2010年にR15 TDIでル・マン24時間レースを制すなど長らくアウディからスポーツカーレースに参戦するとともに、DTMドイツ・ツーリングカー選手権でもアウディ・ワークスドライバーの一員として活躍してきたマイク・ロッケンフェラーが、2021シーズン限りでアウディ陣営から離脱することを明らかにした。
2021年はアプト・スポーツラインのアウディR8 LMS GT3で、GT3車両によるシリーズに生まれ変わったDTMに参戦しているロッケンフェラーは、10月2日にドイツ・ホッケンハイムで行われたDTM第7戦のレース1で3位表彰台を獲得した。
ペナルティ2回で“天国から地獄”のK.ファン・デル・リンデ。ローソンがリードを拡大し最終戦へ/DTMホッケンハイム
17番手スタートから決勝を迎えたロッケンフェラーは、規則上必須となるタイヤ交換を終盤まで引き伸ばすと、ピットアウト後にフレッシュタイヤで躍動。最終ラップでフェラーリ488 GT3 Evoをドライブするポイントリーダーのリアム・ローソンをオーバーテイクして3位となり、今季4度目の表彰台を手中に収めた。
これはロッケンフェラーのチームメイトで、ローソンとタイトルを争うケルビン・ファン・デル・リンデをアシストする結果ともなっていた。
このレース直後、ロッケンフェラー自身がアウディからの離脱を明らかにした。
「新たなチャプター(章)を始める時が来た。来年、僕はもうDTMでアウディとともにレースをすることはない」
「Dr.ウルフガング・ウルリッヒとディーター・ガスが、アウディにおいて僕に与えてくれたすべてのチャンスに感謝したい。いま、新たなチャレンジの時は来た」
「僕は今日まで、とりわけ今シーズンは、DTMで過ごす時を楽しんでいる。本当に、再び楽しんでいるんだ」
今月38歳を迎えるドイツ人のロッケンフェラーは、2007年から継続参戦しているDTMにおいて、すっかりアウディの“顔”ともなっていた。フェニックス・レーシングから参戦した2013年には、RS5 DTMを駆りタイトルを獲得している。
スポーツカーではアウディのプロトタイプカーから降りた後も、コルベット・レーシングのファクトリードライバーとして、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権やル・マン24時間に参戦してきた。
また、2021年1月のIMSA開幕戦デイトナ24時間レースでは、アリー・キャデラック・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)からジミー・ジョンソン/小林可夢偉/シモン・パジェノーとともにDPiクラスへと参戦し、総合2位に入賞している。
2020年末には、アウディのLMDh車両でのIMSAフル参戦という希望を語っていたロッケンフェラー。果たして、“ロッキー”の次なる挑戦の舞台は、どこになるのか。続報を待ちたい。
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