ロードレース世界選手権MotoGPの生ける伝説、バレンティーノ・ロッシ。彼は2021年シーズンにペトロナス・ヤマハSRTへ移籍し、今も勝利を目指して戦いを続けている。しかし、彼はいつまでレースを続けることができるのだろうか?
ロッシ本人は2022年以降に関しての決定は“まだ”と主張している。しかし今シーズンの彼を取り巻く状況は、2021年シーズンが彼にとって最後の現役の年……つまり引退の可能性が高まっていることを示している。
■ロッシこそ現代GPライダーの“先駆け”。26年目のレジェンド「レースで感じる感覚が、現役を続ける理由」
ヤマハとロッシの契約は2021年末で満了を迎えるが、延長に向けては数々のハードルが存在する。彼らの契約の中には、満たすべきパフォーマンス条項が設定されていることが判明しているのだ。
今シーズン、ロッシは開幕からの5戦で獲得ポイントはわずか9。前半戦の残る4レースほどで急激に上向かせない限り、43歳となったロッシの現役続行をヤマハに認めさせるのは容易ではないはずだ。
以前のロッシは、グランプリ2日目の予選までが厳しい展開だったとしても、日曜日の決勝レースでは結果を残してくる“日曜日の男”という一面を見せてきた。しかし今シーズンはその日曜日の結果が伴わず、ベストリザルトは11位となっている。
開幕戦では優勝したヤマハのマーベリック・ビニャーレスから11秒差の12位、連戦のドーハGPはファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)から14秒差の16位、ポルトガルGPを転倒で終えると、スペインGPではジャック・ミラー(ドゥカティ)から22秒差の17位という結果だ。
さらにロッシは予選でも厳しい状況が続いている。開幕戦ではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)のスリップストリームを生かして4番手を得て沸かせたが、以降は低迷。ドーハでは21番手、ポルトガルとスペインでは17番手だ。
ロッシが最後に表彰台の頂点に立ったのは2017年のオランダGP。表彰台獲得も2020年のアンダルシアGP以来遠のいている。
彼のリザルトが以前のような強力さを示していないのは明らかだが、それは同じヤマハ陣営のライダーとの比較によって、より鮮明になる。今季も既に勝利を挙げているクアルタラロ、ビニャーレスは言うまでも無く、チームメイトのフランコ・モルビデリはロッシとは異なる型落ちのYZR-M1を走らせながらもポルトガルでは4位、スペインでは表彰台を獲得している。
ロッシはスペインGP終了後に「アイデアが尽きてしまった」と認めており、レース明けのテストでは多少の笑顔を取り戻していたが、その後のフランスGPを考えると、全体の調子を好転させるには不十分だったと言える。
こうした様々な要素を鑑みると、ロッシが来年、27年目の現役生活を続けるというのは、難しいことのように考えられる。第一に彼がリザルトを尊重しなければ、彼の言葉が軽くなってしまう。そしてなにより、偉大な結果を残してきたライダーがこうした苦戦に耐える姿を見ることは、誰にとっても厳しいものだ。
ロッシは最近の記者会見で「速くなかったり、先頭や表彰台の位置を争えないようなときは楽しくない」と、彼のトレードマークでもある陽気さからは離れつつある姿も見せている。
『生きる伝説バレンティーノ・ロッシの引退』……それはパドック内でも繰り返し語られてきた話題のひとつだ。そして現在ではヤマハやペトロナスと関係ない者の大半は、彼が今シーズン限りで引退すると考えている。実際motorsport.comが取材した3チームの代表は、ロッシが95%の確率で引退するだろうという考えを示していた。
ロッシの引退が現実のものとなった場合、それは大きな波紋をもたらすことになる。ロッシは、過去20年間最大のスターとしてMotoGPを彩ってきたライダーだ。その彼が引退することとなれば、シリーズへの影響は計り知れない。ロッシは、世界的な規模でのバイクレース普及の原動力となってきた人物だからだ。
そして今シーズン限りで引退となった場合、彼は新型コロナウイルスの影響で地元ファンに手を振る機会を持たないまま、5月30日に最後のムジェロ戦を迎えることになるが、そこも大きな問題かもしれない。
自身のレーシングチームであるVR46チームのMotoGPクラス参戦など、別ファクターも存在するが、今後数レースで彼が現役続行を説得できるほどの結果を残せるか、否応なく注目が集まることになるだろう。
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