バーレーン・インターナショナル・サーキットで2024年シーズンのF1プレシーズンテストが始まった。1月下旬より各チームによる新車発表が行われたが、カラーリングの公開のみにとどまったチームもあり、このテストでようやく全チームの新型マシンの実車を目にすることになる。今回は、メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チームの2024年型マシン『W15』を特集する。
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メルセデスW15は「W14よりドライブしやすい」とラッセル。新型フロントウイングにウォルフ代表も自信
昨年のモナコGPで、サイドポンツーンを非常にコンパクトにした、いわゆる『ゼロ・ポッド』を断念し、空力のコンセプトの方向転換を図ったメルセデス。今年は昨年のモナコGP以降の空力コンセプトを継続しつつ、独自のアイデアを搭載した新車を登場させてきた。
そのアイデアのひとつがフロントウイングのユニークなアッパーフラップ。一番上の4枚目のフラップがノーズに向かって、急激に細くなっている。
その部分を拡大すると、いかに細いかがわかる。紐状が始まる部分の3枚目のフラップには金属製のセパレータが装着されているのがわかる。これらの装着物によって空気の渦を作って、フロントタイヤの内側の乱流を吹き飛ばして、より大きなダウンフォースを生み出そうとしているようだ。
メルセデスの空力がユニークなのは、フロントウイングだけではない。フロアへの空気の取り込み口にある垂直のバーティカルフィンの形もライバルチームとは一線を画す。外側、真ん中、内側がそれぞれ異なるデザインというのも興味深い。
フロアの両端の形状にも変更が加えられた。
後方に下げられたコクピット。
さらにリヤサスペンションがプルロッドからプッシュロッド方式に変更された。これまでのコンセプトを完全に捨て、新しいコンセプトでシーズンを開始したメルセデス。テストではデータ収集を地道に行っていたのが印象的だった。
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