タフなスタイルのアドベンチャースクーター
スクーターの利便性を生かしつつ、人気のアドベンチャースタイルを取り入れた’20ホンダADV150。舗装路だけではなく、フラットダートに乗り入れて走りをチェックした、『オフロードマシン ゴー・ライド』流インプレッションをお届けする。
KLX230/CRF250L/セロー250FE徹底比較【#1/6 足着き性&タンデム】
PCXとは異なるサスペンション
日本国内でベストセラーモデルとなったホンダPCX。先日、そのPCXに試乗したのだが、スクーターらしい利便性とスポーツモデルのような軽快な走りを両立していて、大人気となるのが納得の仕上がりだった。
そのPCXをベースに、前後サスストロークを延ばし、アドベンチャースタイルを取り入れて完成したのが、この「ADV150」だ。石畳や荒れた舗装路で快適な走りを実現するためのスタイルだが、そのためにフレームを強化し、エンジン搭載位置を変更するなど、PCXとの共用パーツはわずかで、ほぼオールニューといえる仕上がりになっている。
―― 【HONDA ADV150】主要諸元 ■全長1960 全幅760 全高1150 軸距1325 シート高795(各mm) 車重134kg ■水冷4ストローク単気筒OHC 149cc 15ps/8500rpm 1.4kg-m/6500rpm 無段変速式(Vマチック) 燃料タンク容量8.0L ■タイヤサイズF=110/80-14M/C R=130/70-13M/C ●色:ゲイエティーレッド マットメテオライトブラウンメタリック マットガンパウダーブラックメタリック ●価格:45万1000円
―― ライダーは身長172cm。シート高は795mmで、両足を着くとカカトが少し浮く。リラックスできるポジションが決まる。
そのADV150の走りは、サスストロークが伸びたこともあって、舗装路ではPCXよりもフワッとした乗り心地に感じた。しかし、その感触がトレールマシンっぽく、個人的には好印象だった。そして、その増えたストローク量のおかげで、フラットな林道では底突きすることがなく、ユニットスイング式の恩恵はリヤのトラクションとして現れ、ダートの登りも安定してクリアすることができた。
ただ、シッティングでは前輪の位置が見えにくく、下り坂のライン選びは慎重にならざるを得なかった。とはいえ、クラッチ操作を必要とせず、エンストの不安もないので、フラットな林道をトコトコと走破するのは余裕でこなせる。
ADV150は欧州で人気のX-ADVのスタイルをPCXに取り入れ、ちょっと違ったスタイルを楽しむためにインドネシアから提案されたという。世界中のアイデアを具現化できるのがホンダのすごさだが、日本発の新型トレールマシンを見たい、と思ったりもした。
―― シート下には容量27Lのラゲッジボックス。ハンドルの下には容量2LのACCソケット付きインナーボックスを装備し、高い利便性を実現。
―― ユニットスイング式エンジンは低中回転域のトルクを向上。アイドリングストップ機構も装備。
―― ストローク量は130mmで、150ccクラス最長。フロントブレーキのみABSを装備。
―― リザーバータンク付きのリヤショックはストローク量120mm。
―― スクリーンは2段階に調整可能。71mm高くなる。
―― ツイントリップ、残量を表示するデジタルメーター。その下には別体式で警告灯を表示する。
●文:小川浩康 ●写真:ホンダモーターサイクルジャパン 小泉裕子
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みんなのコメント
もうちょっとだけでいいから、オフ向きのタイヤ、販売されないかな。