北米発のエクストリーム系ラリークロス選手権『Nitrocross(ナイトロクロス)』として、すでにダブルヘッダー開催となる2024-25シーズンの第3-4戦を終えているシリーズが、ここへ来て急転直下となる無期限の「シリーズ一時停止」を発表。11月15~16日にアリゾナ州フェニックスのファイヤーバード・モータースポーツパークで争われる予定だった第5-6戦を筆頭に、来年1月のマイアミ・マリンスタジアム戦、同3月初旬のラスベガス・ストリップでのイベント3戦も中止の決定が下っている。
アクションスポーツ競技の一環として、2018年より『Nitro World Games(ナイトロ・ワールド・ゲームス)』の一部として創設されたシリーズは、発起人兼チャンピオンとして牽引したトラビス・パストラーナの人気とカリスマ性により、今季で4回目のフルシーズンを迎えていた。
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すでにこの2024-25シーズンも、9月の開幕戦リッチモンド、10月のアリゾナ州フェニックス、ユタ・モータースポーツキャンパスでダブルヘッダーを開催しており、今季より鳴り物入りでファクトリー体制を敷いた名門ダッジブランドが、新型『ダッジ・ホーネットR/T FC1-X』で躍進する展開となっていた。
シリーズが発表した声明によると、チャンピオンシップの長期的な将来を確保するための計画として、この段階で一時的に立ち止まり、再生に向けたプランが進行中であることも示唆された。
「私たちは、モータースポーツを次世代に導くナイトロクロスの可能性を深く信じており、すでに確立された遺産を誇りに思っています」
「しかし、ブランドの長期的な将来には新たなビジョンが必要だと判断し、フェニックス、マイアミ、ラスベガスで予定されているレースウイークを含む、現在の2024-25シーズンを一時停止するという難しい決断を下しました」
「2024-2025シーズンに関するさらなるニュースは、適切な時期にお知らせします。画期的で革新的なモータースポーツ体験を提供するという当社の取り組みは揺るぎなく、ブランドとスポーツに関する最新情報をすぐにお伝えできることを楽しみにしています」
■NASCARトップドライバーやバトン、クリストファーソンらの“スター選手”も参戦
最高峰クラスである“グループE”では、最高出力1080PS(800kW)を放つ水素燃料電池スタックを搭載し、0-100km/h加速約1.4秒を誇るフル電動ワンメイクEV『FC1-X』を導入するなど、技術的にもイチ早く世界を先取りしてきたシリーズには、今季よりそのダッジと組んだ王者ドレイヤー&レインボールド・レーシング・ウィズ・レーステクニークを筆頭に、北米や欧州からのタレントが数多く集結。
オフロードでの才能豊かな選手たちに加え、NASCARカップシリーズのチャンピオン経験者であるカイル・ブッシュやチェイス・エリオットをはじめ、2009年F1世界チャンピオンと2018年のスーパーGT GT500王者でもあるジェンソン・バトン、WorldRX世界ラリークロス選手権7冠が近づくヨハン・クリストファーソンらもエントリー。
さらにWorldRX優勝経験者でDTMドイツ・ツーリングカー選手権2冠のティモ・シャイダーに、WRC世界ラリー選手権での優勝経験者でもあるクリス・ミーク、NASCARデイトナ500覇者のオースティン・シンドリック、コナー・デイリー、マット・クラフトンといったスター選手たちが参戦してきた。
にも関わらず、シーズン残りの3ラウンド6戦をキャンセルするという決定に対し、関与する各陣営からは「失望している」との声も挙がる。
その声明の書き出しには「ナイトロクロス・チーム・プリンシパル協会(NTPA)は(プロモーターの)スリルワン社が、直近でシリーズを『一時停止する』という決定を下したことに失望しています」と記された。
「この決定は、我々のチーム、スタッフ、ドライバー、そしてナイトロクロスを熱烈にサポートしてきたファンに大きな影響を与えます。グループEと(今季導入のステップアップ新車両)NEXT EVOのチームオーナーの統一連合を代表しているNTPAは、シリーズへの投資を尊重する解決策を見つけることに全力を尽くしています」
「関係者全員にとって持続可能で成功する未来を確実にするために、私たちはスリルワンとの話し合いに前向きに応じるつもりです」
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