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【独占速報】ヤマハ トレーサー9GT+試乗「レーダー活用の対衝突ブレーキ採用!同価格帯でライバル不在の超高機能ツアラー」

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【独占速報】ヤマハ トレーサー9GT+試乗「レーダー活用の対衝突ブレーキ採用!同価格帯でライバル不在の超高機能ツアラー」

「障害物検知のブレーキ補助と、先行車追従クルーズコントロールを装備」

スポーツネイキッドのMT-09とプラットフォームを共用するスポーツツアラー、ヤマハのトレーサー9GT。その上級グレードとして、2023年10月6日に「トレーサー9GT+」が182万6000円で発売される。
スタンダードモデルとの大きな違いはミリ波レーダーを搭載し、障害物を検出した際のブレーキ補助機能「レーダー連携ユニファイドブレーキシステム」(二輪車では世界初)と先行車追従クルーズコントロールが搭載されている点だ。

【画像16点】ヤマハ新型トレーサー9GT+の全カラー、装備、オプションパーツを写真で解説

それ以外にも走行性能や機能性を高める改良も行われている。

クイックシフターは加速・減速中を問わず、アップ/ダウンが可能な第3世代へと進化。トレーサー9GTではエンジン出力特性、電子制御サスペンションの特性をそれぞれモード選択できる方式だったが、トレーサー9GT+ではライディングモードで出力特性、電子制御機構の作動レベル、サスペンション特性を一括制御。「スポーツ」「ストリート」「レイン」の3モードと、各パラメーターを個別に設定できる「カスタム」が用意される。

フルカラー液晶となったメーターはスマートフォンとの連携機能を備え、ヤマハとGARMINが共同開発した二輪ナビアプリ「Garmin Motorize」(有料)をメーターに表示させることもできる。

そんな最新技術を満載したトレーサー9GT+を、イギリス人ジャーナリストでマン島TT参戦レーサーでもあるアダム・チャイルド氏がテスト。日本での発売を目前に、試乗レポートを紹介する。

新たなクイックシフターとライディングモードで走りも良くなった

画期的な新技術の投入とスマートなアップデートによりトレーサー9GT+は誕生した。目玉はバイクでは世界初となるレーダー連携ユニファイドブレーキシステム=UBSを導入したこと。この機能と、ヤマハ製バイクとしては初採用のアダプティブクルーズコントロール=ACCのために、フロントフェアリングにミリ波レーダーが組み込まれている。
加えて、7インチのフルカラー液晶メーターと操作性を高めたハンドルスイッチ、ブレーキシステム刷新に合わせて大型化されたリヤディスク、デザインを変更したシート、そして、第3世代のクイックシフターも装備している。

888cc並列3気筒エンジンの性能はトレーサー9GTと同じだが、私にとってトレーサー9GT+のパワーと性能は完璧に近く感じられる。強力だが激しすぎず、トルクの広がりが素晴らしく、アクセルを開けたときのうなるような排気音も甘美だ。新たに装備された第3世代双方向クイックシフターは、アクセルを開けたまま一度に数段シフトダウンできるもので、スムーズかつ巧妙に作動する。

前後サスペンションはトレーサー9GTと同じくKYB製の電子制御式。速いペースでも路面からのフィードバックがきちんと感じられる。そして、スポーツモードに切り替えると素晴らしくエキサイティングなセッティングになり、ベースを共有するネイキッドスポーツのMT-09並みにコーナリングスピードを高めることができたのも印象的だった。
標準装着タイヤであるブリヂストン・バトラックススポーツツーリングT32はウォームアップ性に優れ、十分なグリップ力を発揮してくれる。

障害物を検出すると、ミリ波レーダー、6軸IMU、電子制御が連携してブレーキを補助

レーダー連携ユニファイドブレーキシステムは前後連動機能に加え、レーダーと6軸IMUからの情報をもとに急制動時のブレーキ力を最適化、電子制御サスペンションとも連携して姿勢制御を行うというもの。たとえば、ハイスピードで走っているときに迷い込んだ牛が突然目に入ってきて、衝突を避けるためにライダーが急ブレーキを掛けたとする。
このとき、バイクが牛に猛スピードで近づいていることをレーダーが検知し、IMUがブレーキ圧やホイールスピード、フロントフォークのダイブ量、バンク角、さらにはタイヤのグリップ状況などの重要情報と合わせて、前後のブレーキ力配分を調整。ブレーキングをより安定させられるか、また、さらにブレーキ力を高めることができるかどうかを瞬時に計算し、自動で適正な前後配分調整と追加制御によるアシストがなされる。

このシステムは緊急時用で、レーダーによって前方に回避すべき障害物が検出され、かつ、ライダーがすでに自分でブレーキを掛けている場合にのみ作動する。残念ながら(?)今回の試乗中に試す機会はなかった。

自動で先行車両と一定の車間を保って追従走行をするACCについてもこの車両では電子制御サスペンションと連携しており、加減速時に安定性を維持するように減衰力が調整される。他社製のバイクでもACCをテストしたことがあるが、ヤマハのシステムは最高レベルだ。
7インチのフルカラー液晶メーターと刷新されたハンドルスイッチにより、直感的に設定・利用できる。このシステムは長距離走行の疲労軽減に役立ち、一度体験すると病みつきになるだろう。

トレーサー9GTの素性が良いから、先進装備が生きてくる

ヤマハはすでにトレーサー9GTという優れたベース車を開発しており、その主要な特性は全てトレーサー9GT+にも引き継がれている。エンジンは宝石のように魅力的なパワーとトルク、キャラクターを備え、ハンドリングはスポーツツーリングバイクとして安心感があると同時にキビキビしている。サスペンションは快適性の高い設定と、応答性の高いスポーツネイキッドのような設定をすぐに切り替えることも可能だ。そして、ヤマハが雪崩のように投入した新技術がトレーサー9GT+をさらに際立たせている。
それらの新技術はこのクラスのバイクに用いられるものとしては信じられないほどレベルが高く、これまでのヤマハ製バイクの中で最も先進的なスポーツツアラーを作り上げている。

加えて、パニアケースやセンタースタンド、グリップヒーター、コーナリングランプなどスポーツツアラーとして欲しい装備・機能も一式揃っている。1万5000ポンド(約257万円)未満で買えるバイクの中で、これより優れたオールラウンドモデルは今の市場に無いと言えよう。

ヤマハ トレーサー9GT+主要諸元

[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:78.0mm×62.0mm 総排気量:888cc 最高出力:88kW<120ps>/1万rpm 最大トルク:93.0Nm<9.5kgm>/7000rpm 変速機:6段リターン

[寸法・重量]
全長:2175 全幅:885 全高:1430 ホイールベース:1500 シート高:820/835(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R180/55ZR17 車両重量:223kg 燃料タンク容量:18L

[車体色]
パステルグレー(グレー)、ブルーイッシュホワイトメタリック2(シルバー)

[価格]
182万6000円

ヤマハ トレーサー9GT+の装備&機能

シートはGT+専用となりレザー風表皮を採用。また、ライダー側シートはクッション材を見直し、パッドも設けられている。ライダー側シートはスタンダード同様に、820mm/835mmとシート高を切り替え可能。

ヤマハとGarminが共同開発した二輪ナビアプリ「Garmin Motorize」(有料)をスマートフォンにインストールすることで、メーター上でもナビ機能が使用できる。

直感的な操作ができるよう、ジョイスティックを採用した新スイッチボックス。夜間の操作性に配慮し、内部にはイルミネーションライトが装備されている。

純正アクセサリーとしてパニアケース、リヤキャリヤ、トップケースなども用意される。

レポート●アダム・チャイルド 写真●ヤマハ 編集●上野茂岐

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みんなのコメント

2件
  • トレーサーも随分高くなったなぁ
    初期型とかMT-09にカウル付けた程度で100万ちょいじゃなかった?
  • ミリ波レーダー等が付いていると万が一倒した時のダメージで次第では修理代が高くなりそうですね。
    因みに知り合いがミリ波レーダー(運転支援)の付いている車でバンパーとグリル交換しただけで80万円かかりました。
    不具合が出るといけないとの事で電気系も交換になるから高額になるらしいですね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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