元フェラーリのチーム代表で、現在ランボルギーニのCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、フェラーリがチームの利益のためではなく、F1の大義を優先するために予算制限についての要求を緩めたと考えている。
現在チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、当初F1の予算制限を1億5000万ドル(約161億1600万円)から引き下げることへの了承を渋っていた。それにより、この難しい時期にフェラーリがなんとしても避けたかったレイオフ(一時解雇)を行わざるを得ないからだ。
FIA、F1コスト上限額の引き下げを承認。空力テストのハンディキャップ制など新規則も発表
ビノットは、F1の財務規則がフェラーリの考えと調和しない場合には、モータースポーツの他のシリーズにリソースを向けるとほのめかした。だが最終的にフェラーリは、今後3年間で上限額を段階的に1億4500万ドル(約155億7900万円)から1億3000万ドル(約139億6600万円)に引き下げていくことに合意した。
ドメニカリは『Sky F1』のインタビューのなかで、フェラーリはF1全体の利益のために、彼らの見解を放棄したのかと問われ、「私が見たところでは、まさにフェラーリはそのようなアプローチを取ったのだと思う」と同意した。
「フェラーリだけでなく、大規模な組織にとって、コストの大幅削減を達成するのは簡単なことではない。フェラーリや、たとえばメルセデスなどには、エンジンやパワーユニットのための組織構造があることを忘れてはならない」
「私が理解できるかぎりでは、現時点で必要不可欠なコスト削減について、彼らは合意に達している」
ドメニカリは、F1の新しい財務モデルを受け入れることについて、F1の大規模チームの間で共通の認識が広まったのだと述べている。
「取り組みが見られていると思う。先ほども言ったように、フェラーリだけでなくメルセデスとレッドブルからもだ。これがやるべき方法なのだ。なぜなら代わりの手段などないからだ」
「この点においては今も状況が非常に複雑だ。誰もが今年を乗り切って欲しいと願っている。今年は重要な年だからだ」
「私が見たところでは、リバティ・メディアとFIAは素晴らしい仕事を行っていると思う。我々の世界に起きている非常に大きな嵐の後のビジョンを確たるものにしている」
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