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「スズキアルトワークス」軽スポーツカーの火付け役であり生き残り

掲載 更新 27
「スズキアルトワークス」軽スポーツカーの火付け役であり生き残り

スズキアルトワークスといえば、ベーシックカーであるアルトにハイパワーなエンジンとそれに見合う足回り、そしてやる気全開の内外装を詰め込んだ軽自動車のスポーツカーです。今回はそんなスズキアルトワークスを徹底レビューしましょう。

過激だった初代アルトワークスが出力規制のきっかけに

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2022年3月に軽スポーツカーのホンダS660が生産終了となることがアナウンスされました。国産スポーツカーの灯が、またひとつ消えようとしています。現在から約30年前、平成になったばかりのころは手頃な価格で手に入れることのできる軽スポーツカーが若者に大人気となっていました。そのブームの火付け役となったのがスズキアルトワークスです。

軽自動車はボディサイズやエンジン排気量、最高出力などに制約がある一方で、税金などが優遇されるなどのメリットもあります。1987年に初代アルトワークスが発売されますが、開発時のエンジンパワーが78psと高出力すぎるということで、軽自動車の最高出力を64psとする出力規制のきっかけとなったモデルです。

2015年に15年ぶりの復活を果たした現行型

アルトワークスは世代交代を行いながら2000年まで販売されますが、そこで一度幕を下ろします。そして2015年12月、約15年ぶりにアルトワークスが復活しました。ここでは、軽自動車きってのキレモノであるアルトワークスを徹底レビューします。

存在感のある外観、スポーツマインドを刺激するインテリア

2015年12月、約15年ぶりに復活したスズキアルトワークスは、ひと足先に販売され、気持ちの良い本格的な走りで好評なアルトターボRSをベースに、「クルマを操る楽しさを追求し、さらに走りを磨き上げた軽ホットハッチ」を目指して、戦闘力をアップしたモデルです。アルトワークスは2018年12月に一部改良を行っています。5速AGS車に衝突被害軽減ブレーキである「デュアルセンサーブレーキサポート」を標準装備し、安全性を向上させています。

外観デザインはWORKSのロゴをあしらったフロントバンパーアッパーガーニッシュやボディサイドデカール、足元を引き締める黒のホイール、赤のフロントブレーキキャリパーなどで存在感を演出しています。

インテリアでは、スポーツ走行時に体をしっかりと支えてくれる専用レカロ製フロントシートやターボの過給圧の高さに応じて色が変わるブーストインジケーターを採用するなど、ドライバーのスポーツマインドを刺激するアイテムを数多く採用しています。

専用のエンジンとトランスミッションで実現したダイレクトな走り

しかしアルトワークスらしい戦闘力アップのキモはやはり走りです。まずは専用のエンジンとトランスミッション。最高出力64psを発生する660ccの直列3気筒DOHCターボエンジンは最大トルクをベース車の98Nmから100Nmへと高めるだけでなく、アクセルレスポンスを向上させ、ペダル操作にダイレクトに反応する加速フィーリングを実現しています。

組み合わされるトランスミッションは5速MTと5速AGSですが、5速MTは1速から4速までをクロスレシオ化し、エンジンのトルクをワイドな回転域でつながりの良いギア比とすることで、スポーティーな走りとシフトチェンジすることの楽しさを追求。さらに、ショートストロークシフトとシフトノブの最適設計により軽快なシフト操作を味わえます。

一方の5速AGSは専用の変速制御を採用し、ダイレクトな加速を実現。スポーツ走行が楽しめるようにハンドルから手を離さずにシフトチェンジが可能なパドルシフトを装着しています。

このように軽自動車トップレベルの走行性能を実現しながらも燃費性能はJC08モードで22.0~23.6km/Lを実現し、高出力と低燃費を両立しているのが現代的です。

足回りももちろん専用チューニングが施されている

専用チューニングを施したサスペンションもアルトワークスの魅力を引き立てます。ドライバーのステアリング操作に対して、タイムラグなく応答する操作性、ステアリングを切ってからクルマが傾くまでのスピード(ロールスピード)を低減し、カーブを曲がる際のクルマの動きの変化をさらに抑えた安定性、そして手応えのあるダイレクトな操舵感を目指して開発されました。専用のショックアブソーバーを採用し、より高い操縦安定性、接地感、そして応答性を実現しています。

代名詞である切れ味の鋭い走りは下りならハイパワー車を上回る

アルトワークスの魅力は5速MTの2WD車で670kgという車両重量の軽さです。この軽い車両重量と最高出力64psを発生する直列3気筒ターボエンジンのシナジーにより、アルトワークスの代名詞である「切れ味鋭い走り」を味わうことができます。軽量さを活かしたダッシュ力。専用チューンを施したサスペンションによって、高い旋回性能を発揮します。

特にワインディングの下り坂というシチュエーションでは、ハイパワーの国産スポーツカーを上回るパフォーマンスを発揮するほどです。それほど高いパフォーマンスを発揮する軽ホットハッチにもかかわらず、車両本体価格は153万7,800円からというバーゲンプライスとなっています。

限られたパワーを全開まで使い切って走る楽しさ

S660の件もそうですが、アルトワークスのようなスポーツモデルはこれからのご時世、どんどんと肩身が狭くなります。もしかすると次期アルトにはアルトワークスがラインナップされなくなるかもしれません。

ハイパワースポーツカーを味わうのも良いですが、最高出力64psという限られたパワーを全開まで使い切って走る楽しさ。これはまた格別の楽しさを味わえます。このような手頃な価格で操る楽しさを味わえるスポーツカーの入門編のようなクルマはクルマ好きを増やすためにも、これからも存在し続けてもらいたいと筆者は思います。

■アルトワークス価格表

グレード

駆動方式

WLTCモード燃費(km/L)

車両本体価格

ワークス 5MT

2WD

21.4

153万7800円

4WD

20.6

164万7800円

ワークス 5AGS

20.8

168万6300円

※記事の内容は2021年7月時点の情報で制作しています。

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みんなのコメント

27件
  • 見た目を裏切る走りってほど辛口な性能じゃないが十分速いし楽しいやね
    ミニワゴンハイドンワゴン全盛の中貴重だもの
  • 楽しくていいと思う。通勤で見る限り男性多いけど、若い人からある程度の年の人まで年齢層広い感じがする。金掛からず遊べる車、貴重だと思う。

    お決まりの軽アンチ湧いてるけど、たぶんカブで遊ぶ・スクーターで遊ぶ・ミニバイクで遊ぶとか、庶民の遊びできないお金持ちだから無視で^^
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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