2021年のWEC世界耐久選手権第3戦となる『モンツァ6時間レース』の公式予選が7月17日、イタリアのモンツァで開催された。トヨタGAZOO Racing7号車GR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)が最速タイムをマークしている。
今季のWECでは予選のレギュレーションが変更され、昨年までの各車2名の平均ラップで順位を決する方式から、シンプルな1名のドライバーの最速ラップにより順位を決定する方式が採られている。
予選のセッションはふたつに分けられ、最初にLMGTEプロとLMGTEアマの混走セッションが10分間、インターバルを挟んでハイパーカーとLMP2クラスの混走が10分間行なわれる。
なお予選を前に、フリープラクティス2回目のセッションでクラッシュしたLMGTEアマクラスのインセプション・レーシング71号車フェラーリ488 GTE Evoが、レースまでのマシン修復が不可能であるとして、モンツァからの撤退を決めている。これにより、第3戦は36台のマシンで争われることとなった。
現地時間18時、気温33度/路温43度で開始されたLMGTEプロ&アマの予選では、Dステーション・レーシング777号車アストンマーティン・バンテージAMRは星野敏がステアリングを握り、コースに入った。LMGTEプロクラスの4台は、コースインを若干遅らせてベストなアタックタイミングを狙う。
GTEプロクラスではまずAFコルセ51号車フェラーリ488 GTE Evoのアレッサンドロ・ピエル・グイディが1分45秒752でトップに立つ。しかし、ポルシェGTチーム92号車ポルシェ911 RSR-19のケビン・エストーレが1分45秒412でこれを逆転することに成功。
GTEアマクラスではアストンマーティン・レーシング98号車のポール・ダラ・ラナが計測2周目でいったんトップに立つが、3周目に入るとAFコルセ83号車のフランソワ・ペロード、チーム・プロジェクト1の56号車ポルシェ911 RSR-19のエギディオ・ペルフェッティらがダラ・ラナを上回るタイムをマークしてくる。
その後はぺロードがアマクラスのトップに立っていたが、セッション残り1分を切り、TFスポーツ33号車アストンマーティン・バンテージAMRのベン・キーティングが1分47秒272というタイムを叩き出し、LMGTEアマクラスのPPを奪った。アマクラス2番手は83号車フェラーリ、クラス3番手にはチェティラー・レーシング47号車フェラーリ488 GTE Evoが入った。
LMGTEプロクラスは、エストーレのタイムで92号車ポルシェがクラスPP。2番手は51号車フェラーリ、3番手に91号車ポルシェ、4番手に52号車フェラーリと続く結果となった。
■残り3分弱でクラッシュにより赤旗提示
続いて18時20分からはハイパーカークラスとLMP2クラス対象の予選セッションとなった。陽も傾き、気温31度/路温38度と、暑さはやや落ち着きを見せている。
トヨタ7号車GR010ハイブリッドはホセ・マリア・ロペス、8号車GR010ハイブリッドはブレンドン・ハートレーが予選アタックを担当。アルピーヌ・エルフ・マットミュートの36号車アルピーヌA480・ギブソンはニコラ・ラピエール、グリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMHはルイス・フェリペ(ピポ)・デラーニ、709号車はリチャード・ウェストブルックがステアリングを握った。
トヨタ7号車のロペスはアタックに入った1コーナーでエスケープゾーンへオーバーラン。それを後目にアタックラップへと突入したトヨタ8号車のハートレーが、まずは1分37秒130というタイムでモニターの最上段に立つが、これをすぐさま708号車のデラーニが1分36秒995、さらに36号車ラピエールが1分36秒733と更新していく。
2周連続のアタックを敢行したハートレーも1分35秒961へとさらにタイムを縮め、ラピエールからトップを奪う。その頃、7号車ロペスはまたしても1コーナーでブレーキをロックアップさせ、コースから外れていた。36号車のラピエールは1分36秒121と、トップのハートレーに肉薄していく。
7号車のロペスは計測4周目にようやくアタックをまとめると、1分35秒899といきなり一番時計。これでトヨタのワン・ツーとなったところで、LMP2クラスの車両のクラッシュにより赤旗が提示されセッションは中断となった。
そのLMP2では、ニック・デ・フリースがドライブするレーシングチーム・ネーデルランド29号車オレカ07・ギブソンが、1分38秒785というタイムでセッション序盤をリードした。このタイムを破ったのは、チームWRT31号車オレカ07のシャルル・ミレッシ。
セッション後半に入ると、ドラゴンスピードUSA21号車オレカ07の、ベン・ハンリーが2番手へと浮上してくる。
セッション残り3分というところで、JOTAの28号車オレカ07を駆るストフェル・バンドーンがターン7出口の縁石で姿勢を乱し、イン側のバリアへとクラッシュ。これで赤旗導入となり、時計は残り2分47秒の時点で止まった。
車両回収の後、18時38分にセッションはリスタート。最後の1アタックに各車がなだれ込んでいく。
このラストアタックで、LMP2クラスの2番手にジャンプアップを果たしたのがユナイテッド・オートスポーツUSA22号車のフィリペ・アルバカーキだった。しかしミレッシのタイムには届かず、31号車がLMP2クラスのポールポジションを獲得することに。
ハイパーカークラスでは赤旗からの再開後、トヨタ2台はタイヤを温存するためコースインしないことを選択。アルピーヌとグリッケンハウスの2台はコースインしたもののタイム更新はなく、結局7号車、8号車の順でトヨタが予選ワン・ツーを達成した。3番手に36号車アルピーヌ、4番手に708号車グリッケンハウス、そして5番手に709号車と続いている。
6時間で争われる決勝レースは、18日日曜の現地時間12時(日本時間19時)にスタートが切られる。
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