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4戦中3度目のペナルティながら今季初表彰台。16号車ARTA MUGENが後半戦に向けて掴んだ手応え

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4戦中3度目のペナルティながら今季初表彰台。16号車ARTA MUGENが後半戦に向けて掴んだ手応え

 8月6日に静岡県の富士スピードウェイで開催された2023スーパーGT第4戦。今季は予選で速さを披露しながら決勝で結果を残せていなかった福住仁嶺/大津弘樹組の16号車ARTA MUGEN NSX-GTが二転三転する天候に加え、セーフティカー(SC)、赤旗中断という荒れ模様のレースで2位(レース後のペナルティで3位)フィニッシュ、今季初表彰台を獲得した。

 「最初のスティントはすごく悪くはないのですけど、特別良い状況でもなかったと思います」と語るのは、第1、第2スティントを担当した福住。

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「ただ、今回のレースはスタートしてすぐに路面が乾いてきました。そんな状況でしたけど、ウエットタイヤは前半苦しいけど後半は悪くないという手応えを感じていました」

 福住は12周目にピットインしてスリックタイヤに交換。このピットストップを「一番いいタイミング」と評し、GT500クラスの全車がタイヤ交換を終えた16周目にはトップに浮上。ファステストラップを更新しながら走行を続けるも、追い上げてきた14号車ENEOS X PRIME GR Supraにオーバーテイクを許してしまう。

「(2番手以下と)大きなギャップが一瞬ありましたけど、スリックタイヤでの状況があまり良くなかったので14号車と3号車(Niterra MOTUL Z)に前に行かれてしまいました」

 レースはその後、35周目にGT300クラスの車両火災が発生したことでSC導入に。40周目にリスタートを迎えるも、首位14号車と2番手16号車の間には「ちょっとやっかい(福住)」なラップダウンの23号車MOTUL AUTECH Zを挟んでしまったこともありトップ奪還は叶わず。57周目のルーティンピットで大津に後半スティントを託す。

■後半スティント担当の大津弘樹「乾いていく路面で調子が良かった」
 5番手でレースに復帰した大津は、その後も安定したペースで走行を重ねる。66周目にふたたびGT300マシンが車両火災に見舞われ赤旗中断になった際には、豪雨がにより路面コンディションが一変。レースコントロールからタイヤ交換の許可が降りたことで、ウエットタイヤで71周目のリスタートを迎えた。

「スリックタイヤで走行しているときは、あまりペースが良くなくて厳しいという場面もありました。その後は赤旗中にウエットタイヤに交換してリスタートしましたけど、前半はかなりタイヤがグリップしなくて野尻(智紀/8号車)選手に追い抜かれてしまいました。でも、チームと仁嶺からは『後半になれば(ペースが)安定してくる』ということを聞いていたので、そこでは慌てずに、しっかりと自分の順位を守ろうと思って走りました」

 これで6番手にポジションを落としてしまった大津。しかし赤旗でギャップがリセットされたこともあり、4番手以下は4台での表彰台争いが繰り広げられる。大津はバトルのなかで先行する8号車が最終コーナー立ち上がりでスピン、さらに14号車がピットインしたことで2番手に上がると、そのままフィニッシュを迎えた。

「6番手から2番手に立つことができたので、乾いていく路面のなかで調子が良く、後方に比べたらペースがあることが分かりました。水がある場所を選びながらタイヤをマネージメントしたことがこの結果に繋がったと思います」

 レース終了直後の囲み会見で大津は「これまでの3戦では、普通に終われば勝てたレースを落としていました。でも、今回はコンディションが目まぐるしく変わるレースでひとつひとつの選択がすべて良い方向にいきました。後半戦に向けて、さらに良いところを伸ばせるようにチーム一丸となって戦っていきたいです」と荒れ模様のレースを総括。

 そして福住も、「今までは調子は悪くないものの、ペナルティや接触などで最後までうまくいかないレースが続いていました。今回はこういった難しい状況のなかで、勝ちたかったですけどしっかりとした結果を残すことができ、次のレースに向けて良い流れを作ることができたのではないかなと思います」と満足げな表情をみせた。

 そんな今季初表彰台に湧いていた16号車だったが、レース後『給油中のタイヤ交換』による40秒ペナルティが加算。これで第1戦での『赤旗ラインの無視』による100秒加算ペナルティ、第2戦での『タイヤ装着不完全での給油』によるドライブスルーペナルティに続く今季3度目のペナルティを受けることになってしまった。

 しかし、今回はペナルティで2位こそ失ってしまったものの、3位表彰台はキープすることに成功した16号車にとって、ここまで11位、10位、7位に終わっていたなかで久々のビッグポイント。歯車が噛み合ってきた16号車が目標とする「まずは1勝」に向け、ここから“真の開幕”と言わんばかりの後半戦に挑む。

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