ホンダにとって最後のF1での予選となった第22戦アブダビGPの土曜日、レッドブル・ホンダは悔いのない予選にしようと、最後の最後まで全力を尽くして戦っていた。
そのひとつが、リヤウイングの選択だった。
レッドブル代表「チェコの貢献でマックスが今季ベストのラップを走れた。ソフトスタートに動揺はない」F1第22戦予選
最終戦のアブダビGPにレッドブル・ホンダは2種類のリヤウイングを持ち込んでいた。ひとつはミディアム・ダウンフォース仕様で、もうひとつはミディアム・ローダウンフォース仕様だ。
金曜日のフリー走行ではマックス・フェルスタッペンがミディアム・ダウンフォース仕様を装着し、セルジオ・ペレスがミディアム・ローダウンフォース仕様を試していた。金曜日のフリー走行でフェルスタッペンが4番手、ペレスが5番手に終わったのは、セットアップを進めることよりも、2種類のリヤウイングの比較テストに重点を置いていたからだった。
ペレスも「今日は2台でまったく違ったセットアップで走行したので、お互いのデータをよく分析して予選に向けたベストなセッティングを見つけだせるように努めたい」と初日のフリー走行を振り返っていた。
金曜日の夜に、走行データを分析して、どちらのリヤウイングにするかを決定し、土曜日は2台そろって同じリヤウイングで走るかと思われた。
しかし、フリー走行3回目でもレッドブル・ホンダは依然として2種類のリヤウイングを引き続き使用した。ただし、今度はフェルスタッペンがミディアム・ローダウンフォース仕様で、ペレスがミディアム・ダウンフォース仕様と金曜日と逆になった。
ところが今度は、フリー走行3回目でフェルスタッペンのミディアム・ローダウンフォース仕様に問題が起きる。
これで、ミディアム・ローダウンフォース仕様はお蔵入りかと思われたが、フリー走行3回目後にレッドブル・ホンダが予選とレースで使用するリヤウイングに指定したのは、2台そろってミディアム・ローダウンフォース仕様だった。しかも、彼らが2台にそれを装着し始めたのは予選開始まで30分を切ってからで、ペレスのリヤウイングに至っては、装着が完了したのは予選まで5分を切ってからだった。
その期待にフェルスタッペンも、そしてペレスも応えた。
フェルスタッペンがペレスのスリップストリームを巧みに利用し、今季10回目、ホンダにとって90回目のポールポジションを獲得した。
この戦う姿勢を日曜日のレースでも貫いてほしい。
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