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1991年の東京モーターショー 躍進する日本 豊かで安全な未来を描いた「理想的」なクルマたち

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1991年の東京モーターショー 躍進する日本 豊かで安全な未来を描いた「理想的」なクルマたち

ホンダ

1980年代後半、日本はバブル経済に沸いた。資産と株価は高騰し、中産階級は豊かになった。

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国内の自動車産業は、1990年には年間生産台数1350万台(2022年より580万台多い)を記録するまでに成長した。これにより、莫大な予算が新技術の開発に流れ、さまざまなアイデアが具現化していった。

今回は1991年の東京モーターショーを振り返り、奇妙で興味深いコンセプトカーをいくつか見てみよう。

ホンダは、FS-Xというコンセプトカーを披露した。大型でスポーティなアメリカンスタイルのセダンで、非常に効率的な3.5L V6エンジンを搭載している。

また、通勤用の小型車としてEP-Xというコンセプトも登場。アルミボディに最高出力70psのVTECエンジンを搭載した、タンデムシートの奇抜なモデルだったが、その評判は熱狂的なものだった。

マツダ

マツダでは、新型ロータリースポーツカーRX-7(第3世代)に加え、626種類のバリエーション(マツダは勇敢にも4つのブランドを新たに立ち上げていた)が乱立した。コンセプトカーとしては、4人乗りのオフロード車M2 1009や、水素を燃料とするツインローターエンジンを積んだ、魚のように丸っこいHR-Xがあった。

スズキ

スズキは、1300ccのエンジンをミドマウントしたスポーツクーペのコンセプトカー、スプライを発表したほか、カプチーノでも注目を集めた。カプチーノは660ccの3気筒エンジンを搭載し、最高出力はわずか64psだが、車重はわずか725kgしかなかった。日本国内にとどまらず、英国でも高い人気を誇った。

ダイハツ

ダイハツもマツダ・ロードスターを追撃しようと、アルミスペースフレーム、コンポジットボディ、レース由来のサスペンション、最高出力140psの1.6L 4気筒エンジンをフロントに搭載し、後輪駆動を採用した可愛らしいX-021を発表した。残念ながら、市販化されることはなかった。

それから、ミラをベースとするミラ・ミラーノという半円形の背の高いコンセプトも披露。ミラ・ウォークスルーバンやミラ・ミチートに続く個性的なモデルで、市販化には至らなかったものの「とっても陽気でイタリアン」な「かわいい目立ちたがり屋」と紹介された。

日産

日産も小型スポーツカーを用意しており、市販化に意欲的だった。デュアドと呼ばれるこのモデルは、エンジンがドライバーの真横にあり、そのため左右のフロントシートが38cmもオフセット配置されていた。もし実現していたら、歴史に残る名車(あるいは珍車)となっただろう。

もう少し現実的なのは、広々としていながら非常にスタイリッシュな6人乗りミニバンのコクーンと、ニッケルカドミウム電池をわずか15分で80%まで充電でき、航続距離250kmを達成するという電動クーペのFEVだ。

また、発売に至ったモデルとしては、レパードJ.フェリーというキャッチーな名前のセダンがあり、3.0L V6または4.2L V8を搭載。そのユニークなスタイリングは特に海外で高い評価を受け、レパードの系譜は新しい高級車ブランドであるインフィニティに移行することになる。

トヨタ

トヨタのブースで注目されたのは、未来のカリーナを予感させる高級セダンAXV-IIIや、軽量・コンパクトなコミューターのAXV-IVももちろんだが、何といってもカリフォルニア州でデザインされたトレンディで豪華なオープントップ・クルーザー、アヴァロンだろう。全高1.0m以下の平たいボディは、実用的ではないが美しかった。

また、ジウジアーロがデザインしたセダン、アリストも展示された。アリストは、日産レパードと同様、後にレクサスGSとして海外へ展開していくことになる。

スバル

スバルも印象的なモデルを複数出展した。SVXのシューティングブレーク版であるアマデウス、レガシィをベースにしたエレガントなタルガトップ・スポーツカーのリオマ、そして四輪駆動システムと斬新な「ファジー・ロジック」CVTを搭載したバブル型の2人乗りコミューターのハナコである。

三菱

三菱はレトロなデザインに挑戦したが、惜しむらくはその作風が、日産のBe-1、パオ、フィガロのトリオよりも、どちらかというとクセのある光岡に似ていたことだ。mS.1000はモーリス・マイナーとアルファ・ロメオを混ぜたような風味、mR.1000はロータス・ヨーロッパのストレスボール版のような感じだ。

いすゞ

いすゞは1990年発表のスーパーカーコンセプト、4200Rで人気を博したが、1991年の東京モーターショーではコモというモデルを披露した。ボディ前半はスーパーカー、後半はピックアップトラックで、ロータスF1チームのために設計された(しかし不採用の)3.5L V12をミドマウントしている。オーストラリアのホールデン・マルーを彷彿とさせる。

また、ホンダと同じような特大サイズのコミューターで、セラミックエンジンを搭載したテラッツァや、「地平線と水平線が友だちになる」という水陸両用のナギサも登場した。

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みんなのコメント

3件
  • ***************
    なっつwww
  • fxnhe501
    躍進どころか、ここが終わりの始まりだった。すでに乗用車開発からの撤退が公然の事実となっていたいすゞの会長は、ブースを見回しては「どうです、いい車ばかりでしょう」と嘯(うそぶ)いた。そこに展示されていたドナウ河遡上を目指して設計されたという水陸両用車・ナギサが、藤沢工場の片隅で無惨に苔生(む)した状態で発見されるのは、それからわずか数年のちのことであった。90年代のいすゞには、展示したコンセプトカーをまともに保管する余裕すらなかったのだ……。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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