2019年のWTCR世界ツーリングカー・カップ第9戦となるギア・レース、WTCRレース・オブ・マカオに向け、セアト・クプラTCRで参戦するPWRレーシングがドライバースイッチを決断。チーム共同オーナーのダニエル・ハグロフに代わり、同じくPWRレーシング・セアト・ディーラー・チームのエースとしてSTCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権で2度目のタイトルを獲得したロバート・ダールグレンを起用するとアナウンスした。
「WTCRに初参戦できることに感謝しているし、STCCと同じくPWRの代表として戦えることを心から誇りに思うよ」と、喜びを語ったカーナンバー2を使用する予定のダールグレン。
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「この2019年シーズンは、チーム全体がWTCRとSTCCの両選手権を通じてセアト・クプラTCRのマシン開発とセットアップ進化の作業を続けてきた。だからこそ、あのギア・サーキットの舞台でクプラTCRがどんなパフォーマンスを発揮するのか、フェアな環境での性能予測に楽観的でいられるし、ワクワクしているんだ」
「ギア・サーキットは、世界でもっともクールなサーキットのひとつだ。ふたたびここでレースを戦うことを楽しみにしているし、PWRレーシングが置かれているタイトな状況を助けるためにも、チャンピオンシップで可能な限り最高の結果を得られるよう最善を尽くしたい。ミケル(アズコナ)をサポートできればいいね」
アズコナのチームメイトとして世界戦を戦ってきた共同代表のハグロフは、マカオの週末はチームディレクターとしてレース戦略を指揮することに専念し、最終戦マレーシア・セパンでのレースにも、ドライバーとして復帰するかの判断はまだ下していないと明かした。
「ロバート(ダールグレン)は、僕が競い合ったドライバーのなかでも最高のひとりだ」と語るハグロフ。
「彼は、僕とポーカー(ピーター"ポーカー"ウォーレンバーグ)がともに設立したこのチームにとって素晴らしい財産であり、そのロバートがマカオでセアト・クプラTCRをドライブする瞬間に立ち会うのは非常に楽しみなことだ」
「もちろん彼にとって難しい挑戦にはなるが、ポイントを争うレベルに必要な経験をすでに持ち合わせていると思うよ」
現在39歳のダールグレンは、フォーミュラ・フォードやF3で頭角を現し、早い段階でツーリングカー・レースに移行。2007年からWTCC世界ツーリングカー選手権に散発的なチャレンジを開始すると、2011年にはポールスター・レーシングのボルボC30 Driveでフルシーズンエントリーを実現。
さらに2014年にはオーストラリア大陸へと渡り、名門GRM(ギャリー・ロジャース・モータースポーツ)のレギュラーに抜擢。VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーでボルボS60をドライブし、2016年にはWTCCに復帰すると、ポールスター・シアン・レーシングとなったチームからボルボS60ポールスターTC1で3戦にスポットエントリーを果たすなど、ボルボのファクトリー契約ドライバーとして活躍を続けてきた。
そして2017年からTCR規定を採用したSTCC(TCRスカンジナビア)で初代王者に輝いたダールグレンは、この2019年もチームのエースとして活躍を演じ、2度目のドライバーズチャンピオンを獲得している。
PWRレーシングのWTCRチーム代表を務めるエミール・アクセルソンも、そのダールグレンに全幅の信頼を寄せている。
「今季のSTCCは性能調整で常に最重量級のマシンをドライブしたにも関わらず、ロバートは見事にSTCCの王座を獲得してみせた。彼が世界レベルの逸材であることは明白だ。ダニエルはマカオを知らないが、ロバートは経験者だという強みもあるし、チームとしてもミケルの選手権争いを助けることができるだろう」
2018年にTCRヨーロッパ・シリーズの初代王者に輝いた実績を提げ、WTCRデビューシーズンを戦ってきたアズコナは現在ランキング5位につけ、ルーキーでトップの戦績を残す。そのアズコナにとっても、ダールグレンの参戦は、2011年にボルボC30でギア・サーキットを経験した彼の知識を活用するチャンスとなる。
2019年のWTCRカレンダーでは最後から2番目のイベントとなる伝統の1戦となるギア・レース、WTCRレース・オブ・マカオは11月14~17日に争われる。
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