もくじ
ー ディーター・ツェッチェ会長の置き土産
ー 全長はEクラスより短く、室内はSクラス並み
ー 2基のモーターによる四輪駆動
初試乗 メルセデス・ベンツEQC 400 4マティック 発売迫る 経験のない静寂
ディーター・ツェッチェ会長の置き土産
今年5月にダイムラーのCEOを退任することが決まっているディーター・ツェッチェは、メルセデス・ベンツで6番目となる電気自動車の製品化を承認した。EQEと呼ばれるモデルだ。
この高級セダンは2022年に発売が予定されている。価格面ではテスラ・モデルSと直接競合することになるだろう。EQEの情報は、中国の工業情報化部から最近発行された文書の中で明らかになった。その中でEQEはV295という社内コードネームで引用されている。
EQEは、メルセデスのサブブランドであるEQから2025年末までに発売されることになっている10台の新型電動車の1台だ。それらの開発プログラムには、既に100億ユーロ(約1.2兆円)の予算が投じられている。
さらに、200億ユーロ(約2.4兆円)の投資をバッテリーセル技術に行うと発表。2020年代半ばには、メルセデスが販売する全車両の25%以上を電気自動車が占めると予想されている。
ツェッチェは次のように語った。「われわれの電動化攻勢は勢いを増し続けています。われわれは今、次の段階へ進もうとしているところです」
全長はEクラスより短く、室内はSクラス並み
EQEは、最近受注が開始されたEQCや、来年発表されるEQAとEQV、フラッグシップのEQS、最近確定されたEQBに続いて、ショールームに並ぶことになる。
2021年に発売が予定されている、より豪華で大型のEQSと同様に、EQEもMEAと呼ばれるメルセデスが新開発した電気自動車用プラットフォームを採用するはずだ。
この広範囲にアルミニウムが使われたプラットフォームによって、将来のEQモデルはパッケージングの自由度が高いフラットなフロアが与えられ、メルセデス内部関係者の言葉によると「クラストップの広い室内空間」を実現できるという。
関係者の1人は次のように語っている。「EQEは現行のEクラスより全長が短くなるが、室内は現行Sクラスに比肩する」。
われわれの作成した予想画像のように、EQEのスタイリングは近々フェイスリフトが施されるEクラスを進化させたものになるだろう。空力や効率を重視したデザインになるはずだ。
他のEQモデルのラインナップと共通性のあるフロントフェイスが適用されるが、路面状況によって自動的に調節されるサスペンションによって、着座位置は低くなると思われる。
2基のモーターによる四輪駆動
EQC、EQA、EQV、EQBは、それぞれGLC、Aクラス、Vクラス、そして間もなく発売されるGLBという、内燃エンジン搭載の既存モデルとプラットフォームを共有する。
しかし、EQSと同じくMEAを採用するEQEでは、前後に1基ずつ搭載する電気モーターがそれぞれ前輪と後輪を駆動する四輪駆動として最初から販売されるだろう。
同社の電気自動車戦略に詳しい情報提供者の話によると、メルセデスはさらに市場を拡げるため、モーターを1基だけ搭載した後輪駆動のEQEも検討しているという。しかし、その発売は2022年以降になるだろうとのことだ。
EQEの詳細なスペックに触れるのはまだ時期尚早だが、EQCの最高出力408ps、最大トルク78.0kg-mを上回ることは間違いないだろう。
パワートレイン以外の機能面については、エアサスペンション、四輪操舵、そしてメルセデスの新しい実験車両ESFで開発されている多くの先進安全機能が装備される見込みだ。レベル3の自動運転機能も含まれる。
開発に力を入れているバッテリーセル技術によって、EQEの航続距離は600km近くになることが期待できる。
EQEの生産はドイツに新設された第56工場で行われる予定だ。同じ場所でEQSも生産される。
また、メルセデスが中国の提携企業と共同で15億ユーロ(約1800億円)を投じて北京に建設している工場でも、EQEの生産は行われる見込みだ。これによって2022年から最大7万台の年産が可能になる。
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