伝統のF1モナコGP、フリー走行3回目はレッドブルのマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマークした。
オーバーテイクが難しいことで知られるモナコ。レースで良い結果を出すためには予選結果が非常に重要。そのため、FP3は予選に向けた準備という意味合いが普段以上に強いセッションとなる。
■モナコ・モンテカルロが生んだ名勝負。日本F1ファンの心に残るモナコGPトップ3|追憶のグランプリ
モナコ上空は金曜日と同様すっきりとした青空が広がり、気温は27度、路面温度44度というコンディションでFP3の開始時刻を迎えた。
まずはアストンマーチンとアルファタウリの4台がコースイン。アストンマーチンの2台は、ミディアムタイヤの皮むきを行なうとすぐにハードタイヤに履き替えていた。
この4台もすぐにピットに戻り一時コース上は静かな状況となったが、アルピーヌ2台とセルジオ・ペレス(レッドブル)がソフトタイヤで走り始めた。しかしエステバン・オコン(アルピーヌ)はパワーがないと訴え、トンネル内で一時停止。なんとか動き出してピットにマシンを戻すことができたためセッション中断は免れたものの、オコンは予選に向けて黄色信号が灯ることになった。
その後は、徐々にソフトタイヤを履いてコースに出るマシンが増加。タイムシートは徐々に塗り替わっていった。
メルセデス勢やフェルスタッペンが路面コンディションの改善をピットで待つ中、ペレスが1分14秒377でタイムシートのトップに立った。
初日をトップで終えたフェルスタッペンは、セッション開始から20分を過ぎようかというタイミングでアタックへ。トップタイムを塗り替えたが、その後もモナコでの優勝を狙っているフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、ペレスが入れ替わるようにタイムシートのトップに立った。
セッション折り返しのタイミングで、フェルスタッペンは1分12秒898までタイムアップ。ペレスも0.391秒差ながら2番手、その後ろにフェラーリ2台が続いた。
このタイミングで1セット目のタイヤでの走行を終え、一度ピットへに戻るマシンも多かったが、レッドブルの2台はさらにアタックを続行しタイムを更新。一方フェラーリは、シャルル・ルクレールがボトミングをしていると訴えるなど、マシンの仕上がりには満足していない様子だった。
セッション残り20分を切ってくると、予選に向けた最後の詰めの作業をするべく、各車が2セット目のソフトタイヤを投入。再びコース上が混雑し始めた。
ハースのケビン・マグヌッセンは、ターン1(サンテ・ボーテ)を曲がりきれずエスケープゾーンに退避。タイヤにダメージを与えないように慎重に切り返しをしてコースに復帰したマグヌッセンだったが、トラブルが発生したようでエンジニアの指示を受けて、ターン8ポルティエの手前でマシンを止めてしまった。
これでバーチャルセーフティカーが出されるも、マシン回収が済んでグリーンに。しかしその直後に、今度はルイス・ハミルトン(メルセデス)がターン5ミラボーの出口でクラッシュ。これで5分ほどを残して赤旗が掲示された。ハミルトンはセクター1で全体ベストを刻んでいた中でのクラッシュとなってしまった。
結局、このままセッションは再開されずに終了。多くのマシンがトラフィックや黄旗、赤旗の影響で2セット目のソフトタイヤで満足にアタックできないまま、予選に臨むことになった。
トップとなったのはフェルスタッペン。0.073秒差でチームメイトのペレスが続いた。3番手はアストンマーチンのランス・ストロール。チームメイトのアロンソは14番手まで沈んだが、ポールポジションを争うポテンシャルは間違いなくあるだろう。
4番手は初日から速さを見せているサインツJr.。7番手となったルクレールもマシンの問題を解決し、地元で速さを見せたいところだ。
アルファタウリの角田裕毅は15番手。チームメイトのニック・デ・フリーズは20番手となったが、フェルスタッペンから16番手までが1秒以内という僅差の争い。2台の足並みが揃っていないチームも多く、予選では自信を持ってアタックできるようなマシンだけでなく、位置取りやタイヤの準備が重要となってくるだろう。
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