スーパーGTデビューイヤーの2018年に山本尚貴とともにシリーズチャンピオンに輝いたジェンソン・バトンは日本での戴冠の翌週11月18日、同じくデビューシーズンをおくっているWEC世界耐久選手権の第5戦上海6時間レースで、総合3位に入り初表彰台を獲得した。
スーパーGTと並行して2018/2019年WEC“スーパーシーズン”に第2戦ル・マン24時間レースから参戦しているバトン。2009年のF1ワールドチャンピオンは、ミカエル・アレシン、元F1ドライバーのビタリー・ペトロフとともにロシアのSMPレーシングが走らせるBRエンジニアリングBR1・AERをシェアし、シリーズ最高峰のLMP1クラスを戦っている。
WEC上海:小林可夢偉組トヨタ7号車が2連勝。大雨で2度の赤旗、SC5回出動の難レースを制す
その11号車BR1はバトンが加入したル・マンから再三トラブルに泣かされ、これまで思うような成績を残せず。第4戦富士ではバトンが、シリーズを席巻するトヨタTS050ハイブリッドと遜色ないペースを披露するも、やはりトラブルがつきまとい総合4位に留まっていた。
迎えた第5戦上海、SMPレーシングはステファン・サラザン、エゴール・オルドジェフ、マテボス・イサーキャン組17号車BR1・AERが予選4番手、バトン組11号車BR1が同7番手からスタート。レース序盤は大雨の影響で2度の赤旗中断、度重なるセーフティカーランのなかでレースを進めることとなった。
そんな難しいレースコンディションのなか、バトン駆る11号車は3時間すぎに総合2番手に浮上すると、ブルーノ・セナがドライブしてトップを走るレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソンをコース上で捉えて総合首位に躍り出ることに成功する。
■ジェンソン・バトン「戦略は富士での失敗から学んだ」
その後、11号車は後方からAWDのメリットを生かして追い上げてきたトヨタの2台にかわされるものの、バトンからアレシン、アレシンからペトロフとつないでチーム最高位タイとなる総合3位でフィニッシュ。LMP1ノンハイブリッド勢最上位でチェッカーを受けた。
一方、サラザン組17号車は、イサーキャンがレース終盤に強まった雨に足元を掬われ、最終コーナーの手前でクラッシュを喫した。この結果17号車はトップと13周差の100ラップを走行もリタイアに終わっている。
「予想どおり、上海での6時間レースは雨で難しい戦いになった」とレースを振りかえったバトン。
「このようなコンディションのなかでLMP1マシンをドライブするのは簡単ではないが、幸運なことに他の多くドライバーのようにスピンすることなく自分の仕事をやり遂げることができたよ」
「レベリオンの1号車、トヨタと首位争いができ全体的にいいレースだったと言える。個人的にも楽しかったよ。また、トヨタのみんなと一緒に表彰台に登れたことも素晴らしかった」
「今回、チームは本当にいい仕事をしてくれたと思う。僕たちにとってこれが初めてのトラブルフリーのレースだった。戦略についてもうまくいったよね。僕らは富士での間違いから多くのことを学んだんだ」
バトン、SMPレーシングが参戦する2018/19年WEC“スーパーシーズン”の次戦、第6戦セブリング1000マイル(1600km)は2019年3月15日、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで開催される予定だ。
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