ジェッダ・コーニッシュ・サーキット(ジェッダ市街地サーキット)でF1第21戦カタールGPの決勝レースが行なわれた。大波乱のレースを制したのはルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。
F1初開催の舞台となるジェッダ市街地サーキットは、全長6,175kmの超高速仕様。決勝レースの時刻を迎え、照明で照らされたサーキットが闇夜に浮かび上がった。
現地土曜日の予選でポールポジションを獲得したのはハミルトン。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は予選Q3最終アタックのセクター1、2で全体ベストを記録しポール獲得も期待されたが、最終コーナーで痛恨のクラッシュ。バルテリ・ボッタス(メルセデス)にも先を越され、3番グリッドに並んだ。
50周の決勝レースがスタート。20台全車が1周目を無事に終え、ハミルトンを先頭にボッタス、フェルスタッペンと並び、シャルル・ルクレール(フェラーリ)がセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)を抜き4番手に上がった。
レース序盤から上位3台は後方とは別次元の速さで快走。ダウンフォースを失うことを避けるためか、3台は等間隔の差を保って走った。
ここまでは比較的クリーンなレースが展開されていたが、10周目にミック・シューマッハー(ハース)がクラッシュ。フリー走行2回目でのシャルル・ルクレール(フェラーリ)と同じマシン撤去に時間を要するターン22でのクラッシュということで、セーフティーカーが出動した。
メルセデス勢がピットへ入った一方、フェルスタッペンは大胆にもステイアウトを選択し首位に上がったが、新品のハードタイヤに履き替えたハミルトンがフェルスタッペンの後ろ2番手、ボッタスがその後ろ3番手に並んだ。
その後もセーフティーカー先導での走行が続いたが、13周目にバリア修復が必要と判断され赤旗が提示。F1では赤旗中断時にタイヤ交換の義務を消化できるため、ピットインを既に行なっていたハミルトンとしては無駄にひとつ順位を落としたこととなった。ハミルトンは無線でチームに不満をぶつけた一方で、後手を踏んだように思えたフェルスタッペンには有利に働く結果となった。
レースは15周目からスタンディングスタートでの仕切り直しとなった。フェルスタッペンが新品のハードタイヤ、既にピットインを済ませていたペレスは新品のミディアムタイヤを装着しグリッドへ向かった。
2度目のスタートを“ポールポールポジション”から迎えたフェルスタッペンは、蹴り出しでハミルトンに先行されるも、ターン2をコース外からショートカットする形で順位を”守る”。ハミルトンは抜群の再スタートを決めたが、フェルスタッペンのショートカットのあおりを食らい3番手に後退。4番手から再スタートしたエステバン・オコン(アルピーヌ)が2番手に浮上した。
後方では、ルクレールがターン3でペレスのリヤに接触し、ペレスはウォールにクラッシュ。コントロールを失ったペレスのマシンを避けるべく減速したジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)にニキータ・マゼピンが激しく追突してしまった。これでペレスとラッセル、マゼピンの3台がここでレースから姿を消した。
多重クラッシュ発生により、レースは再び赤旗中断。提示された時点ではフェルスタッペンがトップ、オコンが2番手、ハミルトンが3番手というオーダーだったが、チームとFIAレースディレクター間で”したたかな交渉”が行なわれた結果、オコンがポール、2番手にハミルトン、フェルスタッペンはコース外でアドバンテージを得たとして3番手からのリスタートとなった。
フロントロウのふたりはハードタイヤ、フェルスタッペンと4番手のダニエル・リカルド(マクラーレン)はミディアムタイヤを選択して、スターティンググリッドへ向かった。
3度目のスタートで抜群の蹴り出しを見せたのはフェルスタッペン。オコンにハミルトンが並びかける中、ターン1で2台のインに飛び込みトップを“奪還”した。ハミルトンは18周目のターン1でオコンを交わし、2番手に浮上。ハミルトンとフェルスタッペンは、付かず離れずという展開が続いた。
23周目に8番手争いをしていた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)とセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)がターン2で接触。角田がターン1でアウトからオーバーテイクを仕掛けるも、ターン2でインを締めたベッテルの右側面と角田のフロントウイングが接触し、ベッテルはスピン。角田もフロントウイングを落としてしまい、緊急ピットインすることとなった。これによりバーチャルセーフティカー(VSC)が宣告された。この接触については角田に責任があるとして、5秒のタイム加算ペナルティが科された。
翌周の終わりにVSCは解除されたが、ベッテルは再びキミ・ライコネン(アルファロメオ)と接触し2度目のVSCが提示された。これはすぐに解除されたものの、相次ぐ接触によりコース上広域に散らばったデブリを回収するため、3度目のVSC出動が宣言された。
33周目にグリーンフラッグが振られ、レース再開。タイトルライバル同時の首位争いも再び開始された。
2番手ハミルトンがフェルスタッペンに対して攻勢に出ようかというところで、再びVSCが出動するもこちらはすぐに解除。36周目終わりのホームストレートエンドでハミルトンが並びかけるも、挙動を乱したフェルスタッペンがターン2をショートカット。フェルスタッペンはハミルトンの前でコースに戻ったが、チーム側からポジションを譲るようフェルスタッペンに指示が出された。
37周目のターン25付近で、ポジションを譲るべく減速したフェルスタッペンにハミルトンが追突。ハミルトンはフロントウイングの右翼端板にダメージを負い、「僕でブレーキテストしやがった!」と怒りのコメントを口にした。
このアクシデントはすぐさま審議対象に。ポジションを明け渡せと指示されていたフェルスタッペンは、接触後ポジションを譲ることなく首位を全速力で走行を続けたが、42周目にようやくハミルトンに首位を明け渡した。ただフェルスタッペンは、ポジションを譲ったすぐ次のコーナーで即座にハミルトンを抜き返した。
43周目の最終コーナーでフェルスタッペンを改めて抜き返したハミルトンは、ミディアムタイヤのパフォーマンス低下に苦しむフェルスタッペンを徐々に突き放した。
なおフェルスタッペンには、コース外を通ってアドバンテージを得たとして、5秒のタイム加算ペナルティが科された。
フェルスタッペンのリヤタイヤは限界に近づき、新しいタイヤをチーム側に求めたが、3番手のオコンとのギャップは47周時点で23秒。5秒のタイムペナルティもあり、この時点でピットストップすると、オコンに先行されるのは火を見るよりも明らか。そのためチームは、フェルスタッペンにステイアウトを指示した。
波乱の50周をトップで帰ってきたのはハミルトン。最終的に2位フェルスタッペンまで11.825秒の差をつけ、今季8勝目&キャリア103勝目を手にした。優勝の25ポイントに加えファステストラップの“ボーナスポイント”1点を加算したことで、フェルスタッペンと369.5ポイント同士で並んだ状態で最終戦を迎えることとなった。勝利数の差によりドライバーズランキングではフェルスタッペンが依然首位を守っているものの、アブダビGPでは前でチェッカーを受けた方が今季のチャンピオンとなる。
3位はボッタス。最終ラップの最終コーナーからの加速勝負でオコンを抜き、表彰台の一角を掴み取った。ペレスのリタイヤもあり、メルセデスはレッドブル・ホンダに対してコンストラクターズランキングのリードを大きく広げた。
4位オコンの後ろは、5位リカルド、6位にガスリー、そしてフェラーリの2台が続くというオーダーだった。
8番手スタートの角田は、14位フィニッシュ。スタートでは、オコンと軽く接触し、勢いを失ったことでズルズルと順位を下げた。2度目のスタート後は、クラッシュをくぐり抜け12番手。3度目のスタートで9番手にジャンプアップしたもののベッテルと接触。今週末は予選からペースが良かっただけに、ノーポイントという結果は角田としても悔しいことだろう。
2度の接触を経たベッテルはレース途中でガレージにマシンを戻しリタイヤしている。
振り返ってみると、2度のセーフティーカーに4度のVSC出動……20台中15台完走と随所でアクシデントが多発。トップ争いの“ブレーキテスト”事件はレース後に審議と物議を醸すレースとなった。
残すところ今シーズンもあと1戦。ヤス・マリーナ・サーキットを舞台に行なわれる最終戦アブダビGPでは、苛烈を極めるタイトル候補のふたりはもちろん、所属するチームやF1自体に別れを告げるラストランのドライバー、そして角田がどのような形でシーズンを終えるのかに注目が集まる。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
水道代がかからないしエコだからって「井戸水」「雨水」洗車はNG! キレイにならないどころか塗装を傷める可能性もあった
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント