WEC世界耐久選手権第7戦・第88回ル・マン24時間耐久レースは現地時間9月20日6時30分(日本時間9月20日13時30分)にレーススタートから3分の2となる16時間を終えた。スタートからレースをリードしていた7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス)は12時間過ぎにターボトラブルが起き後退。8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー)が首位に立っている。
例年と異なる9月開催で、ふだんよりも夜が長い2020年のル・マン。レースはスタートからTOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタがリードを築き、8号車トヨタが追う展開となっていた。8号車は序盤からブレーキの温度が上がるトラブルに見舞われており、セーフティカー導入時に右フロントの冷却システムを交換。これで7号車が1周のリードを築いていた。
【途中経過】2019/20年WEC第7戦ル・マン24時間 決勝16時間後
そんななか、レースは折り返しとなる12時間を過ぎたが、この直後に7号車にトラブルが襲いかかる。小林可夢偉がドライブ中に急遽ガレージにマシンが戻され、右サイドのターボ交換を実施。イレギュラーのトラブルだったことは確実で、29分48秒の作業時間を要してしまった。
これで8号車がトップに浮上したが、7号車はレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソン(ブルーノ・セナ/ノルマン・ナト/グスタボ・メネゼス)、3号車レベリオンR13・ギブソン(ロマン・デュマ/ナタニエル・ベルトン/ルイス・デルトラス)にも先行され7周遅れとなってしまった。
12時間過ぎのトヨタ7号車のトラブル以降、LMP1の上位勢はレベリオンの2台が頻繁にフロントカウル交換を行っているものの、大きなトラブルは起きておらず膠着状態。8号車トヨタと1号車レベリオンは2~3周差、3号車とは3~4周差というギャップで、この後夜明けを迎え、どう戦況が変化していくか。
激戦区のLMP2クラスは、上位を争っていたG-ドライブ・レーシングの26号車アウルス01・ギブソン(ロマン・ルシノフ/ジャン・エリック・ベルニュ/ミケル・ジェンセン)がバッテリーにトラブルを抱え後退。ユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(フィリップ・ハンソン/フェリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ)とチームメイトの32号車オレカ07・ギブソン(ウイリアム・オーウェン/ジョブ・ファン・アウタート/アレックス・ブランドル)が僅差の争いを展開していた。
14時間50分過ぎには、32号車がこのチームメイトバトルを制し首位に浮上するも、15時間50分というところで32号車はガレージイン。22号車、さらに僅差で3番手につけていたJOTAの38号車オレカ07・ギブソン(アンソニー・デイビッドソン/アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ/ロベルト・ゴンザレス)にも先行された。現在は22号車が首位、38号車が2番手につける。
LM-GTEプロクラスは、アストンマーティン・レーシングの97号車アストンマーティン・バンテージAMR GTE(マキシム・マルタン/アレックス・リン/ハリー・ティンクネル)とAFコルセの51号車フェラーリ488 GTE(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ジェームス・カラド/ダニエル・セラ)が僅差の争いを序盤から展開しており、16時間経ってもいまだ同一周回だ。
3番手にはアストンマーティン・レーシングの95号車バンテージAMR GTE(ニッキー・ティーム/マルコ・ソーレンセン/リチャード・ウエストブルック)が続く。4番手にはAFコルセの71号車がが続き、アストンマーティンvsフェラーリの構図となった。アストンマーティン勢はLM-GTEアマでも好調で、TFスポーツの90号車バンテージAMR GTEがリードを築いている。
一方、日本から挑戦しているドライバーたちには厳しいル・マンとなっている。LMP2クラスで序盤首位を争っていた山下健太が乗り込むハイクラス・レーシングの33号車オレカ07・ギブソンはトラブルでリタイア。同じくLMP2で山中信哉が乗り込むユーラシア・モータースポーツも序盤の遅れが響き、現在クラス15番手となっている。
また序盤ミッショントラブルに見舞われたほか、ピットでは火災もあったMR Racing/CARGUY RACINGの70号車フェラーリ488 GTE(木村武史/ケイ・コッツォリーノ/ヴァンサン・アブリル)は、粘りの追い上げをみせていたものの、14時間過ぎにコッツォリーノからアブリルに交代した直後、ギヤボックストラブルが再発しスピン。グラベルにストップしてしまい、エンジンがかからずリタイアとなってしまった。
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