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アストン マーティンDBX707試乗 高次元の調律 研ぎ澄まされた707ps まるでDBXの「GT3」化

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アストン マーティンDBX707試乗 高次元の調律 研ぎ澄まされた707ps まるでDBXの「GT3」化

わずか2年で登場 DBX707とは?

アストン マーティン初のSUVであるDBX。

【画像】高次元の調律【アストン マーティンDBX707の内外装や走り】 全81枚

そのハイパワーモデルであるDBX707のステアリングを握ることができた。

英国編集部のリチャード・レーンがこのクルマをテストドライブした際「現在英国で販売されている自動車のベスト」と言い切っていた。また彼は「DBXをGT3化したような」とも形容していた。

豪奢なクロスオーバーSUVをそこまで研ぎ澄ますことができるのだろうか? 期待せずにはいられない。

車名に含まれる707という数字はメルセデスAMGから供給されているV8ユニットの最高出力を示している。

以前のスタンダード版のパワーは550psだったので、実に157psものパワーアップを遂げているのだ。

普通、最高出力が3割近くも増すと、それを受け止める隅々までアップデートが必要になるもの。

そんな視点でDBX707を観察してみると、ギアボックスがトルコンの8速ATから湿式多板の9速デュアルクラッチ式に変わっているし、デフも容量が大きなEデフへと変更されている。

もちろんホイールのサイズは同一だが、ドライブシャフトも強化されているので、パワートレインや駆動系はほぼすべて刷新されていることになる。

デビューからわずか2年ほどでこれほどのハイパフォーマンス版がデビューするのはめずらしい。

だがそこは超高級ブランドのアストンなので、必ずしも世の中のごく一般的な時間の流れと歩調が合うわけではないのだろう。

驚異の707ps アストンならアリ?

DBX707の外観で目立つのは下方向に拡大されたグリルだ。その下縁の黒い部分もエアインテーク化されている。

昨今は空力を重んじ、ボディの表面に無駄な穴は開けない。つまりDBX707は本気で冷却する必要があるのだ。

23インチ、リア325幅のタイヤに呆気にとられ、こんなタイヤを履きこなせるクルマなんてある? とも感じたのだが、まずはドライブしてみよう。

ちなみに今回は雪に降られてサーキット試乗ができなかったため、試乗は別の日に都内でおこなっている。

職人仕事を感じさせるシートは見た目以上に腰まわりに吸い付く感じ。ラグジュアリーだがけっこうタイトなのだ。

だが加速した瞬間、なるほどこれだけのホールドが必要なのだと思い知らされた。

本当に707psあるかどうかは別として、DBX707の加速はスタンダードのそれとはまるで別物だ。

スロットルの踏みはじめから躊躇なく鋭くて図太い加速が襲ってくる。

SUVにこんな加速性能がいるのだろうか? いるとしたらそれはブランドの問題だろう。

例えばランボとかフェラーリとか。イギリス車でいえばアストン以外には似つかわしくない。

それ以上に驚くべきはシャシーの側だった。フル加速でもリアを少しだけ沈め、こともなげに加速して見せる。性能的に尖った部分をすべてキレイに面取りしたような感覚。

そういえばこのバランスは、以前ドライブしたスタンダードのDBXと同じだったりする。

ボディはヘビー級、身のこなしはミドル級

スタンダードのDBXはボディサイズから想像できないほどサスペンションとスロットルの連携がよく、破綻のないモデルだった。

新車をリリースしてからモデルライフを通じて徐々にセッティングを煮詰めていくという、以前のアストンの常識では考えられない、いきなりの熟成度合いだったのである。同じことがDBX707にもいえる。

3チャンバーのエアサスと48V駆動のスタビライザーという現代の超高級SUVに欠かせない装備は、恐らく目いっぱい仕事をしているはず。

だが彼らが凄いのは、その仕事ぶりを一切感じさせない点にある。

また2.3t弱という車重も、メルセデスAMGのブラックシリーズ由来だというV8エンジンの強烈なトルクによってしっかりと相殺されている。

その結果として、DBX707はヘビー級のボディサイズとは裏腹な、ミドル級のアスリート的な身のこなしを見せるのだ。

以前のスポーティモデルはパフォーマンスの量と同じだけの我慢を強いられたものだ。

その最たるものはタイヤのサイズアップによる乗り心地の悪化なのだが、DBX707に関していえばそのようなものが感じられなかった。

つまり「DBXをGT3化したような」というリチャード・レーンの表現は、ポジティブな部分にしか当てはまらないのである。

スタンダードのDBXとDBX707の価格差は700万円になる。

だがアップレートの内容と、現代のアストンらしい完成度の高さを考えれば決して高い買い物とはいえないと思う。

アストン マーティンDBX707のスペック

価格:3119万円
全長:5039mm
全幅:1998mm
全高:1680mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):7.0km/L
車両重量:2245kg
エンジン形式:4000ccV8ターボ
使用燃料:ハイオクガソリン
最高出力:707ps/6000rpm
最大トルク:91.8kg-m/2750-4500rpm
ギアボックス:9速オートマティック
駆動方式:四輪駆動

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みんなのコメント

1件
  • 往年のオーディオヲタは「dbx」に反応すると思います。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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