もくじ
ー 積算6956km 5シリーズをゆりかご代わりに
ー 積算8443km 妻へのバースデーサプライズ
ー 広いトランクに優れた快適装備
ー ほとんど完璧
ー テスト車について
ー テストの記録
積算6956km 5シリーズをゆりかご代わりに
もし子どもが寝付かず苦労しているなら、少しドライブに行くといいとはよくいう話だ。5シリーズはこの点においても、特に優れているようだ。
荒れた路面からの衝撃は吸収するし、不快なノイズもシャットアウトしてくれる。揺れ方も赤ん坊には好ましいものらしい。そのうえ、11色から選べるアンビエントライティングも役立つことだろう。
積算8443km 妻へのバースデーサプライズ
何十年もの歴史を持つドライバーのためのエグゼクティブサルーンは、ファミリーカーとしても優秀だろうか。「さあ、フランスに向かおう!」わたしは笑って言った。「まあ、いいわね」と背もたれを倒して座っていた妻は答えた。ドーバーの港町までもうすぐというタイミングだった。
妻の30歳の誕生日のために、この瞬間までなんとかサプライズの旅を秘密にしていたのだが、ドーバーから出るフェリーのほとんどがフランスの港に向かうことを考えると、どうやら潮時のようだった。
BMW 520dはイギリスでの8時間の旅程(妻に伝えるのをすっかり忘れていたが)を軽々とこなす、わたしの期待通りの素晴らしい長距離クルーザーだった。そして、わたしの想像以上に、今回の旅にはピッタリのクルマだった。
BMW製の2.0ℓディーゼルエンジンは必要十分なパワーを発揮し、高負荷時も、クルージングも極めて静かだった。そのうえ、合わせて高速道路を6時間、郊外の道を2時間以上走って、車載コンピュータは最終的に18.7km/ℓの燃費を示していたのだ。
広いトランクに優れた快適装備
5シリーズは郊外でも素晴らしかった。もちろん、さらに大きなタイヤを履いたMスポーツの5シリーズなら敏捷性はさらに高いのだろうが、わたしが乗っているSEの方が快適性は上だし、高額なラグジュアリーカーとしては身のこなしも軽い。精密で程よく重いステアリングのおかげで、トリッキーなコーナーでも自信を持って攻めることができる。
8時間もクルマに乗せていたせいで、わたしのことをすっかり嫌い始めた妻だったが、非の打ち所のない夫であるわたしは更なるサプライズを準備していた。ベルジェラックの空港に乗りつけ、スカイダイビングに行くよなどと冗談を言っていると(思った程ウケなかった)、妻に内緒で飛行機で駆けつけた、彼女のふたりの親友が現れたのだ!そこからわれわれ4人はクルマに乗り込み、予約していた空港から30分かそこらのブドウ園へと向かった。
ここでも5シリーズの万能さが光った。セダンではあるが、考え抜かれた設計のおかげで、トランクルームには週末旅行に行く4人分の荷物を入れてもまだスペースが残っていた。ちなみにこのスペースは、まとめ買いしたワインを収めるのに役立った。
正直言って、5シリーズでの旅は快適だ。普段はどんなことをしていようと8時間もすれば腰が痛み出すのだが、オプションのランバーサポートが効いたのだろうか、今回は長時間の運転にもかかわらず、腰の痛みを感じることはなかった。
ほとんど完璧
他にも、iドライブが快適さに一役買っているのは間違いない。今回の旅で、BMWのインフォテインメントシステムはクラス随一の出来だと、改めて思い知った。ロータリースイッチやショートカットメニューが使いやすいだけではない。ビルトインのGPSナビは現在使えるシステムの中で、最も賢く理解しやすいもののひとつと言って良いだろう。
加えて、アップル・カープレイも使えば、同期するにしろスマホを使うにしろ、運転環境がさらに快適になるのは間違いない。心からオススメしたいオプションだ。
どうしてこうも、5シリーズの美点ばかりを並べるのかと思ったかもしれない。だが、実際このクルマは美点ばかりなのだ。最新の5シリーズは、現在販売されているクルマのなかで、間違いなく最も優秀なオールラウンダーだ。
正直、問題があると思った点は次の2点くらいのものだ。まずはクルーズコントロール。特に高速道路の急な坂で顕著だが、速度を上げるスピードがなんとも遅いのだ。もうひとつは警告音。これには多くの人が鬱陶しく思っていることだろう。とはいえ、正直ふたつ目については大目に見てもいいとも思っている。
こんな具合だったので、たらふくワインを楽しんだ週末も終わりに差し掛かり、再びイギリスへと長時間運転することになっても、そこまでうんざりした気分にはならずに済んだ。
テスト車について
モデル名:BMW 520d SE
新車価格:3万6815ポンド(568万円)
テスト車の価格:4万2815ポンド(660万円)
テストの記録
燃費:18.7km/ℓ
故障:無し
出費:無し
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