ウイリアムズが2019年のアブダビテストにロイ・ニッサニーを起用した際、多くの批評家たちはこの動きを、弱小チームが短期的な収入を得るためにとった行動だとして、F1ではよくあることだという見解を示した。事実、スポンサーを持ち込んだドライバーがF1をドライブする機会を得ることは、何ら珍しいことではない。
ニッサニーはイスラエル出身の25歳。フォーミュラ・ルノーでは一定の成果をあげているとは言え、2018年に参戦したFIA F2では獲得ポイントがわずか1点にとどまり、ランキング22位。目立つ成績を残すことはできなかった。
■輝きを取り戻せるか。ウイリアムズ、2020年シーズンに向け”健全”な予算を確保
そんな中、ウイリアムズはニッサニーと2020年のテストドライバー契約を締結することを発表した。しかも金曜フリー走行1回目のセッションに3回参加する予定となっており、ウイリアムズ・ドライバー・アカデミーからの指導や支援も受けることになるという。
もちろん、この契約には商業的な要因が絡んでいることは確かだ。さらにもう少し深く掘り下げてみると、この契約についての全体像が見えてくる。
ニッサニーの支援者、シルヴァン・アダムスの存在
ウイリアムズとニッサニーの契約は、イスラエルの都市テルアビブで行なわれたイベントの中で発表された。このイベントは、とりあえずニッサニーとクレア・ウイリアムズ(チーム副代表)に握手をさせて写真を撮り、ゲストは会見よりもドリンクやカナッペに夢中になる……といった従来のものとは一線を画していた。地元のメディア、ゲストは何が起こっているかについて真の関心があったのだ。
イベントの中では、イスラエル大統領、そして首相などの要職を務めたシモン・ペレスの息子であるヘミ・ペレスが登壇し、この契約がイスラエルにとってどれほどの意味を持つかを熱弁した。それ自体が、この国にとってどれほどの意味を持つ契約なのかを証明しているとも言える。
さらに興味深いのは、会見でクレア・ウイリアムズの隣に座っていたのが、ニッサニーの支援者であるシルヴァン・アダムスだったということだ。
アダムスはカナダ生まれの資産家であり、主に不動産開発に関わっている。彼曰く、カナダからイスラエルに移住してから自身の名刺に『自称イスラエル大使』という文言を入れていると言い、スポーツ事業を通したイスラエルの振興に尽力している。
彼は自転車競技の熱心なファンで、テルアビブに自身の名前を冠した競技場を建設するほどだ。近年は『スタートアップネーション』という自転車チームに出資しており、2020年のウイリアムズのF1マシンには同チームのロゴが掲示される予定だ。
ニッサニーはイスラエルの自転車競技選手に友人がおり、その関係でアダムスと出会ったのだ。
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