悪路走破性は、フラッグシップ同等に
トヨタが予告していた「新型ランドクルーザー」が発表され、従来のプラドの後継にあたる「ランドクルーザー250」としてデビューした。
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タフ・プレミアム系である「300」の好調、ヘビーデューティ系の「70(ナナマル)」の復活。この2台の真ん中を狙う「ランクルのコア・モデル」と紹介された250は、どんな使命を担うのか?
同社のデザイン領域を率いるサイモン・ハンフリーズ執行役員(チーフブランディングオフィサー)が、発表会の場で5つのこだわりを教えてくれた。
1つ目は、“命をあずかる堅牢性”。
250の車体構造は、新たにラダーフレームの「GA-Fプラットフォーム」を採用した。悪路走破性は、同じ車体構造を用いるフラッグシップのランクル300と同レベルだという。
「さらに、圧倒的な実用性もお約束します」
「ランクル初の電動パワーステアリングを採用し、オンロードでは操作性と快適性を向上。オフロードではキックバックを低減しました」と、新型車への自信を語った。
パズルのピースは、耐久性・燃費・性能
2つ目は“新たな選択肢”。つまり、ランクル初のハイブリッド車の登場だ。
「地球上のあらゆる場所で使われるランクルだからこそ、多様なニーズに対応すべく、多様な選択肢が必要なのです」と語ったハンフリーズ氏。
耐久性を犠牲にすることなく、燃費とパフォーマンスを向上させたという。
「ハッキリ言って超難題でしたが、誰もが、カーボンニュートラルへの道に参加できるようにしたかったのです」と付け加えた。
その構成は、2.4Lガソリンターボ+ハイブリッド+8速ATというもの。最高出力330ps、最大トルク64.2kg-mとパワフルだ。
残念なことに北米・中国向けとなるので日本導入は現実的でないが、トーイング需要の高いアメリカ市場でこのパワーは重宝されるだろう。
3つ目は“極限での直感的操作”。
「意のままに操れないと、命を預けるクルマとして信頼できません。感覚的に識別でき、操作できるコクピットであること」
そのために、ダカール・ラリーのチャンピオン、三浦昂氏に協力を仰いだという。
「彼は、過酷を極める状況でも、最小の労力で、最大の精度を叶えるヒューマン・マシン・インターフェイスが極めて重要だと語ってくれました」
ーーどこへでも行き、生きて帰ってこられるーーというランクルの代名詞は、250の世代にも引き継がれる。
「傷つきにくさと修理のしやすさ」
4つ目のポイントは“機能美こそ、究極の美”。
「美しさは、機能性からこそ生み出されるのです」と語るハンフリーズ氏。
「世界にはランクルにしか走れない過酷な道があり、そこでの操縦性を突き詰めることで、屈強なプロポーションが仕上がりました」
横から見ると分かりやすいが250のボディサイドは意外にスリムだ(トップ画像)。オーバーハングは短く、低いベルトライン、細いAピラー、角ばった造形は、視認性がよく車体感覚もつかみやすい。
「ユーザーの声から、傷つきにくさと修理のしやすさが大事だと教えられた。高い位置にあるヘッドランプは、瓦礫やサバンナの長い草の上でも視認性を担保」
「しかし、デザインや機能へのアプローチがすべてではありません。“信頼できるデザイン”であることに、こだわりました。例えば、ホイールとボディで踏ん張り感を強調。これは、力強さや安定感を視覚に訴えかけ、ドライバーの自信につながります」
最後の5つ目は、“ランクルがアメリカに帰ってくる”こと。
「我々は原点に立ち戻り、未来を見据えて走り出しました。原点回帰とは、ブレない魂を見つめ直すことだったのです」
ハンフリーズ氏は、ランクルの開発が、大切なことを教えてくれたと話す。
「世界のあらゆる地域で、移動は贅沢ではなく、生き抜くためのライフラインなのだと」
「ランクルが、ブレずにランクルであり続けるからこそ、お客様から信頼していただけるのです。我々は未来へ向けて……、カーボンニュートラルへのさらなる提案や、より手に入れやすくできないか、なども考えているのです」
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