ザントフールト・サーキットを舞台に開催されたF1第15戦オランダGPの決勝レースは、マクラーレンのランド・ノリスが圧勝。RBの角田裕毅は17位だった。
サマーブレイク明け最初のレースとなったこのオランダGP。初日から天候には恵まれず、雨がサーキットを濡らすことも多かったが、決勝日は曇り。気温19度、路面温度28度というコンディションで、風速約4m/sの海風が吹き付けていた。
■ランド・ノリス、シーズン後半に向けてさらなるレベルアップ誓う「まだF1世界チャンピオン級じゃない」
決勝グリッドは、予選で最速タイムをマークしたノリスと、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがフロントロウに並んだ。そしてほとんどのドライバーがスタートタイヤにミディアムを選択。11番手スタートの角田や、他車妨害のペナルティを受けて14番手スタートとなったメルセデスのルイス・ハミルトン、キック・ザウバーのバルテリ・ボッタスがソフトタイヤを選んだ。ピットレーンスタートを選んだハースのケビン・マグヌッセンはハードタイヤを履いた。
72周の決勝レースの幕が上がると、フェルスタッペンが抜群のスタートを見せて首位に浮上。ザントフールトに詰めかけた母国のファンからは大きな歓声が上がった。
ノリスは2番手に後退。メルセデスのジョージ・ラッセルはマクラーレンのオスカー・ピアストリを交わして3番手に浮上したが、レースペースではトップ2台から後れを取るという状況だった。
首位に立ったフェルスタッペンはすぐさまノリスをDRS圏外へ追いやると、10周程度は1.5秒程度の差をキープしていた。しかしフェルスタッペンはアンダーステアの症状を訴え、14周目に入ると再びトップ2の差が1秒圏内に縮まった。そしてノリスは18周目のターン1でフェルスタッペンを仕留め、首位に返り咲いた。
抜かれたフェルスタッペンはノリスに食い下がるも、「自分のインプットにマシンが反応してくれない」としてペースを上げられず。ノリスとのタイム差は広がる一方だった。
後方集団ではレース序盤からピットに飛び込みタイヤを交換するドライバーもいたが、上位勢では5番手を走っていたフェラーリのシャルル・ルクレールが24周目終わりにピットイン。1周遅れてタイヤを交換したラッセルはピット作業の遅れもあってルクレールにアンダーカットを許した。
2番手フェルスタッペンは27周目終わりにピットイン。他ドライバーと同様にハードタイヤへ交換した。ノリスはこれに反応して翌周にピットへ。フェルスタッペンのアンダーカットを阻止した。
第1スティントを比較的引っ張ったピアストリが33周目終わりにピットイン。首位ノリスは1分14秒台のペースで周回し、この時点で2番手フェルスタッペンを8秒近くまで突き放していた。
ピアストリはラッセルを交わして4番手に浮上すると、46周目には3番手ルクレールの背後まで詰め寄ったが、そのルクレールは負けじとペースアップ。ピアストリはルクレールより9周若いハードタイヤを履いていたものの、決め手を欠いた。
先頭に目を移すとノリスはレース最終盤まで1分14秒台を維持。ファイナルラップでは1分13秒817のファステストラップをマークして、キャリア2回目、今年のマイアミGP以来となるトップチェッカーを受けた。母国での4勝目を逃した2位フェルスタッペンとの差は、なんと22.896秒という大差だった。
3位はルクレール。サマーブレイク直前のレースでは苦戦を強いられることも多かったが、フェラーリの母国戦となる次戦イタリアGPに向けて弾みをつけた。
4位にピアストリが入ったことで、マクラーレンはレッドブルとのコンストラクターズランキングでの差を30ポイントに縮めた。
5位に入ったフェラーリのカルロス・サインツJr.以下は、レッドブルのセルジオ・ペレス、ラッセル、ハミルトン、アルピーヌのピエール・ガスリー、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソというトップ10の並びだった。
角田はスタートでポジションを落とすと、レース序盤でソフトタイヤからミディアムタイヤに交換。レース中盤に2回目のピットストップを実施してハードタイヤを履いたが、そこから順位を上げていくことは叶わず17位フィニッシュとなった。
一方で角田とは異なり、ミディタムタイヤとハードタイヤの1ストップ戦略を採ったチームメイトのダニエル・リカルドは12位でレースを終えた。
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