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『ブレーキ無交換』がLMGTEのトレンドとなるか。コルベットはデイトナでも実績あり/ル・マン24時間

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『ブレーキ無交換』がLMGTEのトレンドとなるか。コルベットはデイトナでも実績あり/ル・マン24時間

 2020年のル・マン24時間レースでは、24時間をブレーキ交換なしで走り切ったアストンマーティン・バンテージAMRがLMGTEプロクラスで優勝を果たした。これを受け、2021年に同クラスへ参戦するコルベット・レーシング、そして他のマニュファクチャラーも、ブレーキの無交換作戦を視野に入れている。

 コルベット・レーシング63号車シボレー・コルベットC8.Rをドライブするジョーダン・テイラーによれば、このブレーキディスクおよびパッドの無交換については、チーム内では「強力なテーマ」と捉えられているという。

【順位結果】2021年WEC第4戦ル・マン24時間 予選

 激しい戦いが繰り広げられるGTEプロクラスにおいては、とくにセーフティカーがほとんど、あるはまったく導入されない場合、ピットレーンでの1~2分を節約できることが、大きな影響を及ぼす可能性があるとテイラーは語る。

 コルベット・レーシングはIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にフル参戦しているが、テイラーとアントニオ・ガルシア、ニッキー・キャッツバーグは、ブレーキを交換することなく、今年1月のデイトナ24時間レースを制している。このため、チームはシボレー・コルベットC8.Rにとってのル・マン・デビュー戦においても、同様の戦略を調査している。

「それは間違いなく、強力なテーマだ」とテイラーはSportscar365に対し語った。

「昨年のデイトナで(C8.Rが)デビューしてから、このクルマで取り組んできたことだ」

「今年のデイトナではクラス優勝したが、ブレーキを交換しなかった」

「そのことは、24時間を戦ううえで必要な自信を、僕らに与えた。このトラックではもちろん、少し条件が異なるが、テストデーの限られた走行だけでは、僕らが望むほどの走行マイレージを得ることはできなかった」

「それを実行できるかどうか、まだ本当に確信の持てるデータは手にできていないと思う」

「今日(走行初日)のプラクティスと予選、そして明日の走行も見て、摩耗具合を確認し、無交換が可能かどうかを判断できるよう、ブレーキに対するマイレージを蓄積できるように努める」

 テイラーによれば、ドライバーは特定の方法でブレーキ(の摩耗)を節約する方法を見出すことができ、チームメイトのキャッツバーグのような左足でブレーキペダルを踏むドライバーよりも、自身が採用する右足ブレーキのドライバーの方が、それをうまくコントロールできるという。

「通常、ブレーキとスロットルがオーバーラップする左足ブレーキのドライバーの方が、摩耗は激しい。ブレーキ温度が急上昇するんだ」とテイラーは説明する。

「デイトナとは対照的に、このスタイル(ル・マン/WEC)のレースの問題は、常に全開でなければいけないということだ。デイトナではブレーキをセーブするために少しペースを緩めても、イエロー(コーション)でその時間を取り戻すこともできる」

「ル・マンではペースを緩めることは諦めて、1分か2分を失うリスクをおかすことになる。ル・マンに来ると、この種のことは間違いなく(IMSAのレースより)難しさを増す」

■「レースで決定を下す」とポルシェ

 フェラーリのテクニカル・ディレクター、フェルディナンド・カニーゾは車両重量などBoP(性能調整)における利点が、ブレーキの寿命を延ばすというチームの決定に影響を与える可能性がある、と述べている。

「昨年、アストンマーティンはブレーキシステムに過度のストレスを与えないようにする、非常に優れたBoPを手にしていたと思う」とカニーゾ。

「そのため、彼らは最後にリスクを取ることができた。昨年は、我々はそれができなかった」

「今年は、予測するのが非常に難しい。レースがどんな展開になり、最終的なBoPがどのようになるか、注視していく。それに基づき、戦略が決まるだろう。気象条件など、他の多くの要因にも依存する」

 昨年アストンマーティンに次ぐ2位となったフェラーリだが、(ブレーキ交換の差がなくても)全体的なアストンマーティンのパフォーマンスには、負けていただろうとカニーゾは述べている。

「タイムロスを減らすことができるのは、明らかに重要だ」

「だが、彼らがブレーキ交換をしていたとしても、彼らの方がパフォーマンスがあった。BoPによるものだと言っているのではなく、パッケージ(全体)によるものだ」

「彼らは昨年、最大限の仕事をした。我々はそれを尊重しなければならない。今年はすべてがうまくいき、我々がベストパッケージを手にして、最後に勝てることを願っている」

 ポルシェのWECオペレーション責任者であるアレクサンダー・ステューリッヒは、セーフティカー・ピリオドなどの適切なタイミングで、ブレーキ交換を行なうことができるかどうかを検討する必要がある、と述べる。

「セーフティカーにブレーキ交換を合わせることができるのなら、間違いなくそうするだろう」とステューリッヒ。

「だが、結局のところ今年のデータが必要になるので、レースで走らせてみて、ブレーキの摩耗具合を確認する必要がある」

「ブレーキ交換あり、ブレーキ交換なし、すべてのシナリオが用意されている。レースで決定を下す」

「もちろん、これは戦略のオプションだ。レースは長く、影響を与えるパラメータはとても多い。したがって、ブレーキ交換が勝負を決定付ける要素になるとは限らない」

「彼ら(アストンマーティン)が昨年成し遂げたことは興味深い事実であり、我々は確かにそれを注視している」

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