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事故現場にブレーキ痕なし=ブレーキを踏んでいないと考えていい?

事故現場にブレーキ痕なし=ブレーキを踏んでいないと考えていい?

ABS装着車に、ブレーキ痕つく?

ブレーキ痕(痕跡)がないのでブレーキを踏んでいない。交通事故が発生すると、警察の見解としてよく使われる表現だ。

<span>【画像】そもそもABSとは? 正しいブレーキの掛け方と仕組みを解説【国土交通省】 全3枚</span>

直近では2021年11月25日午後2時半過ぎに横浜市戸塚区内の国道1号線で発生した、ワンボックスカーがバス停にいた4人をはねて2人が死亡した事故に関する報道でも、「ブレーキの痕跡」という言葉が出てくる。

事故現場にブレーキの痕跡がないことと、ブレーキランプがついていなかったという目撃者の証言から、運転していた71歳男性は事故直前にブレーキを踏んでいないと警察は考えている、という報道だ。

クルマのブレーキについては、近年ではいわゆる自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の普及が進む。

画像を認識するカメラやミリ波レーダーによって前方の障害物、人、自転車などを検知して車内に警報を鳴らす。

それでも運転者がブレーキ操作をおこなわない場合、クルマのシステムが強制的にブレーキをかける仕組みだ。

今回の戸塚区内の事故発生と同じ日、筆者(桃田健史)はホンダのさくらテストコース(栃木県さくら市)で研究段階の事案も含めたホンダの最新安全技術を体験していた。

その中で、ホンダがグローバルで普及を目指す「HONDA SENSING 360」では、時速50km程度から衝突被害軽減ブレーキが作動する様子を運転席で体感したが、ブレーキ痕がつくようなタイヤの鳴りはほとんどなかった。

古いクルマのABSはどうなのか?

戸塚区内の事故について、現場で撮影された映像や画像を見ると、71歳男性が運転していたのはかなり年式が古い日本メーカー製のワンボックスカーだ。

乗用というより、商用という感じがする。

だが、この世代でもABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は搭載されている可能性が高い。

なおABSとは、強くブレーキを踏み込んでも、タイヤをロックさせないシステムだ。ブレーキを踏んだままでも自動的にブレーキの解除/作動を繰り返す。

このしくみにより、最適なブレーキ力が得られる。またクルマの進行方向の安定性が保たれる。ハンドルも効く。

仮に事故発生車と同じモデルでドライバーがブレーキを踏んでいる場合、ABSが作動して制動距離を短くするはずだ。

従来の事故検証の方法にも変化

最新の衝突被害軽減ブレーキと比べると、ABS作動のタイミングで路面にブレーキ痕が残る可能性も考えられるのではないだろうか。

むろん、タイヤの性能や路面の状況によって、制動距離とブレーキ痕のつき方は変わる。

報道によると、今回の事故は車道から歩道に逸脱して数十メートル走って衝突しており、歩道には通常、車道に沿った方向でのブレーキ痕はつなかないため、複数のブレーキ痕が残っているとは考えにくい。

また、別の見方をすると、ブレーキ痕について目視のみならず、警察が事故現場の状況を解析する機器によって、わずかなブレーキ痕も確認できるのかもしれない。

いずれにしても、これから衝突被害軽減ブレーキの技術がさらに進むと「ブレーキ痕がないのでブレーキを踏んでない」という従来の事故検証の方法にも変化が生じるかもれない。

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