カナダGPで今シーズン3勝目を飾ったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは、間違ったタイミングでチェッカーフラッグが振られたことについて、レースが終わる前にファンがコース上へ入ってくることを心配していたと明かした。
今年のカナダGPでは、地元カナダ出身のモデルであるウィニー・ハーロウがチェッカーフラッグを担当した。しかし本来レースは70周で行われるはずだったのにもかかわらず、彼女がチェッカーフラッグを振ったのはベッテルが69周を終えたタイミングのことだった。
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これについてハーロウは、”自分は指示に従った”だけだと話した。一方トップでチェッカーを受けたベッテルは、チェッカーフラッグが振られた際に、混乱を避けなければならないと無線で伝えていた。
「幸いにも僕らには無線があるし、マシンにはラップ数を数える機能がある。それにピットボードは正確だった」とベッテルは話した。
「だけどもし無線が使えなくてピットボードもなかったら、スピードを落とすだろうし、トップを走っているのなら、他のマシンもスピードを落として欲しいと願うだろうね!」
「僕はただ心配していて、最終ラップでそれを彼ら(チーム)に伝えた。僕たちはまだフルスピードで走っていたのだから、ファンはトラック上でジャンプをしたり、旗を振ったりお祝いをすることはできないんだ」
「テレビ(コース脇のスクリーン)でそれを見ていたし、チェッカーを受けた後に(スクリーンでは)”最終ラップ”と表示されていたから少し混乱していた」
「僕はチームに『レースはまだ終わっていないと思うんだけど』と伝えた。そうしたら彼らは『(レースは)終わってない。プッシュを続けて』と言ったんだ」
「でも中にはお祝いをしていたマーシャルもいた。彼らは喜びを爆発させるのが少し早かった」
この件により、レースは68周を終えた時点で終了との扱いに。ケビン・マグヌッセン(ハース)をパスして13番手に浮上していたセルジオ・ペレス(フォースインディア)は、そのオーバーテイクが無効になり最終的な順位は14位となった。また70周目にファステストを記録したダニエル・リカルド(レッドブル)もその記録が取り消され、このレースのファステストラップはチームメイトのマックス・フェルスタッペンが65周目に記録したタイムとなった。
さらに、キミ・ライコネン(フェラーリ)に周回遅れにされたカルロス・サインツJr.(ルノー)によれば、ライコネンはこの間違ったチェッカーフラッグを受けた後に速度を落としたのだという。
最終的に8位でレースを終えたサインツJr.は、「キミがチェッカーフラッグを見て僕の前でスローダウンしたから、僕は4秒か5秒失った」と述べた。
「その後、彼はこれが正しいチェッカーフラッグではないと理解し、もう一度ペースを上げたんだ」
「僕がターン2に到達した時、マーシャルは皆フラッグを振っていた。僕は彼らが間違っているのだとわかっていたから、スローダウンしなかった。でも前にはキミがいたんだ」
「僕はチェッカーフラッグのことを考えていなかった。なぜなら僕はそれを見ていないし、それ(チェッカーフラッグが振られること)を予想していなかったからだ」
また11位でレースを終えたピエール・ガスリー(トロロッソ)は、本来の予定よりも早くチェッカーフラッグが振られることは”危険”だと語った。
「ひとつのレースで2回チェッカーを受けたのはこれが初めてのことだと思う」
「何があったのか、正確にはわからないけど、僕のエンジニアからは『OK、そのことは気にするな』と言われたんだ」
「だけど、これは本当に危険なことだと思う。もし最初のチェッカーの後でアクセルを離したら、他のドライバーが自分を追い抜いてしまうからね……僕は少し驚いた」
「チームは(最初のチェッカーを受ける)5秒前にこのことを伝えてくれた。かなりギリギリのタイミングだった。彼(ガスリーのエンジニア)は僕に『次のラップが最終ラップだ』と伝えてくれた。僕はスタート/フィニッシュラインを通過してフラッグを見たときに『一体なんなんだ?』と思ったよ」
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