ピレリ・スーパー耐久シリーズ2018第4戦は、7月14~15日にオートポリスにおいて5時間レースとして開催され、ST-Xクラスでは24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-R(内田優大/藤井誠暢/平峰一貴組)がポール・トゥ・ウインを飾った。
6月の富士24時間以来の開催となるスーパー耐久も2018年シーズンの後半戦に突入。真夏の太陽が照りつけるオートポリスが第4戦の舞台だ。同じ日田市の中心街では14日に37.4度の猛暑日を記録したが、阿蘇外輪山に位置するサーキットは、日の当たる場所でも30度程度で、日陰に入ると風も心地よかった。
今回は全7クラスに計50台がエントリー。14日に行われた公式予選では、ST-Xクラス 全9台)の9号車MAX Racing RC F(Go Max/田中哲也/佐藤公哉/土屋武士組)がクラッシュを喫し、損傷がフレームまで及んだことからリタイア。
24号車スリーボンドGT-RがA、Bドライバーのベストタイム合算で開幕戦以来2回目のポールポジションを獲得。予選2番手には3号車ENDLESS GT-R(YUKE TANIGUCHI/山内英輝/銘苅翼組)がつけた。
15日はうっすらとガスがかかったような晴天となり、気温26度、路面温度37度というコンディションの11時39分に5時間レースがスタートした。
ポールスタートの24号車スリーボンドGT-Rは藤井が快調にトップを守り、これを81号車アウディR8が追う序盤となった。さらに少し距離を置いた3位争いは5台のST-X車両が数珠つなぎの大バトルを展開しファンの視線を釘付けにした。
24周目に81号車アウディがトップに立ったが、最初のルーティンピット作業で24号車GT-Rが逆転。バトンを受けた平峰が独走状態を築いていき、内田を挟み、最後は再び平峰がステアリングを握ると、中盤の87周目以降はトップを譲ることなく、義務付けられた3回のピット作業のみでレースを組み立てて独走優勝を果たした。
アクシデント等でセーフティカーが一度も導入されないレース展開もチームに味方した。
「全国の日産自動車大学校との共同プロジェクトですが、今回は愛媛校とのジョイントでした。先日の西日本豪雨の被害に遭った学生はいなかったようですが、愛媛県でも大きな被害が出たと聞いていますし、地元の明るい話題になってくれればうれしい」と藤井は今季初勝利にホッとした表情で白い歯を見せた。
2位には3号車エンドレスGT-Rがゴールしたが、最後のピット作業でトランスポンダーの交換をミス。レース結果に30秒のペナルティが加算され5位となってしまった。
繰り上がりの2位は、ポイントリーダーで60kgのハンデウエイトに苦しんだ99号車 Y’s distraction GTNET GT-R(浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組)。今回22.5点を加算し次のもてぎでタイトルを獲得する可能性が高まった。
ST-TCRクラス(全8台)では、終盤の残り25分を切ったころ、トップ走行中の45号車プリズマ☆イリヤRS3 LMS(竹田直人/白坂卓也/田ケ原章蔵組)がサスペンショントラブルのためにクラッシュ。これで98号車FLORAL CIVIC TCR(飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組)がトップに立ち今季初優勝。2位には65kgのハンディ搭載で苦戦した97号車Modulo CIVIC TCR(植松忠雄/中野信治/大津弘樹/小林崇志)がゴールして、シビックの1-2。97号車シビックも次戦もてぎでタイトルを獲得する可能性が高まった。
この他、1台のみのST-1クラスは既にタイトル獲得を決めている47号車D’station Porsche cup(星野辰也/織戸学/浜健二組)が完走。
ST-2クラス(全4台)は59号車DAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組)が3勝目を挙げた。
ST-3クラス(全8台)は39号車ADVIS TRACY RC350 TWS DPS(手塚祐弥/下垣和也/前嶋秀司/近藤説秀組)が逆転で初優勝。
ST-4(全11台)は前回連勝がストップした86号車TOM’S SPIRIT 86(松井孝允/坪井翔/中山雄一)が、前半に喫したタイヤバーストから終盤逆転してシーズン3勝目。
ST-5クラス(全9台)は地元福岡の2号車TEAM221ロードスター(筒井克彦/山西康司/田中勝喜組)が開幕戦以来の2勝目を挙げた。
次の第5戦もてぎは、9月22~23日に5時間レースとしてツインリンクもてぎで開催される。
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