーキンググレーのセミアニリンレザーで再トリミング。このグレーは、かつてマクラーレンF1が設計されたアルバート・ドライブの英国らしい空の色に由来していると言われている。
ダッシュボードとパッセンジャーシートには、ウォーキンググレーのアルカンターラを使用。ドラバーズシートもウォーキンググレーのレザーと、レッドのアルカンターラで再トリミングされている。フロアマットはすべて新たに製作されたものが敷かれており、グレーレザーのパイピングが施された。ステアリングはMSOのストックパーツと交換、歴史的な価値をもつオリジナルのステアリングは、オーナーが保管することになった。
インテリアのレストアが終了後、オリジナルと同様のマグネシウムシルバーにリペイントされたボディパネルが取り付けられた。この塗装からボディパネルを再び取り付けるまでの過程には、約900時間近い時間を費やしているという。
最高出力618bhpを取り戻した自然吸気V12ユニット
内外装の修復期間と同時進行で、自然吸気6.1リッターV型12気筒ユニットのレストア作業も慎重に行われた。完成後は入念なテストが行われ、最高出力618bhp、最高速度243m/hを発揮するこのV12エンジンが再び本来の性能を取り戻したことも確認された。
ダンパーは改修のためにビルシュタインへと送られ、ドライブシャフトとハブも供給元のサプライヤーで修復作業が行われている。公道とサーキットでの最終テストを含む、約3000時間にも及んだレストア作業は6月に完了。その後、マクラーレン・テクノロジー・センターにおいてオーナーへの引き渡しが行われた。
3Dレーザースキャン・スケールモデルも提供
「マクラーレン F1認定プログラム」では、車両のヒストリー、改良点、耐用年数、レースなどへの参戦履歴など、すべての情報を管理・認証する。たとえば、元の仕様へと戻したり、アップグレードを施した場合でも、認証プログラムのアーカイブで確認することが可能だ。
シャシーナンバー063のオーナーには、車両の歴史を記録した特注の図解本に加えて「ジェネシス・スピード・フォーム(Genesis Speed Form)」も送られた。これは、ジェネシス・ビジネス・パークによって製作された3Dレーザースキャン・スケールモデルだ。
ロードカー64台、GTR28台が認定プログラムの対象に
1993年から1998年にかけて、合計106台のマクラーレン F1が製作された。そのうちロードカー64台、レース用のGTR28台が「マクラーレン F1認定プログラム」の対象となる。
MSOのマネージングディレクターを務めるアンサー・アリは、今回のレストア作業について以下のようにコメントした。
「私たちは12ヵ月前に、ガルフレーシング・カラーのマクラーレン F1と共に『マクラーレン F1認定プログラム』を発表しました。非常にハードな作業となった大規模なレストアを終え、ハンプトンコート・コンクールデレガンスにおいて、シャーシナンバー063を展示できることを光栄に思います。チームの献身的な作業により、このクルマはデビュー当初のコンディション、そして世界最高のロードカーという称号を取り戻すことに成功しました」
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