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“漢”織戸学が魂のチェッカー。BMW M4が優勝目前でGT4ジャパン勝利を逃すも、その姿が感動呼ぶ

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“漢”織戸学が魂のチェッカー。BMW M4が優勝目前でGT4ジャパン勝利を逃すも、その姿が感動呼ぶ

 8月19日、岡山国際サーキットで行われたファナテック・GTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWSの第5ラウンド。今回、GT3とGT4で別々の決勝レース1が行われたが、GT4のレース1で大きなドラマが生まれた。ポールポジションからトップを快走し、GT4の今季チャンピオンに王手をかけていた加納政樹/織戸学組YZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディの50号車BMW M4 GT4が、チェッカー目前でまさかのストップを喫してしまったものの、その後織戸がとった気持ちがこもったアクションに、サーキットには感動が広がった。

 今季、新型BMW M4 GT4を持ち込み、GT4クラス王者獲得を目指しているYZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディ。これまで125ポイントを獲得しており、この第5ラウンドでジャパンカップのタイトルを手中に収めるべく臨んでいた。

GTWCアジア岡山のレース1はクラフト・バンブーのメルセデスが制す。GT4では最終周にドラマ

 迎えたレース1では、ともにシーズンを戦ってきた大塚直彦/小林翔組ポルシェが5グリッド降格のペナルティを受けるなか、加納がスタートを担当すると、織戸に交代した後もリードを守り、1時間レースのファイナルラップを迎えた時点で、2番手につけたハリダルマ・マノッポ/野中誠太組TGRインドネシアのトヨタGRスープラGT4に対し33秒ものリードを築いていた。

 しかしファイナルラップ、ダブルヘアピンを立ち上がったM4 GT4は、力なくスローダウンを喫してしまった。最終コーナーを立ち上がりチェッカーフラッグが見える位置まで進んだものの、M4 GT4はついに力なく止まってしまった。チームによれば、トラブルはまだ特定中だというものの、ガス欠ではなかったという。

 YZレーシング・ウィズ・BMW Mチーム・スタディのピットでは片野田洋介監督、チーム・スタディの鈴木康昭代表、そして加納が唖然とした表情を浮かべるなか、野中がドライブするGRスープラが織戸の横を駆け抜けていく。結果的に出走した他の5台全車が織戸を抜いていくことになった。

 ただ、織戸はM4 GT4から下りるかと思われたが、なんとそこから全車がチェッカーを受けたことを確認した後、M4 GT4をチェッカーに向けて押しはじめた。夕陽がストレートを照らすなか、はじめはヘルメットを被ったままだったが、やがてヘルメットを車内に置き、酷暑のなか全力でチェッカーに向けゆっくりと進む姿に、サーキットに詰めかけたファン、そしてライバルチーム、オーガナイザーのSROモータースポーツ・グループのメンバーからも大きな拍手が送られた。

 織戸はウイナーのインタビューが終わった後、やっとM4 GT4をチェッカーラインまで届け、コース上に倒れ込んだ。幸い織戸に脱水症状等はなく、起き上がりピットに戻ることに。フィニッシュ後、感動で涙ながらにインタビューした井澤エイミーさんの質問に対し、織戸は「めちゃくちゃ悔しいね。『いける』と思った矢先に止まってしまって。なんとかゴールまでいけると思ったんだけど」と悔しがった。

「昔ね、漫画の『バリバリ伝説』でバイクを押してゴールしたところを見たことがあって。だからみんながゴールしてから、『どうしてもチェッカーだけは受けないといけない』と思って、ハートだけで行きました」

『バリバリ伝説』は1983~1991年に連載されたしげの秀一さんによるバイク漫画の金字塔。ベテランドライバー/ライダーには愛読者が多いが、織戸がみせてくれた光景は、まさに漫画のような感動を呼ぶものとなった。

 タイトル獲得は8月20日のレース2に持ち越しとなってしまったが、織戸の“漢”ぶりにチームの思いは一層強まったはずだ。なお、ヘルメットを外したことは本来ペナルティではあったようだが、オーガナイザーからの“おとがめ”はなかったという。

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