スーパーフォーミュラ第5戦もてぎの決勝。JMS P.MU / CERUMO・INGINGの石浦宏明は、チャンピオンシップ争いを見据えて自らが”正念場”だと位置付けていた1戦で、見事ポール・トゥ・ウィンを達成した。
決勝レース前のフリー走行でスタートの練習を何度も繰り返していた石浦。そのスタートを決めることができれば、良いペースで走ることができると事前に考えていたという。しかし実際は、スタート直後に2番手スタートの松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)に先行を許してしまった。石浦はその理由として、オーバーテイクボタンの使用タイミングなどを挙げた。
スーパーフォーミュラ第5戦もてぎ:石浦宏明が完璧なレース戦略で今季初優勝
「今日はスタートさえ決めれば良いペースで逃げれられるのではないかと思っていました。予定通りのスタートは決めたんですけど、オーバーテイクボタンを(スタートしてから)すぐに押したので、僕のオーバーテイクボタンが切れた時に向こう(松下)に使われてしまって……5コーナーでインを開けたのが自分の判断ミスだなと思います。予定外にポジションを下げてしまったので、正直苦しい展開でした」
「相手のタイヤ(の性能)が落ちてきたときに仕掛けようと近づいてみたんですけど、そうするとタイヤが一気に落ちるのを感じたので、逆にタイヤを守ってこの後に勝負する方向性に切り替えました」
「そうしたら急激に向こうもペースが落ちていったので全力で飛ばしました。そのあと、無線で後ろから平川亮選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が来ているというのを聞きました。飛ばした後、楽なレースになったら嬉しいなと期待していたんですけど全然(楽には)なりませんでした」
「立川(祐路)監督からも(2回目にピットに入る平川と)同じタイミングで(自分も)ピットに入って同じ条件だというのを教えてもらいました。同じ条件になれば追いつかれても、なんとかなるかなという自信はあったので、そこからは自分のペースで走りました」
決勝レース中盤の27周目、トップを走っていた松下は石浦よりも早くピットストップを行った。石浦もそれに反応してピットに向かうのではないかと思われたが、彼がピットストップを行ったのはそれから10周以上も後のことだった。
しかし、この間に、石浦はパドルシフトのトラブルに見舞われていたという。
「レース序盤、相手の後ろにいるときからパドルシフトにトラブルが出ていて、何回かシフトダウンができませんでした。(前車との間隔を開けてマシンを)冷やしながら走ってという指示もあって、ちょっとずらしながら走っていたりしていました」
「全力で逃げている最中も、1回ホームストレートでもシフトがアップできなくなって38秒台にペースが落ちてしまって、今日はこれでレース終わりかなと一瞬思ったくらいでしたが、奇跡的に動くようになりました。最後はちょっとヒヤヒヤしていたんですけど、予定通り勝つことができて、ホットとしています」
立川監督も、石浦と同様に今回のレースが正念場になるということを認識しており、チームが石浦の思いに応えたと話した。パドルシフトの問題が悪化しなければ優勝できるだろうと考えていたが、最後までどうなるかわからなかったという。
レース後の記者会見に出席した立川監督は、「1回バックストレートで失速しました。『ギヤが……』っていう無線と同時に、スピードトラップも50km/hくらい遅い速度で通過したんで一瞬ヒヤッとしました」と話していた。
正念場のレースで優勝を飾った石浦は、ポールポジションのドライバーに与えられる1ポイントと合わせて、合計で11ポイントを獲得した。ドライバーズランキングでも山本尚貴(TEAM MUGEN)と同ポイントの3位に浮上。ランキング首位のニック・キャシディ(KONDO RACING)との差はわずか3ポイントだ。
次戦の岡山国際サーキットは石浦の得意なサーキットであり、今週末のレースまでランキング首位に立っていた山本とのチャンピオン争いを考えても、ここでの勝利を逃すわけにはいかなかったのだ。
「だいたい例年でいうと、いろんなチームの得意不得意みたいなところが見えてくるじゃないですか。今年は山本選手が最初に2回勝って、さらに彼の場合鈴鹿が得意っていうのもあると思っています」
「逆にここいるメンバー(石浦、平川、ニック・キャシディ)は、岡山は得意な方だと思います。そういう流れみたいなものを予想した時にもてぎは絶対に獲らなきゃいけないし、岡山でリードしないと、鈴鹿で勝負になった時に例年山本選手が速いので。そうなった時のことを考えても、流れを作るにはここが非常に大事だったので、そういう例年の流れとかを考えてやっています」
「岡山でのレースは、今まで成績も良いです。今シーズンは前半戦にどっちかというとうちが不得意としているサーキットが多かった分、ここでたくさん稼がないと最後に勝てないので、そういう意識もありました」
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