積算2172km BMWから新年の挨拶メッセージ
text:Piers Ward(ピアス・ワード)
【画像】BMW 4シリーズ・クーペ 最新M4とM3も 全81枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
だいぶ以前のことだが、2021年になって初めてBMW 420dクーペを始動しセンターモニターを見ると、BMWから新年の挨拶メッセージが届いていた。
少し人工的でコンピューターが自動生成したようにも思えたが、新型コロナで退屈な1年の始まりだっただけに、気分を良くしてくれるものだった。この調子で、明るいニュースをお届けできれば、と思う。
積算2510km 4シリーズはファミリーカーになるか
近年、クーペモデルの売れ行きは低調だ。BMWのデータが裏付けている。2017年と比べて、2019年に売れた4シリーズは明らかに少ない。先代がモデル末期に近づいていたなど、いくつかの事情はあるにしろ。
筆者としては、この傾向にはストップをかけたいところ。エレガントなデザインの2ドアクーペがこの世から消えてしまったら、世界は今よりつまらないものになってしまう。しかも運転する喜びも、ほかのボディタイプより概して高い。
クーペは実用性に欠けると考えているのだろうか。確かに多くのユーザーは、自分のライフスタイルに合うクルマを求め、より大きなボディを選びたがる。
そこで今回は、BMW 420dクーペがファミリーカーになるかどうか検証してみた。それを確かめる方法として、200本の苗木を運ぶという内容がベストだったかどうかは、わからないけれど。
沢山の荷物も積みやすいパッケージング
筆者の友人が農園に沢山の苗木を植えたいと話していて、BMW 4シリーズに乗って手伝うことにした。ファミリーカーとしてのテスト精度を高めるため、2人の子どもにも同行してもらった。
長男は、インフォテインメント・システムのジェスチャー・コントロールに夢中だ。その日も4シリーズの車内で、ずっとラジオのボリュームを上げたり下げたりしていた。クルマが嫌に感じないか、心配したほど。
苗木が並ぶ場所についた時は、ほっとした。本当にまだ子どもの木だった。大部分の樹高は30cmくらいで、すべてがビニール袋に包まれている。4シリーズのカーペットが敷かれた荷室を汚す心配もない。
クルマへ積むのも簡単。少し体を伸ばしてレバーを引っ張れば、リアシートの背もたれが折りたたまれる。完全には平らにならないものの、だいぶフラットな空間ができる。
開口部も大きく、1.5m位ある木はトランクスルーで積める。60:40で分割可倒式だから、リアシートにチャイルドシートを残したままでも大丈夫。枝が横に伸びて、少しくすぐったいようだったが。
BMW 420dクーペの荷室容量は440Lある。3シリーズのセダンは480Lで、ツーリングはトノカバー下で550Lだから、大幅に小さいわけではない。荷室には小さなフックが付いていて、小さなかばんも引っ掛けておけば走行中に暴れることはない。
外を眺めにくいリアシート
ドアの大きいクーペだが、フロントのシートベルトを前方に押し出すアームが付いている。腕を伸ばしてBピラーのシートベルトを引っ張る必要はない。目新しい装備ではないが、日常的な使い勝手で大きな違いを生む部分だと思う。
気になる部分もなくはない。リアシートの座面が低い反面、サイドウインドウのラインが徐々に高くなるため、子供には外の景色が眺めにくいようだ。そして薄暗い。冬場だと、ちょっと暗い気持ちになるかもしれない。
もっとも、筆者は普段そこへ座ることはないから気になるほどではないけれど。それ以外、BMW 420dはファミリーでも使いやすいと確認できたと思う。恐らく。
テストデータ
気に入っているトコロ
家族に優しい:英国はロックダウン中ということで、乗る機会は少ないものの、筆者の家族とライフスタイルには驚くほどぴったり。
気に入らないトコロ
フロントシートの遅さ:リアシートへ乗り降りするには、フロントシートの背もたれをたたむ必要があるのだが、電動シートの場合はその動作が遅い。手動なら、レバーを引けばすぐ終わるのに。
テスト車について
モデル名:BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:4万2275ポンド(591万円)
テスト車の価格:4万8865ポンド(684万円)
テストの記録
燃費:16.2km/L
故障:なし
出費:なし
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みんなのコメント
子供が「お前んちの車、悪魔顔~」とか「豚に乗ってる~」とか笑われそうだな。
まあ、値段を見れば大概は押し黙る訳だが、仮にそこで
「違う! うちの車はマキバオーなんだ!」
と言い返せる子に育てられるかどうかが、親の教育の腕の見せ所だろうな。