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低い路温とウエットが生んだGT300予選の結果。決勝は未知の領域で荒れる!?《GT300予選あと読み》

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低い路温とウエットが生んだGT300予選の結果。決勝は未知の領域で荒れる!?《GT300予選あと読み》

「前回のポールポジション(2009年第9戦もてぎ)のことなんか、もう忘れていますよ(笑)」

 ひさびさのポールポジション獲得に、RUNUP RIVAUX GT-Rの青木孝行はこうコメントを残した。2019年、18年モデルのニッサンGT-RニスモGT3を投入してから、予選ではトップ10に食い込むことも非常に多かったが、ここへ来ていよいよポールポジションまでその速さを伸ばしてきた。ちなみに、TOMEI SPORTSは2019年の最終戦もてぎで、チームとして初のドライバーズポイントも獲得している験の良いコースでもある。

11年ぶりにポールを獲得した青木「なんか随分、久しぶりの景色かなぁ(笑)」/スーパーGT第4戦 GT300予選会見

 そんなエキサイティングな結果が待っていた予選は、この日の不安定な天候が演出したと言っていいだろう。Q1のB組もQ2も、路面を濡らしやすい小雨が舞い、非常にスリッピーな状況となっていたが、そんななか、この結果に結びついたのは、9月上旬とは思えない低い路面温度、そしてチョイ濡れというコンディションだ。

「タイヤの温まりがタイムを出すのにすごく重要になるポイントだと思っていました。GT-Rの特性にもすごく助けられた部分があって、最後のラップでタイヤがちゃんと発動してくれた」と青木は予選後の記者会見でコメントしているが、これは1310kgという車重が関連している。GT3カーは重い分、タイヤの攻撃性が高いが、逆に言えばこういったコンディションのときに熱を入れやすい。

 逆に熱が入れにくいのが、軽いマザーシャシーだ。Q1のB組ではシンティアム・アップル・ロータスの柳田真孝が、らしからぬコースオフを喫したが、1165kgでタイヤにとにかく熱が入れにくいことは、マザーシャシーをドライブした経験をもつライバルのドライバーたちも口をそろえ、柳田に同情した。もちろん、スリックのまま走るのが正解だったのか、また一部に見られたレインに交換するのが正解だったのかは、あくまで結果論でしかない難しさがあった。

 そして2番手につけたのは、今季の開幕3戦で苦戦していたHOPPY Porscheだ。まずGT3を、そしてポルシェを理解するところから開幕し、テストが少ないなかで3戦を費やしタイヤを開発。ヨコハマが作り上げたタイヤとともに、“遅れてきた主役の一台”が躍進を果たした。もともとRRでトラクションがかかるポルシェはもてぎが得意で、照準を合わせていたのだ。

「少し引っかかったけど、持ってきた状態から狙いどおりタイムを出すことができた。鈴鹿から時間がないなかで、ヨコハマさんがタイヤを作ってくれた。鈴鹿から普通に走れるタイヤ、セットアップができてきています」と土屋武士監督。

「ウチはタイヤの温まりという意味では、RRなのでフロントが温まらない。でもそこでなんとか間に合って、タイムを出すことができた」という。

 一方で、そんな土屋監督が「躍進が素晴らしかったですね」というのはダンロップ勢だ。圧巻だったのは、ランキング首位で100kgものウエイトハンデを積むGAINER TANAX GT-RがQ1のA組でトップタイムをマーク。Q2では位置取りでうまくいかず伸び悩んだが、それでも速さをみせたことだ。またダンロップ勢では、SUBARU BRZ R&D SPORTが4番手、K-tunes RC F GT3も6番手につけている。GAINER TANAX GT-Rの福田洋介チーフエンジニアは、位置取りさえ良ければこの前後にいけただろうという。

「速さの秘訣はタイヤですね。今年、新しい構造にしてかなり戦えるフィーリングをもっています」と福田チーフエンジニア。「セットアップも合うところが見つけられています。ただ、気候の面で、ウチが速いというより、他が合っていないのかな……という気もしています」

 このダンロップ勢については、かなりポテンシャルは上がっていることは分かる。K-tunes RC F GT3も「良いポテンシャルはありますが、まだ僕たちの合わせ込みは足りないかな、と思っています。クルマの特性が全然違うので」と新田守男は言う。

「ゴムのレンジなども自分たちで合わせ込まなければなりませんが、新型コロナウイルスの影響でテストができないなか、ようやく良いものができつつあります。本当はここでいきたかったけれど、ちゃんとデータを残していけば、次戦やその次で、良いレースができると思う」

 変わりゆくコンディションへの対応とタイヤの温め、そしてダンロップの躍進がこの日の予選のクローズアップポイントだったと言えるだろう。

 さて、9月13日の決勝レースに向けてだが、こればかりは天候次第としか言いようがない。ポイントとしては、いつものレースのことではあるがセーフティカーへの対応、そしてこの時期、300kmというレース距離で前例がなく、多くの陣営が不安を感じているブレーキ、そしてタイヤとなるだろう。

 例年250kmで争われるもてぎのレースは比較的アクシデントは少ないが、「今年は荒れるんじゃないか」と多くの関係者が予測している。

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