V8捨て、直4+PHEVへ
従来のV8エンジンに変えて直4エンジン+PHEVを搭載した新しいメルセデスAMG、その名もC63 S Eパフォーマンスが誕生した。
【画像】直4+PHEVでさらに洗練度増す【新時代のメルセデスAMG C63 Sを詳しく見る】 全85枚
なぜ、メルセデスAMGは自分達のアイデンティティとでもいうべきV8を諦めて、直4+PHEVを選択したのか?
そのきっかけが「CO2削減」にあったことは間違いないだろう。
ただし、そのコンセプトを練っていくうち、4気筒ならではの、そしてPHEVならではのメリットをいくつも見いだしたことも事実のようだ。
たとえば重いV8でなく軽量な直4を積めば、前後重量配分を改善できる。
SクラスやEクラスならともかく、全長が限られているCクラスへのV8搭載は極端なフロントヘビーを意味する。これが、とりわけ限界的なハンドリングに悪影響を及ぼすことは明らか。
しかも、メルセデスAMGのPHEVはモーターとバッテリーを後車軸上に搭載するため、前後の重量配分を限りなく50:50に近づけられる。
事実、C63 S Eパフォーマンスは49:51と微妙なリアヘビーに仕上げられているらしい!
しかもPHEVを活用すればパワートレインのレスポンスを改善できる。
4WDを駆使することでハンドリングの電子制御化も容易になるはず。
さらには早朝や深夜に無音で走行することもできる……。こうしたさまざまな可能性を検討するうち、最終的にはAMGのキャラクター自体を見直すことになったと開発担当者のひとりは明かしてくれた。
果たして、新時代のAMGとはどんなテイストなのか? 早速、スペイン・アンダルシア地方でおこなわれた国際試乗会の模様を報告することにしよう。
従来の「C63 S」を凌駕する
C63 S Eパフォーマンスのフロントに搭載されている2.0L直4エンジンはM139lと呼ばれる。
メルセデスAMG A45などに搭載されて「史上最高出力の4気筒エンジン」の呼び声も高いM139の縦置き版(l=longitudinal)が、M139lである。
ただし、過給器はA45系とは大きく異なっていて、ターボチャージャーと電気モーターを同軸上に設けてデバイスを採用。
これはターボチャージャーと電気式スーパーチャージャーの1台2役を務めるもので、最新のF1パワーユニットでも同様の形式が用いられている。
メルセデスAMGでの採用はC43やSL43に続いて3例目だが、C63 S Eパフォーマンスでは「43系」よりもターボチャージャーが大型化されている点が異なる。
476psと55.6kg-mを生み出すこのエンジンと組み合わされるのが、204psと32.6kg-mを生み出すモーターで、こちらは後車軸上に搭載。
ただし、エンジンとモーターはメカニカルに直結された状態にあり、両者を合算したパワーがAMGパフォーマンス4マティック+に導かれて四輪に分配される。
つまり、モーターのパワーもエンジン同様、状況に応じてフロントにもリアにも伝達されることになるのだ。
エンジンとモーターをあわせたシステム出力は680ps、システムトルクは104.kg-mで、旧C63 Sの510ps/71.4kg-mを凌駕する。
なお、同様の4WDプラグインハイブリッドシステムはP3ハイブリッドと呼ばれ、AMG GT63 S Eパフォーマンスにも採用されて(ただし、こちらのエンジンは直4ではなくV8)おり、今後、多くのメルセデスAMGに採用される見通しだ。
意外? 洗練度が大きく進化
スペイン南部のマラガを起点とした今回の試乗会では、まず、C63 S Eパフォーマンスを一般道で走らせた。
この地域の路面は決してスムーズとは言いがたいが、それでもC63 S Eパフォーマンスは路面の細かな振動をたくみに吸収してゴツゴツした印象を与えない。
それでいながら、コンフォート・モードでも十分なフラット感が得られるのが印象的だった。
この種のスポーツモデルでは、ハーシュネスの改善を重視するあまり、ボディをフラットに保つのに必要な減衰力を確保できていないモデルが少なくない。
この場合、低速域では快適でも、速度を上げるにつれてピッチングが起き始めて、結局スポーツ・モードなどに切り替えることになるのだが、C63 S Eパフォーマンスではそれがなく、コンフォート・モードのまま高速道路を走るのにまったく不満を覚えなかった。
さらにいえば、スポーツ・モードでもハーシュネスが極端に悪化しない点も印象的だったが、それだけに、乗り心地だけに関していえばコンフォート・モードとスポーツ・モードの差が小さかったともいえる。
さらにいえばロードノイズが小さいことも「63系AMG」としては実に意外。
快適な乗り心地を含め、メルセデスAMGの洗練度が大きく進化していることが深く印象に残った。
サーキットで実感する「新時代」
アスカリ・サーキットでC63 S Eパフォーマンスが示した走りも、これまでのAMGの概念を覆すものだった。
フロントに265/35R20、リアに275/35R20のミシュラン・パイロットスポーツ4Sを装着した足まわりは、スキール音やステアリングからのインフォメーションなどによって、グリップ限界のはるか手前から警告を発し始める。
おかげで、ドライバーが「不測の事態」に備える猶予がたっぷりと与えられる点が、まずは嬉しい。
さらにいえば、実際にテールが流れ始めてからの修正も容易。
一旦リアがスライドし始めると、タイミングよくカウンターステアをあててもすぐにこれがとまることなく、スリップアングルが大きくなってしまいがちだった従来のメルセデスAMGとは異なり、ステアリング修正に対する反応が素早いので、より精度の高いドライビングが楽しめるのだ。
これをサポートするスタビリティ・コントロール・システムの仕上がりも秀逸で、システム・オンの状態でもわずかなスリップアングルを許してくれるばかりか、システムが作動しても「ガガガガガッ」という無粋な振動を感じさせることなく、実に洗練されている。
そしてスタビリティ・コントロールをスポーツに切り替えれば、スリップアングルを許容する範囲がさらに拡大。ダイナミックなドリフト走行が楽しめるようになるのだ。
メルセデスAMG自身が「55年の歴史で初となる真のゲームチェンジャー」と説明するC63 S Eパフォーマンスは、街乗りでもサーキット走行でも洗練された走りが堪能できる「新時代のAMG」といって間違いないだろう。
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みんなのコメント
43、53から63の違いってどこのメーカーもそうなんだけど150kmからの信頼性が変わるんだけど。
200kmからのハードブレーキング、ステアリングの操作性、フレーム、ブレーキ、サスペンションの剛性
が全て200km~300kmでもコントロール出来る信頼性のある物に全て置き換わってる。
だからトップグレードは高いんですよ。しかも安心して飛ばせる。
>>43AMG乗ってますが