レクサスがブランド初のバッテリーEV専用モデルとなる「RZ」のプロトタイプを披露。ブランドアイデンティティのスピンドルはボディ全体で表現。一充電走行距離は約450kmを実現
トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは2022年4月20日、ブランド初のバッテリーEV(BEV)専用モデルとなる「RZ(アールズィー)」のプロトタイプを世界初公開した。市販モデルの発売は今冬を予定する。
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レクサスRZは、同ブランドの電動化ビジョン「Lexus Electrified」の具現化に向けた第1弾となるBEVで、そのプロトタイプである「RZ450e」のスタイリング画像が本年2月に公開されている。そして今回、その全貌が明らかとなった。
基本骨格にはトヨタbZ4Xと同様、BEV専用プラットフォームの「e-TNGA」を採用し、Cセグメントクラスのプレミアムな電気自動車SUVに仕立てる。パワーユニットはローターや磁石の配置を最適化して高回転・高出力を実現したモーター、モーターを制御するインバーター、ギアなどの駆動系トランスアクスルを一体化したコンパクトで高効率な「eAxle(イーアクスル)」を前後に搭載。フロントのeAxleは前後方向に短い配置、リアのeAxleは低背な配置とし、室内や荷室の拡大につながるパッケージングを構築する。モーターの最高出力はフロントが150kW、リアが80kWを発生し、総電力量71.4kWhのリチウムイオン電池と組み合わせて、一充電走行距離はWLTCモードで約450kmを目標としている。
レクサスならではの走りの味「Lexus Driving Signature」を、BEV化に合わせてより進化させたことも訴求点だ。まず駆動系には、電動化技術を活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」を採用。車輪速センサー、加速度センサー、舵角センサーなどの情報を用いて前後輪の駆動配分を100:0~0:100の間で制御する。具体的には、直進加速時がピッチングを抑え、かつダイレクトな加速感が得られるよう60:40~40:60の範囲で、コーナリング時のステアリング切り始めがフロント寄りの75:25~50:50の範囲で、脱出時がリア寄りの50:50~20:80の範囲で駆動力を配分。しかも減速、操舵、加速の一連の動作がシームレスにつながるようセッティングした。
操舵機構には、ドライバーの意図に忠実な車両コントロールを可能にした制御機構を組み込むステアバイワイヤシステムを採用する。さらに、ボディ骨格の接合にはレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤、レーザーピニング溶接技術を多用するとともに、リアのラゲッジ開口部は二重環状構造としたうえで高剛性発泡剤を内包。合わせて、フロント/センターピラーおよびフロントレールに1.8GPa材と1.5 GPa材を重ね合わせたパッチワーク構造を、ルーフセンターリインフォースメントに1470MPaの引っ張り強さを持つ冷間厚延鋼材を、フロントフードに軽量アルミ材を、ドアモールディング/ホイールアーチモールディング/バックドアガーニッシュに発泡樹脂成型を導入し、高剛性かつ軽量なボディに仕立てた。ラジエーターサポート部とロワバック部に補強を施し、同時にタワーバーとフェンダーブレースを追加したこともトピックだ。一方、シャシーは前マクファーソンストラット式/後トレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンで構成。ここに路面入力の周波数に応じて伸び側ストロークの減衰力を変化させ、乗り心地を損なうことなく高い操縦安定性を提供する周波数感応アブソーバーのFRDIIをレクサスで初採用する。ドライバーへクルマの状態変化を自然に伝える音作りと高い静粛性を追求したことも訴求点だ。音作りでは速度に合った周波数、加速度に応じた音量などに配慮したサウンドを発生するようにチューニング。静粛性の面では、床下バッテリーに遮音壁の機能を持たせたほか、フード開口の全周へのシール配備や前後席へのアコースティックガラスの装着、新断面のガラスランの採用などによって、高速走行時でも乗員の会話を邪魔しない静粛性を確保した。
エクステリアについては、「Seamless E-Motion」をデザインコンセプトに、BEVならではのシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を外観で表現したことが特徴だ。基本フォルムは、低いノーズから始まりキャビンへ滑らかに連続して後方にピークを持たせるシルエット、大径タイヤの四隅配置による低重心スタンスなどによって、レクサスBEVならではの伸びやかさと力強さを創出。また、内燃機関におけるグリル開口部の冷却用構造を必要としないBEVの特性を反映し、スピンドルグリルに代えて、「スピンドルボディ」という塊感のあるボディと一体となった新デザインを採用する。合わせて、フロントバンパーのスピンドルボディを強調する造形とカラーリングに、立体的なフェンダーを組み合わせて、印象的かつ力強いマスクを具現化した。一方でサイドビューは、抑揚のある立体的な前後フェンダー部に、前後フェンダーを淀みなくつなぐドアを配して、艶やかで見応えのある面構成を演出。ドアノブには、握っただけでロックが電子制御で解除され、あとは軽く引くだけでドアを開けられるe-ラッチシステムを装備した。そしてリアビューは、クリーンでシンプルな水平基調のラインに張り出したタイヤを強調する造形を組み合わせ、ここに一文字のコンビネーションランプを配して、シャープで躍動感のある後ろ姿を実現する。空力性能も重視し、サイド部の形状により発生させた縦渦が横風発生時のボディに働く空気力を抑えるルーフスポイラーや、傾斜させたリアガラス面から車両後方へとスムーズに風を流すルーフ中央部、後部の風の流れを整えるリアゲートエンドのダックテール形状、フラット化したアンダーカバー、そしてフロントに配したグリルシャッターなどによって、優れたエアロボディを構築。空気抵抗係数(Cd値)は0.26ほどに抑えているという。
ボディサイズは全長4805×全幅1895×全高1635mm、ホイールベース2850mmに設定。外板色にはBEVの軽快な走りを感じさせるイーサーメタリックや、新たな金属質感を表現したソニックカッパーなど全6色を用意する。さらに、スピンドルボディ正面から上面のフード、ルーフにかけてソリッドブラックをあしらったバイトーンカラーもラインアップした。
内包するインテリアは、カウルからドアへと連続感のある全体造形に、低く配置したインストルメントパネルや前2席の間を抜ける空間を設けたコンソール、シンプルかつスマートなドアトリムなどによって、クリーンで開放的な空間を創出。また、ウルトラスエードであしらったシートやドアトリムオーナメント、木目調のコンソールアッパーパネルを配して、上質なおもてなし空間を実現した。キャビン空間自体は、ロングホイールベースによって1000mmのカップルディスタンスを確保したほか、後方にピークを持たせたキャビンシルエットにより、開放的で前後に抜けのいい後席スペースを演出。また、乗員の開放感をより高めるパノラマルーフを設定した。シート表皮はバイオ素材を30%使用した前述のウルトラスエードを含めて3種類を用意。インテリアカラーは先進性とクリーンさを併せ持つオラージュ、モダンな印象のグレースケール、華やかさが際立つヘーゼルの3タイプを設定する。さらに、アンビエントイルミネーションには世界初となる陰影イルミネーションを採用した。
ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させた「Tazuna Concept」をコクピットに取り入れた点も見逃せない。運転に集中しながら各種操作が行え、合わせてタッチパネル式の大型センターディスプレイには多くの機能を集約する。また、センターコンソールにはレクサス初となるダイヤルシフトノブを配備。繊細に作り込まれた意匠で高い質感を演出するとともに、スマートかつ簡便な操作性を実現した。一方、ステアリングには従来の円形タイプのほかに、ステアバイワイヤを配したうえで回転角度を持ち替え不要な約±150°に設定した異形ステアリングホイールを新たに装備している。
予防安全システムとしては、最新の「Lexus Safety System+」を採用する。プロアクティブドライビングアシスト(PDA)には、信号交差点に対する右左折時の減速支援や車線内走行時の常時支援を追加。また、ドライバーモニターと連動した機能を拡充した。一方、快適な移動を支えるLexus Teammateには、自動車専用道路で0~約40km/h走行時にドライバーの疲労軽減を図るアドバンストドライブ(渋滞時支援)や、スマートフォンによる車外からのリモート操作も可能な駐車支援システムのアドバンストパークなどを設定。さらに、EV距離の最大化に向けて、高効率ヒートポンプシステムや幅射熱ヒーター(フィルム式)を採用した。
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みんなのコメント
「バッテリーが有るので床が高く膝が浮く」とか「前席シート下に足が入らない」とか有ったら
責任者変えろ、当たり前の問題を解決しない車など出して恥ずかしくないのか?
アキオさんにゴマ擦っているのか知らないが、走りだけでどうするの?最近媚びているだろう
トヨタ系の高級車、走りがいい=狭くてごちゃごちゃしている…発想が古いんだよな~
ランクルもLXもヤリスもカローラも後ろが狭い、クラウン、カムリは天井低い...少しは同乗者を考えろ