レコードライン外に飛び散る溶けたタイヤ片
サーキット走行会やレースに参加すると、コース上でも走行ライン以外の所にタイヤカスが散乱しているのをよく見かけます。後ろからくる速いクルマに道を譲るためにラインを外すと、路面に散乱しているタイヤカスを拾ってタイヤに付着させてしまうこともあります。ところが、これが盛大にタイヤに付着すると大変!クルマが壊れたのか? と思えるくらい大きな振動を出したり、タイヤカスがはがれかけホイールアーチ内のどこかを叩いて盛大な音と振動を出すこともあります。
暑い真夏でもサーキット走行中はエアコンをOFFにすべき理由とは
スポーツタイヤやセミレーシングタイヤでサーキットを激しく走っていると、タイヤのゴムが溶け、それがひも状になって、その後剥がれ、コースに散乱するのです。場合によっては剥がれ落ちる前に落ちているタイヤカスを拾ってブロックの表面にタイヤカスが貼りついたり、時には溝を埋めたりしています。こうして貼りついてしまったタイヤカスをどうするか? 答えはひとつ、取らないととても危険です。
タイヤに付いたタイヤカスが振動の原因になったり、一般道を走行中に冷えて剥離して後方へ飛ぶと後続車を傷つけてしまう可能性もあります。基本的には走行後に、ちょっとタイヤが冷えてから、マイナスドライバーなどでタイヤに付着したタイヤカスをこそげるように取ります。
サーキット走行会で、もし空き時間や走行の合間にコースを走ることができるなら、走らせながらタイヤカスを剥がすやり方もあります。少しタイヤが冷えてからやると効果的なのですが、フロントタイヤについたカスは、カーブでタイヤをこじるように多めにハンドルを切って走ってやるとかなりの部分が剥がれます。リヤタイヤはコーナー入り口などでブレーキを軽くかけリヤを滑らせると剥がれます。ただ、方法があるというだけでなかなか実際にやるのは難しいと思いますけど。
また、タイヤカスが付着すると接地面が凸凹になるため、グリップ力が著しく低下します。サーキット走行中にカーブが急に曲がりにくくなったときは、タイヤカスの付着を疑ってみると良いかもしれません。
小さなタイヤカスは、量が多くなければ無視しておいても一般道を走るうちにゴムが冷えて勝手に剥がれてくれます。ただし、付着させたまま翌日まで放置しておくと、ゴムが硬化しているので、ゴツゴツした乗り心地になったり、振動が出たり、ハンドルの効きが鈍くなったりします。面倒でも地味にタイヤカス剥がしをやることをお薦めします。
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