最大トルク812kg-m? 性能の実験室
ステランティス傘下の高級車ブランドであるDSは、将来の市販EVのデザインと能力に対するコミットメントとして、「Eテンス・パフォーマンス」コンセプトを公開した。
【画像】高級車DSの電動モデル【Eテンスシリーズを写真で見る】 全81枚
2016年のジュネーブ・モーターショーで披露された「Eテンス」コンセプトを大幅に改良した電動スポーツクーペで、「ハイパフォーマンスの実験室」と表現されている。
DSパフォーマンス・フォーミュラEチームが設計した新しい電動パワートレインを採用し、フロントに最高出力340ps、リアに475psのモーターを搭載。合計815psというフォーミュラEマシンの3倍以上の出力と、812kg-m(8000Nm)のトルクを実現した。2016年のEテンス・コンセプトの最高出力は408psだった。
今後、DSフォーミュラEチャンピオンのジャン・エリック・ベルニュ選手とアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ選手によるテストを経て、性能の全容が明らかになる予定だ。
将来の市販車デザインや技術の開発促進
Eテンス・パフォーマンスが搭載するバッテリーは、トータル・エナジー社と共同開発したもので、リアのカーボン・アルミニウム複合材の「エンベロープ」に収められ、独自素材と液浸冷却を特徴としている。DSは、このシステムで最大放電定格600kWを発揮でき、「次世代の市販モデルに向けた新しい道を探ることができる」と述べている。
デザインとしても、DSの次期EVを示唆するものとなっている。フロントには、ブランドのトレードマークである六角形グリルに代わって、角張った新しい「表現のための面」があり、その両サイドには新デザインのランニングライトとデータ収集用のカメラが配置されている。
コックピットも「データを収集するために考えられた」とのことだが、バケットシートとフォーミュラE風のステアリングホイールが、そのスポーツ性を強調している。DSパフォーマンス部門の責任者、トーマス・シュヴォシェはこう語る。
「フォーミュラEで得た経験と、国際的なタイトルから得た専門知識を、明日の高性能EVを予見するプロジェクトに適用することが目的です」
このコンセプトの市販化については言及されなかったが、今後の部品開発などに影響を与える可能性があるという。
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