5月20~21日、ドイツ・ニュルブルクリンクでADACトタルエナジーズ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間)の決勝レースが行われ、フリカデッリ・レーシングの30号車フェラーリ296 GT3(アール・バンバー/ニッキー・キャツバーグ/デイビッド・ピタード/フェリペ・フェルナンデス組)が総合優勝を飾った。
現地20日(土)16時のスタート時からニュルブルクリンクには青空が広がり、24時間レースは全体を通して晴れの天気が続くなかでの戦いとなった。
左リヤタイヤのパンク続出。12時間時点首位はフリカデッリのフェラーリ/ニュル24時間
ポールポジションの4号車メルセデスAMG GT3(チームビルシュタイン)を先頭にスタートした決勝レースは、序盤からクリーンな展開となり、総合優勝を争うSP9クラスの全車が第1スティントを終了した時点で、4番手スタートの30号車フェラーリがトップに浮上した。
しかし次第に、上位車両の左リアタイヤにパンクのアクシデントが続出し、トップを走行していた30号車フェラーリにも同様のトラブルが発生。その結果、総合トップにはチームゲットスピードの2号車メルセデスAMG GT3が浮上し、レースは4分の1となる6時間を経過した。
そのまま決勝レースは夜間セッションへと突入。ADVAN(アドバン)カラーをまとうワーケン・ホルストモータースポーツの101号車BMW M4 GT3をはじめ、3号車メルセデス(チームゲットスピード)、99号車BMW(ローヴェ・レーシング)といったマシンらは、バックマーカーをパスする際に下位クラスのマシンと接触し、足回りを破損させてリタイアとなってしまう。
1号車アウディR8 LMS GT3エボII(シェラーPHX)と5号車アウディ(シェラースポーツPHX)は、コース上でオイルにタイヤを滑らせ、それぞれ異なる場所でコースアウトを喫する。夜間セッションはレース序盤とは一転、サバイバルなレース展開となった。
ライバルたちのアクシデントを尻目に好走を続けていた98号車BMW(ローヴェ・レーシング)は、序盤のパンクの影響でピットタイミングの異なる30号車フェラーリとトップを争う位置にまで浮上。それぞれがルーティンピットへと向かう毎にトップを奪い返すという状況で、決勝レースは夜明けを迎えた。
■3番手争いは序盤から続くメルセデス同士の戦いに
レースは残り6時間となり、トップのアール・バンバー駆る30号車フェラーリがバックマーカーをパスする際に、姿勢を乱してコース外へとはみ出るシーンも見られるなど、トップ争いは予断を許さない状況が続く。
ここで、10番手付近を走行し続けていたファルケン・モータースポーツの44号車ポルシェ911 GT3 Rの左リヤタイヤがパンク。スロー走行でピットへと戻り、タイヤ交換を行ってコースに戻るも順位を下げてしまう。
3番手争いは、2号車メルセデス(ゲットスピード)と4号車メルセデス(チーム・ビルシュタイン)が僅差で周回を重ねる展開に。しかし、144周目に4号車メルセデスを駆るルカ・ストルツが、グッドイヤーヘアピンの立ち上がりでファビアン・シラー駆る2号車メルセデスに並んでオーバーテイク。4号車メルセデスはそのままペースを上げてギャップを作り、3番手を盤石なものとしていく。
その後レースは波乱なく進み、トップを走る30号車フェラーリはピタードが最終スティントへと向かう。2番手の98号車BMWが最後のピットストップを終えた段階での差は1分弱となる。
レース終了までこの差が埋まることはなく、30号車フェラーリが歴代最多の周回数となる162周でトップチェッカー。98号車BMWが26秒遅れの2位でフィニッシュした。総合3位にはチームビルシュタインの4号車メルセデスが入った。
Congratulations to our TOP 5️⃣ of the 24 Hours 2023! 🎉🏁#24hNBR #24hNBR2023..#nring #24hnurburgring #nürburgring #nordschleife #grünehölle #greenhell #motorsport pic.twitter.com/CGVrEbbL2x— ADAC TotalEnergies 24h Nürburgring (@24hNBR) May 21, 2023
■スバルWRXはマシントラブルを乗り越え、クラス2位でフィニッシュ
スタートから14時間が経過した時点で、クラストップを走行していたカルロ・ヴァン・ダム駆る114号車スバルWRX(スバルテクニカインターナショナル)は、突然マシンのコントロールを失って「何かに引っ張られるように」マシンの左リヤをウォールにヒット。ヴァン・ダムはスロー走行に切り替えてマシンをピットへと運んだ。
突然挙動を乱してしまった原因は、スタビライザーの取付ボルトの欠損にあると判明。足回りと駆動系のパーツを総交換するも、同時にエンジンの故障が判明し、チームはエンジン交換を敢行した。
その結果114号車スバルWRXは、4時間半のマシン修復を経てコースへと復帰したが、今度はアウトラップにタイヤパンクチャーが発生。マシンをドライブしていたティム・シュリックは、スロー走行でマシンをピットへ戻したため大事には至らず。タイヤを交換し、クラス2番手でレースに復帰。そのままチェッカーまでマシンは好走を続け、総合80位/クラス2位でフィニッシュとなった。
SP10クラスに参戦するトーヨータイヤ・ウィズ・リング・レーシングの70号車トヨタGRスープラGT4は、木下隆之がドライブしているタイミングで右フロントタイヤ付近から出火。木下はマシンをコース脇に停止させ、決勝レース残り6時間の時点でリタイヤとなってしまった。僚友の71号車トヨタGRスープラGT4エボ2023は、総合27位/クラス5位でフィニッシュしている。
ファルケン・モータースポーツの33号車ポルシェは総合109位/クラス25位でレースを終え、僚友44号車ポルシェは総合10番手/クラス10番手でフィニッシュ。アドバンカラーの101号車BMW(ワーケン・ホルストモータースポーツ)はリタイヤ、僚友102号車BMWは総合100番手/クラス20番手でレースを終えている。Burning tires - literally 😳🔥 #24hNBR #24hNBR2023..#nring #24hnurburgring #nürburgring #nordschleife #grünehölle #greenhell pic.twitter.com/WN1F55TPc8— ADAC TotalEnergies 24h Nürburgring (@24hNBR) May 21, 2023
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