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大クラッシュから復活 幻のアストン「DP215」、24億円で落札

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大クラッシュから復活 幻のアストン「DP215」、24億円で落札

アストン 究極のコンペティションGT

スポーツプロトタイプ・マシンのDBR1で、1959年のル・マン24時間レースを制したアストン マーティン。しかし、国際スポーツカー選手権のタイトルがGTマシンに掛けられることになったため、各メーカーはコンペティションGTを開発する。

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フェラーリは250GTOを送り出したのに対し、アストン マーティンは同様のコンセプトでDB4GTをベースに制作されたDP212を1962年に送り出す。ちなみにモデル名の「DP」は「デザイン・プロジェクト」を意味する。

1963年になるとウイークポイントを改良した進化型として、DP214が登場。それを基に、トランスアクスル・レイアウトを採用したエヴォリューション・モデルのDP215が1台のみ作られた。

DP215は1963年のル・マン24時間レースに投入され、フィル・ヒルとルシアン・ビアンキにステアリングが託され本領を発揮する。

ユノディエールのストレートでは198.6mph(317.7km/h)をマークし、フロントエンジンGTとして初めて300km/hを越えたマシンとなった。

レースは4時間目にギアボックスのトラブルでリタイアに終わり、翌月にジョー・シュレッサーのドライブで参戦したランスでもギアボックス・トラブルで終えしまう。




大クラッシュ、そして復活

引退後は新型V8ユニットのテストベッドとして使用されていたが、夜間テスト中のアクシデントで大きなダメージを受け廃車になってしまう。

その残骸は1974年に放出されるのだが、エンジンやギアボックスを始め数多くのパーツは失なわれていた。その後、愛好家が引取りレストレーションがスタートするのだった。

アストン マーティンのレーシング・ディビジョンに残っていたボディパネルやパーツが使用され、オリジナルのエンジンとギアボックス以外は完璧に復元。2000年に現在のオーナーのもとに移り、失われていたギアボックスは製作され、引退後DP212に積まれていたオリジナルのエンジンも取り戻し、ようやく本当のDP215になったのである。

ワンオフのワークス・コンペティションGTモデルというヒストリーに加え、愛好家の熱意で完璧に復元された「レーシングマシンの文化財」といえる存在。RMサザビーズ・モントレー・オークションでは、フェラーリ250GTOには及ばなかったが、2145.5万ドル/24億296万円の落札額は正当に評価されたものといえよう。

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