2025年からF1への参戦を開始することを目指していたアンドレッティだが、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)は、この申請を退ける判断を下した。しかしアンドレッティは参戦に向けて既にマシンの開発を進めており、申請が却下された今後も、マシンの開発は継続されるだろう。
FOMは、アンドレッティが参戦したとしてもF1に利益をもたらさないとして、2025年からの参戦を認めないことを決めた。一方で、アンドレッティと協調しているキャデラックがパワーユニット製造者登録を済ませている2028年からの参戦については、認める可能性があるとしている。
■F1早期参戦の野望は成就せず。アンドレッティ・キャデラックのエントリーが却下された3つの理由
アンドレッティはこの判断に不服として、「FOMが公開した内容を強く否定する」とした声明を発信した。F1を統括するFIAも「次のステップを決定するために対話を行なっている」と、引き続き交渉できるよう後押ししていることを匂わせた。
このFOMの決断に先立ち、アンドレッティは現在の開発状況の一部を公開。風洞モデルや、キャデラックの親会社であるGM(ゼネラルモータース)のスタッフがシャシーをデザインしている場面の画像を発信した。
この時公開された風洞実験モデルを詳しく見ていくと、彼らが準備しているマシンについて、興味深いことがいくつか見えてくる。
サイドポンツーンはレッドブルからインスパイア
サイドポンツーンやその他のデザインを見ると、アンドレッティが最初に比較対象としたのは、間違いなくレッドブルだ。昨年のレッドブルの強さを見れば、ほとんどのチームがそうしてくるはずで、これについては何も驚くべきモノではない。
サイドポンツーンに関しては、2023年の段階からレッドブルのモノを模したチームが多かった。中には、サイドポンツーンの上面に溝を掘り込むという独自の解釈をして発展させたチームもあった。
またマクラーレンは、サイドポンツーンの吸気口に注目。アップデートを投入する度に、そのデザインを近づけていった。
レッドブルもこのエリアを積極的に開発。開口部を薄くし、その分サイドポンツーンのアンダーカット(下部の抉り込み)をアグレッシブなものとして、マシン後方へ向かう気流をコントロールした。
アンドレッティの風洞実験モデルは、RB19というよりもその前年のRB18に酷似していると言える。インレットはもちろん、サイドポンツーンの側面に沿って入れられたラインも同様。ミラーのデザインも酷似する。
フロアエッジは”RB18”から?
フロアのエッジ部分についても、エッジウイングこそ明らかではないが、類似点がいくつかある。たとえば、エッジ部分がいくつかにセグメント化され、RB18と同じようにロールしているのだ。
公開された画像では、角度的にフロアの前端やフロアのフェンスのデザインを確認するのは難しい。この部分は、現行レギュレーション下では特に重要な部分であるため、比較できないのは残念である。
ただシャシーの下にはビブウイングが配置されているのがチラリと見えており、この部分でもトレンドを取り入れている。
エンジンカウルには違いも
エンジンカウルのデザインは、ロールフープ部やエアボックスの形状が、レッドブルとは明らかに異なっている。これはおそらく、ルノーのカスタマーPUを使う上で必要な要件だったということだろう。ただ、冷却システムの配置を考慮し、スペースを増やしたかっただけである可能性もあるだろう。
エンジンカウルとサイドポンツーンの間に段差が設けられているのも、現在のトレンドである。
エンジンカウル後方にある小さなシャークフィンと、細い冷却用開口部も、現行レギュレーション下で見られたモノだ。これは、マシンの冷却性能と空力性能の両方を考慮したモノといえよう。
フロントサスペンションにはプルロッドを採用
マシンの前方を見ると、フロントサスペンションにはプルロッドを採用している。それも含め、やはりレッドブルRB19と非常によく似た構成になっている。
上のウィッシュボーンは、前方アームが高く、後方アームが低い位置でシャシーに取り付けられている。これもレッドブルと同等であり、フロントの沈み込み抑制と空力効果の両方に役立つデザインであると言えるだろう。
ただ、2022年からのレギュレーションでは、マクラーレンもプルロッドを採用している。つまり、レッドブルを模倣したとは断言できないだろう。
フロント部には複数のチームのアイデアを取り入れる
フロントウイングとノーズは、複数のチームのDNAが受け継がれている。特に注目すべきは、フロントウイングの上部2枚のフラップの間に取り付けられた”スロットギャップ・セパレータ”のブラケットだろう。
メインプレーンと1枚目のフラップ、そして1枚目のフラップと2枚目のフラップは、金属製と思われる馬蹄形のブラケットで接続されている。しかし上部2枚のフラップを繋ぐブラケットは明らかに形状が異なっており、これによって気流をマシン両サイドに導くアウトウォッシュを生み出しているのだろう。
アンドレッティは、この形状のブラケットをふたつだけ使っている。2022年のアメリカGPでは、メルセデスが5つのブラケットを搭載して物議を醸した。
メルセデスは、レギュレーション違反に問われることを避けるために、当該デザインをすぐに放棄した。しかし2023年にはフェラーリがこのスタイルのブラケットを採用し、シーズン後半にはハースもこれに倣った。
リヤウイングも複数チームが使用のデザインを採用
リヤウイングには、昨年の段階でいくつかのチームが採用した、フラップが単独で存在しているように見えるデザインを採用している。
これには翼端板の角を別パーツ化しつつもフラップまで連続するような外周を描くアストンマーティン型と、翼端板とフラップ部に完全な段差を設けるアルピーヌ型の2種類の考え方がある。
多くのチームはアルピーヌ型を採用したが、フェラーリとメルセデスはアストンマーティン型に独自の解釈を加えたバージョンを投入し、空力効率を高めた。
アンドレッティは、画像が不明瞭なのでどちらのバージョンを採用しているか、その判断は難しい。しかしいずれのデザインも、このレギュレーションが採用された当初考慮されていたよりも効率的なリヤウイングを誕生させるためには、必要なことだったと言えよう。
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