アウディの電気自動車“e-tron”シリーズがラインアップを拡大。新型SUVクーペ「Q4スポーツバックe-tronコンセプト」がワールドプレミア。SUVモデルの「Q4 e-tronコンセプト」とともに市販モデルに仕立てて2021年から市場投入予定
独アウディは7月7日(現地時間)、電気自動車のe-tronファミリーの新型プレミアムSUVクーペ「Q4スポーツバックe-tronコンセプト(Q4 Sportback e-tron concept)」を発表した。
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Q4スポーツバックe-tronコンセプトは、2019年3月開催のジュネーブ・ショーでデビューした電気自動車のプレミアムSUV「Q4 e-tronコンセプト」の基本コンポーネントをベースに、スタイリッシュなクーペ風ボディを纏ったクロスオーバータイプのEVモデルである。基本骨格にはモジュラー電動化プラットフォーム「MEB」を採用。エクステリアは、繊細かつダイナミックな弧を描きながら大きく傾斜したリアピラーへと流れ込んでリアリップスポイラーへと繋がる流麗なルーフラインを筆頭に、22インチ大径ホイールをデザイン的に強調するフェンダー造形およびバッテリーの搭載位置を示す前後ホイール間のサイドシルエリアのアクセント、八角形シングルフレームグリルと精悍なイメージに仕立てたLEDヘッドライト、水平バーを備えたバンパーディフューザーユニットに照明付きのe-tronロゴ、複数のLEDセグメントに分割したうえで水平基調に伸ばしたテールライトなどを採用したことが特徴である。
空気抵抗係数(Cd値)はQ4 e-tronコンセプトよりも0.01低い、0.26を達成。外板色には新しいキネティック グレーカラーを導入する。ボディサイズはQ4 e-tronコンセプト比で全長が10mm長い4600mm、全高が10mm低い1600mmで、1900mmの全幅と2770mmのホイールベースは共通だ。
内包するインテリアは、キャビン空間を制限するトランスミッショントンネルが存在しないため、前後席の両方で外観から想像するよりも広いスペースを確保していることが訴求点だ。また、配色についても広々感を強調。キャビン上部を暖色系の明るい色でまとめた一方、フロアには暗色系のカーペットを採用し、上質で鮮やかなコントラストを演出する。さらに、ヘッドライニングやウィンドウピラー、ドアレール、ダッシュパネルの上部にはホワイトとベージュのマイクロファイバーテキスタイルを取り入れた。先進機能も豊富に盛り込み、速度や充電レベルといった重要な情報を表示するバーチャルコックピットに、拡張現実(AR)機能を備えた大型ヘッドアップディスプレイ、12.3インチのタッチスクリーンなどの最新システムを装備している。
パワートレインに関しては、フロントに最高出力75kW/最大トルク150N・mを発生する電気モーターを、リアに最高出力150kW/最大トルク310N・mを絞り出す電気モーターを搭載して電動quattro(クワトロ)フルタイム4WDを構成。フロア下には82kWhの大容量を確保した駆動用バッテリーを配置し、WLTPサイクルで450km以上の航続距離を可能とする。システム全体の総出力は225kWで、0→100km/h加速は6.3秒、最高速度は電子制御リミッターの作動で180km/hと公表。また、充電については最大125kWの出力で直流(DC)急速充電を行うことができ、約30分でバッテリー容量の0%から80%までの充電が可能だ。さらに、航続距離を最大化する回生システムを組み込み、加えて駆動系とバッテリーを保護する、CO2ヒートポンプを備えた高度な熱管理システムを採用している。
スポーティで正確なハンドリングを追求したことも、Q4スポーツバックe-tronコンセプトのアピールポイントだ。ボディサイズに即して最適化した駆動用バッテリーシステム(重量510kg)は、前後アクスル間の乗員コンパートメント下にフラットなブロック形式で配置。重心高は一般的なセダンとほぼ遜色のないレベルに収める。また、前後重量配分は理想的な50:50を実現。懸架機構には専用セッティングの前マクファーソンストラット/後マルチリンクを採用し、快適なクルーズからスポーティな走りまで、さまざまなシチュエーションで独自の走りを楽しめるようにアレンジした。
新型SUVクーペのQ4スポーツバックe-tronコンセプトは、SUVモデルのQ4 e-tronコンセプトとともに市販モデルに仕立てられ、2021年から生産を始めて市場投入する予定だ。なお、アウディは2025年までに全世界の主要な市場において20以上の電気自動車、しかもコンパクトカーからラグジュアリークラスまでを発売し、電動化モデルの販売台数を全体の約40%にすることを目指すという。
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