F1開幕戦バーレーンGPの初日を終え、メルセデスF1チームの代表であるトト・ウルフは、マシンのリヤエンドが不安定なため、レッドブルとの”ドッグファイト”を演じることになるだろうと語った。
各車が予選シミュレーションを行なったFP2では、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがトップタイムをマーク。メルセデスはルイス・ハミルトンが0.235秒差の3番手、バルテリ・ボッタスが0.371秒差の5番手となった。
しかし金曜日のフリー走行では、アタック時のペース以上に、新車W12のリヤが不安定だったことがメルセデスにとって最大の懸念点だ。
開幕の2週間前にバーレーンで行なわれたプレシーズンテストでも、メルセデスはすでに安定性の問題に悩まされていた。突風に煽られたとはいえ、ハミルトンがスピンし赤旗の原因になっていたのだ。
バーレーンGPのフリー走行を終え、ウルフ代表はテストの時よりも改善はしているものの、レッドブルとの激しい戦いに直面することになると示唆した。
「コンディションは我々に向いていない。まさにリアル・ドッグファイトだ」
そうウルフはSky Sports F1に語った。
「最速ラップやロングランを考慮すると、搭載していた燃料の重さが大きく影響するほどの接戦になっているんだ。だから、本当のところは分からない」
「テストの時よりも確実に近づいていると思う。でも、レッドブルとの位置関係は分からないよ」
FP2の際には、ボッタスが無線でハンドリングが悪いと訴え、一時はマシンを運転できないとまで語っていた。
しかしセッション後、ボッタスは「テストの時よりもマシンのフィーリングが良くなった」とコメント。運転できないと無線で言ったのは、ロングラン時に履いていたタイヤの挙動が一因だと付け加えた。
「クルマのフィーリングという点では、テストの時よりも良い感触だった」
「バランスが安定せず、特にリヤが不安定だったことがひとつの大きな問題だ」
「最後に行なったロングランでは、かなり一貫性がなく、周回を重ねることができなかった。僕が言ったように、クルマをドライブできないほどの状態だった時もある。でも今日は金曜日だし、そのためのプラクティスだからね」
ボッタスは、レッドブルとの優勝争いに加わる可能性を否定してはいないが、そのためにはチームの努力が必要だと話した。
「ポールポジションと優勝を目指して戦うには、やるべきことがたくさんあるというのが僕の考えだ」
「僕たちは間違いなく、集団の中にいる。今日のマクラーレンは強かったし、レッドブルも予想通りだった。今のところは最速ではないと思うけど、遠くないところにいるし、目標もはっきりとしている」
土曜日からは風が強まり、コンディションが悪化すると予想されている。ハミルトンは、これによりメルセデスが安定性の問題を解決するのが難しくなるのではないかと懸念している。
風の影響について訊かれたハミルトンは「リヤが不安定になるのは僕たちにとって良くないことだ」と答えた。
「でもそれは誰にとっても同じことだと思う。クルマを安定させ、いかにタイヤを長持ちさせるか。この気候と風の中では、それが鍵になるだろう」
「もちろん、今年はタイヤのパフォーマンスが落ちているので仕方のないことだけど、夜に作業をして方法を探ってみるよ」
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