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惜しくもタイトルを逃したキャシディ「『僕を信じてミディアムでスタートさせて』とお願いした。すべてを出し切れた」/決勝トップ3会見

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惜しくもタイトルを逃したキャシディ「『僕を信じてミディアムでスタートさせて』とお願いした。すべてを出し切れた」/決勝トップ3会見

 全日本スーパーフォーミュラ選手権最終戦鈴鹿の決勝レースを終え、優勝飾り、2018年チャンピオンを獲得した山本尚貴(TEAM MUGEN)、2位のニック・キャシディ(KONDO RACING)、3位の山下健太(KONDO RACING)、そして優勝チーム監督の手塚長孝氏がトップ3会見に臨んだ。会見では主に、激しい優勝・チャンピオン争いを展開した山本とキャシディに質問が集まった。

■山本尚貴(TEAM MUGEN)/決勝 優勝
「(今のお気持ちは、と聞かれ、下戸の山本はスパークリング日本酒でアルコールを大量に浴びて)気持ちは……悪いです(笑)。話したいことはたくさんありますが、チャンピオンを獲れて素直にうれしいです。ホンダ、チーム、エンジニアの阿部(和也)さん、メカニックのみなさんがこの結果を獲得すべく、力を合わせて頑張ってくれました。みんなの努力に報いるいい走りができたと思いますし、みんなに感謝ですね」

山本が劇的逆転チャンピオン!最終戦最終ラップ、キャシディと0.6秒差の直接対決を制す

「チャンピオン争いをしていたニック(・キャシディ)選手とこうしてトップ争いができて最後、前に出た方がチャンピオンという構図は、正直言って思い描いていませんでした。最終ラップまでああいう風に熾烈な争いをして、速いドライバーがチャンピオンになるという、真のフォーミュラカーレースの姿を見せることができたと思います」

「ニックがいたから僕もああいう走りができたと思います。チャンピオン争いをしていた石浦(宏明)選手や、レベルの高い選手と一緒に戦うことができたからこそ、こういった盛り上がるレースができたのかなと思います。応援してくださったすべての人に感謝したいです」

「実は今週末、ブレーキの温度管理がすごくシビアだったんです。ブレーキ温度が上がると、内圧も上がったり下がったりしてしまう。内圧を完ぺきに合わせたとしても、左側のブレーキ温度が低いと、内圧が上がらなかったりといった問題がありました」

「レース中ではミディアムタイヤで走っているとき(セカンドスティント)、左のブレーキ温度が全然上がらず、左側の内圧が上がらなかったんです。それで、いつもよりブレーキを長く引きずってブレーキ温度を上げようとしていたら、今度は右側の内圧が上がってしまって」

「最後はそういうのを関係なしにプッシュして、ニックを諦めさせようとしました。そうしたらまたブレーキ温度が左右ですごくついてしまったんです。残り2周に最終シケインでロックしたのは、それが原因でした。なかなかつらいレースでしたね」

「けれど、オーバーテイクシステムを5発残していたし、最後に(ニックが)近づいたとしても、よほどのタイム差じゃなければダウンフォースが抜けて真後ろにつくことは難しいだろうと思っていましたね」

「でもまさか残り2周で最終シケインでロックするとは思っていませんでしたし、それで(ニックに)差を詰められてしまいました。最後はドキドキしました。ただ、スプーンカーブを立ち上がったときの差を見て、最終シケインでミスをしなければ、トップでチェッカーを受けられるな、とは思っていました」

■手塚長孝監督(TEAM MUGEN)
「ありがとうございます。金曜から日曜までの予選を含めた流れが、結果につながったと思います。その流れを作ったのは山本尚貴であって、彼のコントロールと、そしてスタッフもしっかり自分たちの仕事を100%やりきることができたんじゃないかと思います」

「ニック選手はとても強かったですね。KONDO RACINGさん、チームタイトル獲得おめでとうございます。TEAM MUGENもチームタイトル、また、新たなチャレンジに向かって進んでいきたいです。今日、最後はドキドキしましたけれど、お客さんにわくわくするレースを見せることができて誇りに思っています」

■キャシディ「予選でもベストを尽くせたし、すべてを出し切ることができた」
■ニック・キャシディ(KONDO RACING)/決勝 2位
「ヤマモト選手におめでとうと言いたい。ヤマモト選手はとてもすばらしかったと思うし、ヤマモト選手は僕がF3のころから、そのすばらしい走りを見ていたドライバーだ。すばらしいライバルであるということを、もちろんわかっていながらリスペクトをもって戦っていたよ。残念ながら僕はタイトルを獲得できなかったけどね」

「金曜日の会見でも言ったけれど、ベストを尽くしたいというのが週末に向けた僕たちの目標だった。チームは本当に頑張ってくれたし、すべてを出し切ることができたと思っている。予選でもベストを尽くせたし、レースでも頑張った。チームのみんなを誇りに思ってるよ」

「(ミディアムタイヤでスタートするというのは)自分で決めたよ。エンジニアは『絶対にだめだ、ソフトタイヤでスタートしよう』と言っていた。その気持ちはわかったけれど、朝のフリー走行ではソフト、ミディアムタイヤともに調子がよかったんだ。絶対いけるから、僕を信じてミディアムタイヤでスタートさせて、とお願いした。たぶんほかの人がソフトタイヤで走るのと同じラップタイムで行けるからってね」

「一番心配していたのは、後方グリッドでミディアムタイヤを履いてスタートしたドライバーがいたときのことだね。ソフトタイヤに履き替えたとき、ポジションによっては混戦してしまう。僕の戦略が失敗することが心配だったんだ。だから、常に無線でほかに誰か(ミディアムタイヤを)履いていないか、確認していたよ。運よく最初の20ラップはかなりうまくいったと思う」

「今回のレースで勝つにはトラックポジションが非常に重要だった。早くピットに入ってもヤマモト選手の前に出ることはできなかったかもしれない。というのも、ストレートでは7km/hの差が出てしまう。それを乗り越えることができなかったのは最初からわかっていたからね」

「(35周目にS字で挙動を乱したことについて)(ジェームス・)ロシターがコースアウトしたのを映像で確認していたんだけど、S字でマシンのコントロールを失ってしまった。トラック上に路面に滑りやすい何かがあったように感じたね。そのあと、タイヤをきれいにするのにしばらく時間がかかってしまったんだ」

■山下健太(KONDO RACING)/決勝 3位
「まずは山本選手、おめでとうございます。(山本選手は)お酒がだめなのに、かけてしまってすみませんでした……(汗)。今日の僕のレースはチャンピオン争いとは関係ありませんでしたが、スタートでは山本選手の前に出るのが僕の仕事でした。けれど、山本選手は僕を近づけさせないくらいスタートが速く、僕はポジションキープすることになってしまいました」

「山本選手に絶対についていく、と思って走っていましたが、自分のペースが悪くついていけませんでした。ソフトタイヤがタレてしまってミディアムタイヤで長く走ることになりましたが、ミディアムのペースもよくなく、自分としてはあまりいいレースではなかったです。ただ、(スーパーフォーミュラでの)表彰台獲得は初めてだったので、最低限、それはよかったと思っています。でも、満足できるレースではありませんでしたね」

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