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WEC富士決勝:トヨタ7号車が今季初優勝。大荒れの序盤を乗り越えトヨタがワンツーフィニッシュ

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WEC富士決勝:トヨタ7号車が今季初優勝。大荒れの序盤を乗り越えトヨタがワンツーフィニッシュ

 FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦富士6時間レースの決勝は、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッドが今季初優勝。8号車も2位となり、ホームレースでトヨタがワンツーフィニッシュを飾った。


 ほぼ雨は止んでいるもののウエットコンディションでレースがスタート。路面には水たまりはないが水煙が上がる状況のため、セーフティカーの先導で1周したのちレースの幕が開けられた。

最速7号車トヨタTS050ハイブリッド、ピットレーン速度違反でPPタイム抹消|WEC富士予選

 ポールポジションからスタートしたトヨタ8号車(中嶋一貴)が危なげなくトップをキープ。後方ではレベリオン勢が接触せんばかりのバトルを展開した。予選タイム抹消でクラス最後尾の8番手スタートとなったトヨタ7号車(小林可夢偉)は冷静にオーバーテイクを重ね、2周目を終える頃には2番手となった。

 しかしタイヤ選択でミスがあったのか、7号車はペースが伸び悩んでいた。結局レース開始から18分を経過した段階でピットインし、ウエットタイヤを交換。これで2番手にはSMPレーシング17号車(ステファン・サラザン)が浮上したが左フロントタイヤが脱落するトラブルが発生してしまい、大きく後退を余儀なくされてしまった。

 代わってSMPレーシング11号車のジェンソン・バトンが2番手に浮上した。時を同じくして、レベリオン1号車がピットイン。コンディションが回復しているとみたか、インターミディエイトと呼ばれる、ウエットでも走れるコンパウンドのスリックタイヤにスイッチした。

 レース開始から30分に迫る頃には、タイヤを交換したトヨタ7号車がペースを取り戻し、8号車は後続に対し30秒以上のリードを築いていたが、メインストレートでLM-GTE AmクラスのMRレーシングの70号車フェラーリのタイヤが突然バースト。ドライブしていた石川資章は無事だったが、コース上に大量のパーツが散乱したことでセーフティカーが出場した。

 ピットレーンがオープンすると、トップを走っていた8号車がピットに入りインターミディエイトに交換。これでピットに入っていない11号車のバトンが首位に立つ。トヨタは7号車が2番手、8号車が3番手となった。すると雨が強まったタイミングでレベリオン3号車が1コーナー出口で挙動を乱し、セーフティカー走行中にも関わらず大クラッシュを喫してしまった。直後には再び空が明るくなり始めるなど、コンディションに翻弄される荒れた展開が続いた。

 30分近く続いたセーフティカーも、レース開始から1時間を経過する直前に解除となりレース再開。走行ラインが乾き始めている状況の中、まだ溝のあるウエットタイヤを装着しているトヨタ7号車はペースが厳しく、トヨタの8号車やセーフティカー中にトラブル修復を終えたSMPレーシング17号車にも交わされた。

 たまらずトヨタ7号車はピットイン。一足先にピットに入っていたSMPレーシングの11号車よりも素早く作業を終え、総合4番手でコースに復帰すると、1分26秒台のタイムで猛然と追い上げ始めた。これを見てトップのトヨタ8号車、2番手のレベリオン1号車もピットでドライ用のスリックタイヤに履き替えたため、7号車が逆転しトップに立った。結果的には、7号車がドライタイヤに切り替えたタイミングが適切だったことになる。

 これでようやくレースが落ち着いた展開に。トヨタの7号車は他のマシンを抜く際にコースオフする場面もありながらも、2番手のトヨタ8号車すら少しずつ引き離していった。

 スタートから2時間を経過する前に、各車がピットへ。トヨタ8号車が中嶋からセバスチャン・ブエミに交代するが、トップのトヨタ7号車は小林がドライブを継続した。

 トラフィックが影響してか、残り時間3時間半となる頃にはトヨタの7号車と8号車が接近。タイヤも厳しいのかブレーキで苦しむ場面もあった7号車だが、なんとかトップを守ったままピットインした。これで、小林はマイク・コンウェイにマシンを託した。

 その後、トヨタの8号車がピットインしたことで再び7号車がトップに。レース折り返しを迎えた時点で、2スティント目のタイヤを履く8号車との差は12秒ほどとなった。トヨタ勢から1周遅れの3番手にはレベリオンの1号車がつけた。ドライでのペースの良さでSMPレーシングの11号車を17秒ほど引き離した。

 LMP2クラスはジャッキー・チェンDCレーシングの37号車が僚友の38号車を従えて首位。LM-GTE ProクラスはBMWの81号車、LM-GTE Amクラスはデンプシー-プロトンの88号車がトップでレース後半に突入した。

 タイヤ戦略が異なるトヨタの2台は7号車が先にピットインし、その後しばらくして8号車がピットインする展開。ドライバー交代のタイミングも異なり、5回目のピット作業ではコンウェイがドライブを続ける中、8号車にはフェルナンド・アロンソが乗り込んだ。だがそれまで8号車をドライブしていたブエミは無線でアンダーステアに苦しんでいると訴えており、両車の差はさらに少しずつ開いていった。

 SMPレーシングの17号車がコース上にマシンを止めたため、残り2時間あまりというところでフルコースイエローが出された。このタイミングでトヨタの7号車がピットインし、コンウェイからホセ・マリア・ロペスに交代。他の多くのマシン同様、トヨタの8号車もピットインしたため、トヨタ2台のピットタイミングがほぼ揃うことになった。

 一方で4番手を走っていたSMPレーシングの11号車もガレージイン。リヤカウルを開けてメカニックが作業を行いレースに復帰したが、3番手のレベリオン1号車と同一周回を走っていただけに痛恨の後退となった。

 残り1時間20分を切ったタイミングでは、トヨタ8号車が先にピットイン。タイヤを交換すると共にアロンソから中嶋にドライバー交代した。またアンダーステアの解消を狙ってかリヤカウルも交換。その翌周にはトヨタの7号車がピットイン、こちらもタイヤを交換しロペスが2スティント目に向かった。

 8号車の中嶋はトップを走る7号車ロペスとの差を徐々に詰めていくが、ロペスも隙を見せず、20秒ほどのギャップをキープした。

 残り時間35分を切り、トヨタ8号車が先に最後のピット作業を終了。給油作業のみでコースに復帰した。続けてトヨタ7号車もピットインするが、こちらは小林が乗り込んだ。トヨタはどちらも日本人ドライバーがスタートとフィニッシュを担当することとなった。

 トヨタ同士の差は徐々に縮まっていくが、結局7号車がトップチェッカー。小林とコンウェイにとっては2016年の富士以来、ロペスにとっては初優勝となった。

 2位には8号車が入り母国でトヨタがワンツーフィニッシュ。3位にはレベリオン1号車が入った。SMPレーシングのバトンは終盤トヨタ勢に迫る速さの猛プッシュ、バイコレス4号車を逆転し4位でレースを終えた。

 LMP2クラスの優勝を飾ったのは、安定してトップを走ったジャッキー・チェンDCレーシングの37号車。クラス2位には同チームの38号車が入り、こちらもワンツーフィニッシュを達成した。

 LM-GTE Proクラスは、残り2時間を切るところまでフェラーリ71号車がトップを走っていたが、接触により足回りにダメージを抱え優勝争いから脱落。メーカー同士のプライドを賭けた激しいバトルが6時間に渡って繰り広げられたが、ポルシェ92号車がBMW82号車を抑えて優勝した。

 同じく激しいバトルが繰り広げられたLM-GTE Amクラスは、ライバルよりピットストップ回数を1回減らすことに成功したチーム・プロジェクト1の56号車ポルシェが優勝した。星野敏がスポットで加わったデンプシー-プロトンの88号車は総合24位、クラス2位と表彰台に上がった。澤圭太が所属するクリアウォーター・レーシングの61号車は総合29位、クラス7位でフィニッシュしている。

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