タイヤのオーバーヒートは、2024年のF1世界選手権が始まって以来、繰り返し話題になっている。この件は今週末のカナダGPでも、多くの話題を耳にするかもしれない。
それは、この数カ月のうちにカナダのプロモーターはジル・ヴィルヌーヴ・サーキット全体の舗装をやり直したために、ピレリは水曜日に現地に到着してから初めてその特性をチェックすることができるからだ。
ピレリ、モナコGPなど2025年の市街地戦により柔らかい“C6”タイヤを追加へ。多様な戦略利用を提案
もちろんピレリにとって、新たな舗装が完全に敷設されるずっと前に持ち込みコンパウンドの選択を迫られたのは、これが初めてではない。最近では、2023年の第22戦ラスベガスGPが近い状況であり、タイヤエンジニアたちはパドックに到着した時点で新しい路面についての最初の情報を受け取った。
トラックサーフェスにはさまざまな特徴があるため、ピレリはふたたび厳しい週末を迎えるかもしれないと警戒している。商業権所有者とレースプロモーターがピレリの仕事を極めて難しいものにしており、同社は多くのグランプリでコンパウンドの選択をする際に、現場でどういった状況に直面するのかを推測しなければならないのだ。
ピレリはカナダGPのプレビューで、次のように述べている。「今年はトラック全体の舗装がやり直され、縁石も交換された。理論上は、摩耗性が低いためにグリップが低くなるというこれまでのトラック特性は変わらないはずだが、実際はピレリのエンジニアが水曜日に路面を見て、最初の測定テストを実施するまでは分からないだろう」
また、「このコースは、1年の大半は歩行者かサイクリストのみが利用していることから、クルマが路面にラバーを残す際、全体的にラップタイムが大幅に低下する」とも指摘しており、さらに次のように警告した。
「とくに金曜日、とりわけソフト寄りのコンパウンドではグレイニングが発生する可能性もある」
それでも、ストップ・アンド・ゴーのレイアウトのために加速と減速を繰り返すジル・ビルヌーブ・サーキットでは、横方向にかかる力が小さいとはいえ、ピレリがカナダに向けてもっともソフト寄りのコンパウンドを選択したという事実は、チームの状況を少々困難なものにするだろう。
とくに、フリープラクティスなどでロングランのシミュレーションを行う際にグレイニングの兆候が見られたとすればなおのことだ。タイヤのオーバーヒートはシーズン開始以来問題となっており、先週末のモナコGPですら同様だった。
そのためピレリは、この現象がレースパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性を最小限に抑えるための予防措置を講じる用意をしており、FP3あたりからタイヤの最低空気圧を上げてくる可能性もある。
サーキットのもうひとつの重要な変更点は、すべての縁石が交換されたことだ。これにより、以前と比べて縁石に乗り上げるのが難しくなっている。また一部のランオフエリアも芝生に置き換えられたことで、オーバーラン等のリスクも増すことになる。これまでのターマックのランオフエリアよりも、凹凸のある芝生の上ではマシンの下側が損傷する可能性がはるかに高くなるからだ。そしてピレリにとってはもちろん、ドライバーやチームにとっても今年のサーキットの課題はさらに大きなものとなっているのかもしれない。
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展開が二転三転して面白くなりそうだから良いんじゃない?