フォーミュラEのCEOを務めるアレハンドロ・アガグは、シーズン5の開幕戦ディルイーヤePrixを終えて、新しく導入されたアタックモードの効果に満足しているが、今後さらに微調整が行われる可能性を否定していない。
シーズン5から第2世代マシンが導入され、マシン乗り換えとピットストップがなくなることから、レース戦略に幅を持たせるために新しく導入されたアタックモード。コース上に設けられたアクティベーションゾーンを通過する事で、200kW(約268bhp)から225kW(約302bhp)へ、一時的に最大出力を引き上げるアタックモードを起動(アクティベーション)することができる。
■フォーミュラE、高出力の”アタックモード”使用法を説明。日本のあのゲームを参考に!?
ピットストップの代替として導入されていることから、その使用はドライバーの義務となっている。またラップタイムをロスするよう、アクティベーションゾーンは意図的にレコードライン外に置かれることになっている。
アタックモードの使用回数や持続時間はレース毎にFIAが変更することができる。ディルイーヤePrixでは、1度アタックモードを作動させると、4分間に渡ってパワーがアップし、これを計2回使用することができた。
当初、アタックモードのアクティベーションゾーンはロングストレートの前、タイトなターン17を出てすぐのところに置かれていた。しかしアタックモードを作動させるためには大きく減速しなければならず、ドライバーたちから危険だとの意見が出たため、レース開始を前に23メートルほどコーナーから離れるようにゾーンが移動された。
さらにレース後にもアタックモードの有効性について、ドライバーたちからさらなる提案が行われたようだ。
アタックモードの初運用について感想を訊かれたアガグは、結果としてアタックモードの調整が行われたとしても、大幅な変更にはならないだろうとmotorsport.comに話した。
「(今後のレースで)アクティベーションゾーンをどこに設置するか次第だと思う」
「多少(アタックモードで)使用可能なエネルギーを上積みし、通常モードとの差を大きくする可能性はあるかもしれない」
「しかしその差はしっかりと目に見えるものだった。私は、ドライバーたちがオーバーテイクするのに十分だったと思うので、変更するとしても少しの微調整になるはずだ。本当にうまく機能した」
「モータースポーツにとって、画期的なシステムだったと思う。フォーミュラEによってもたらされた素晴らしいイノベーションであり、私は誇りに思っている」
アガグの考えとは裏腹に、多くのドライバーが25kWのパワーアップはオーバーテイクに十分な効果を発揮せず、逆にアタックモードのアクティベーションの際、あまりにも多くのタイムをロスしてしまったと訴えているようだ。
アウディ・スポート・アプト・シェフラーのダニエル・アプトは「アタックモードは不十分だ」と語った。
「タイムをロスしたので、(アタックモードというより)”ルーズ・モード”のようだった。それを作動するときにポジションを失い、25kWの追加パワーが十分じゃなかったので、適切に仕掛けることができず、ポジションを取り戻せなかった」
「最大出力を250kWくらいに上げるべきだ。そうすれば少なくとも加速が良くなって、間違いなく(オーバーテイクを)仕掛けることができる。(チームメイトの)ルーカス・ディ・グラッシも、現在のフォーマットでは戦略性が少なくなっていると言っていた」
「アタックモードのパワーを予選のレベルまで引き上げれば、その違いは大きくなるだろう。あるいは、アクティベーションゾーンをピットレーンに設定する必要があるかもしれない。(ディルイーヤePrixでは)非常に保守的だった」
一方、ヴァージン・レーシングのサム・バードの考えはアプトと真逆だ。彼は、アタックモードを作動させる際のロスタイムをもっと増やすべきだと主張している。
「1秒ではなくて、6~8秒ほどロスするようにすべきだ」
「そうすれば、間違いなくポジションを落とすことになり、新たなドライバーと戦うことになる。なんとかして、道をこじ開けなければならなくなるんだ」
「ラリークロスにおける、ジョーカー・ラップと同じようなコンセプトだ。6~8秒失うことで、次の3周はパワーが増した状態で走れる。そうなったらクールだ」
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