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商用車用オールシーズンタイヤを雪道で試した!グッドイヤー「ベクター4シーズンズ カーゴ」の実力

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商用車用オールシーズンタイヤを雪道で試した!グッドイヤー「ベクター4シーズンズ カーゴ」の実力


急な降雪にオールシーズンタイヤで備える
 
2021年に発売した商用車用オールシーズンタイヤであるベクター4シーズンズ カーゴ(以下ベクター カーゴ)は、もっとも日本市場に適したオールシーズンタイヤかもしれない。北国の降雪地域は、雪に備えて晩秋にはスタッドレスタイヤに交換してしまうことが多い。ただ、日本には雪はたまにしか降らないという地域が多いのも事実。そうした非降雪地域に住む人なら、降雪時はクルマに乗らず電車などの公共交通機関を使えばいい。
 
だが仕事用のクルマやバンは、そう簡単にはいかない。荷物の配送などの予定があるなど、雪が降っているからといって、すぐには代替手段が見つからないこともある。荷物によっては、いつも使っているクルマを動かさなければならない場面もあるだろう。
 
そんな時には、商用車向けに開発されたオールシーズンタイヤ、ベクター カーゴを装着していれば、急な降雪時でもいつものように仕事を継続することができるわけだ。降雪による事業の中断や変更の心配がないというのは、保険的な意味合いでも大きな魅力となる。
 
荷重変化の大きなバン、トラック向けに開発
 
ベクター カーゴのトレッドデザインは、乗用車用ベクター4シーズンズのような特徴的な放射状グルーブ(V型の溝)を持つブロックパターンはなく、一般的なスタッドレスタイヤに近い表情を持っている。トレッド中央部のブロックにはスタッドレスのような細かいサイプが刻まれ、ショルダー部にはサイプの刻まれた大きめのブロックをレイアウト。
 
ユニークなのは3Dブレイドサイプシステムテクノロジーと呼ばれる機能。サイプ内部に半球体状の凹凸を配置することでブロックの倒れこみを防止している。ブロック剛性が保たれることによって、ドライやウエット時はもちろんスノーロードでも高い操縦安定性が得られるというものだ。ブロック剛性を高めたことで偏摩耗の抑制にも効果があるというから、荷物による荷重変化が大きいバンなどの商用モデルにはありがたい機能だ。偏摩耗が抑制されることでタイヤライフが延びるのも、コスト削減につながる重要なポイント。
 
また、偏摩耗抑制にはエコプラストレッドテクノロジーも効果を発揮しているという。これはトレッド部の圧力分布を最適化しながら接地面積を最大化することで、偏摩耗を抑制しつつ氷上や雪上でのパフォーマンスを向上させている。
 
このほか、トレッド部とカーカス部の間に新開発の低発熱ゴムを採用することで発熱を抑制するエコクッションテクノロジーを取り入れ、転がり抵抗を低減して燃費性能を向上させている。
 
履き替えの必要がないオールシーズンタイヤは、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)の保管場所も必要なくなり、年2回の履き替えの手間もなくなるなども大きなメリットになるだろう。
 
雪道性能はスタッドレスのよう
 
サイズラインアップは4サイズで、195/80R15はハイエースバン(ジャストローを除く)に対応するサイズだ。もっとも小径のタイヤは軽商用バンにピッタリの145/80R12サイズ。そこで今回は車中泊用などキャンプなどのレジャーにも人気のホンダ Nバンにベクター カーゴを装着してスノーロードを走ってみた。
 
圧雪路でスタートすると、まるでスタッドレスタイヤのようにグリップがよく、多少ラフにアクセル操作してもスリップするような感じがない。速度を上げていってもしっかりとした操舵感で、雪を噛んでいるのが伝わってくる。スノーロードでは制動感もよく、ブレーキを踏んでからすぐに減速Gが立ち上がるので安心感が高い。
 
時折シャーベット路面が混じる場面でもグリップ力に不満はなく、年に数回降雪がある地域で使用するならベクター カーゴは十分な性能を有していると言える。圧雪路を含めてハンドリングもしっかりしていて、舵角を意識的に大きくしても急にグリップ力が減少するようなこともない。ステリング操作に対しての応答遅れがなく、ドライバーの意思に合わせて向きを変えるため、とても安心感がある。
 
Nバンを所有する一般ユーザーにも向いている
 
冬季キャンプなどレジャーで雪道を走るときでも、氷結路面に注意していれば、雪道ではスタッドレス並みの走破性を持っているからNバンをレジャーに使う人にもぜひオススメしたいオールシーズンタイヤだ。
 
ベクター カーゴはM+S(マッド+スノー)とスノーフレークマークが付いているため、高速道路などで滑り止めのための冬用タイヤ規制が出てもそのまま走行可能。チェーン規制時はスタッドレスタイヤ、オールシーズンタイヤともにチェーンを装着しなくてはならない。
 
Nバンでキャンプに行くときにうれしいのがマッド性能の高さだ。トレッドデザインはスタッドレス寄りだが、ラフロードタイヤにも似ている。そのため泥濘(でいねい)路の走破性はサマータイヤより高く、雨や朝露で濡れた芝生などの走行でもトラクションが確保しやすいだろう。タイヤの溝にはまった泥などを排出するセルフクリーニング性能にも優れているから、雨で緩くなった土の路面でもサマータイヤよりは安心して走れる。
 
仕事用はもちろんレジャー用にもベクター カーゴは力強い味方になってくれるはずだ。リプレイスタイヤを検討するなら、オールシーズンタイヤの選択もアリだろう。
 
〈文=丸山 誠 写真=岡 拓〉

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みんなのコメント

2件
  • アイスバーンには向かないってことですね。
  • 首都圏の平地で乗るのであれば充分ですね。ブリザックシリーズなど本気のスタッドレスではオーバースペックです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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