IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権にフォード・マルチマチック・モータースポーツの一員として参戦しているハリー・ティンクネルは、8月25日にバージニア・インターナショナル・レースウェイ(VIR)で行われた『ミシュランGTチャレンジ・アット・VIR』で3台すべてのフォード・マスタングGT3が強力なポテンシャルを発揮し、同車にとって初となるIMSAでの表彰台を獲得したことを「もうひとつのマイルストーンだ」と称えた。
ティンクネルとマイク・ロッケンフェラーは、マルチマチック・モータースポーツが走らせる64号車マスタングGT3を駆り、優勝したポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3と3.3秒差の2位でフィニッシュし表彰台を獲得した。
GTD王者ポール・ミラーBMWがプロクラス初優勝。シーズン唯一の“ハコ限定戦”でポール・トゥ・ウイン
また、ジョーイ・ハンドとディルク・ミューラーが駆る姉妹車の65号車マスタングGT3は総合5位を獲得。GTDクラスのポールポジションからスタートしたプロトン・コンペティションの55号車はレース終盤にコリー・ルイスがコースアウトし、クラス8位で終わも、ポディウムフィニッシュが見える位置を走る活躍を見せた。
「これは、またひとつのマイルストーンだ」と語ったのは、マスタングGT3にIMSAでの初の表彰台をもたらしたティンクネルだ。
「この週末、マスタングは非常に強かったと思う。カスタマーチームであるプロトンが達成した、GTDでのポールポジションはそれを証明するもののひとつであり、今日のGTDプロでの初表彰台もそうだ」
「レースごとに学んでいると思う。明らかに今年のクルマは新車だ。僕たちは大きな飛躍を遂げつつある」
「(開幕戦)デイトナでのデビューから速さはあった。あそこでは表彰台も狙えたはずだ」
「正直なところ、我々は徐々に良くなってきていると思う。これは少し前から起こっていたことだ。ワトキンス・グレンでは長い間レースをリードしていたが、うまくいかなかった。また、モスポート(カナディアンタイヤ・モータースポーツ・パーク)では2番手を走っていたが表彰台には届かなかったし、前回のロード・アメリカでも強いペースは持っていた」
「毎日マシンに取り組んでくれるチームのみんなのおかげだ。エレクトロニクスやその他もろもろ、まだ多くのことを発見しているところだ」
「僕らは7、8年前から走っているマシンを相手にレースをしている。もちろん、僕たちの学習曲線はとても大きい。ここにいるのは素晴らしい気分だし、もう一段上に行くことができれば、さらに良くなるだろう」
■最後はポジションキープに徹するも、2位に「満足」
チームメイトのロッケンフェラーは、最後のリスタートでレースリーダーのマディソン・スノー(1号車BMW)に挑戦するつもりはなく、2番手のポジションを維持することに集中していたと認めた。
「今日は良い感じだった。リスタートについては正直なところ、後方から来るマシンのほうが心配だったんだ」
「アストンマーティン(27号車/ハートオブ・レーシングチーム)が本当に速かったから、ずっとミラーを注視していた。彼らは明らかに速かったんだ。僕の目標は2番手をキープすることだった」
「言うまでもなく、もしチャンスがあればそのチャンスを掴みたかったけどね」
「レースはずっとBMWがコントロールしているように見えた。今シーズン、ここで2位を獲得できたことに満足しているよ」
「僕たちドライバーにとってうまくいかなかったことは悔しいけれど、メカニックやチームのみんなにとっては大きな安堵に違いない」
さらにティンクネルが付け加える。
「僕たちは、どんな理由があるにせよ、いつも予選よりも決勝のほうが良いようだ。だから、昨日の予選で3番手になり、上位に近づけたことはレースに臨む自信に繋がった」
「レースの中でBMWとは本当にうまくやっていけた。35周ほどのグリーン走行で(背後を走ったことで)BMWのストロングポイントとウイークポイントがよく分かったよ」
「僕らとしてはコーナーで少し速くなっているようだし、トップスピードは今のマスタングの強みだと思う。ここで得たデータはたくさんあるし、そこから学ぶこともできる。来週はテストがあるから、ここからは前進あるのみだ」
「僕たちはチャンスを最大限に活かし、一緒にドライビングを楽しんでいる。目標はインディとプチ・ル・マンだ。それぞれの前にテストがあるからね」
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