アジア圏の中心に世界的にメジャーな存在になっている150ccクラスは、日本国内でもここ数年で一気に勢力を増し、各社からこぞってこのクラスをターゲットにしたモデルが発売されている。その中でも、最強の150スクーターと名高いマジェスティSが2018年2月にフルモデルチェンジされて主に見た目が大きく変化し、話題を呼んだのは記憶に新しい。今回はそのマジェスティSを題材に、大胆かつマニアックなカスタムを施した1台を紹介する。REPORT●佐藤恭央(SATO Yasuo)PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
正解は……旧型マジェSの車体に現行モデルのフロントカウル&ライト一式を移植
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さて、今回紹介するカスタムマシンはその新型がベース……ではなくフェイス周りを新型から移植した先代モデル。おそらくマジェスティSオーナーのなかでも一部の人しか気が付かないであろう超絶マニアックなカスタムが施されているのだ。
製作したのはリッタークラスの旧車からスクーターまで幅広く扱う、エムソウル(武蔵)だ。フロントカウル自体は新旧で互換性があるのでポン付け可能だそうだが、ライトユニットやステーの位置が異なっており、ハーネスの取り回しも大きく変更しなくてはならないため「公道用」として機能させるにはかなりの手間とノウハウが必要とのこと。なお、インナーカウルのフロント上部なども同時に変更する必要があるそうだ。
現行モデルに存在しないスピードブロックグラフィック
またヤマハ車ならではの「ストロボカラー(インターカラー)」にも注目したい。このスピードブロックグラフィックを採用したマジェSは、ヤマハの創立60周年である2016年に限定で発売されたのだが、当然、現行モデルでは存在しない。要するにオールペンで実現したスタイルなのだ! ケニー・ロバーツが駆ったYZ500をモチーフにスポンサード風のロゴも散りばめているが、これもステッカーではなくしっかりと塗装で再現しているのはおみごと。さらに、カウルを移植したフロント周りのみならず、リヤ側も同時に塗装することで、色味が前後で異ならないようにしているのもポイント。わかる人が見たら「アレ!? 現行モデルでストロボカラーが発売されたんだ!」なんて勘違いしてしまうかもしれない。ここまでのメニューでおよそ15万円(プラス塗装代)の大作業ではあるものの、オンリーワンのマシンを手に入れる喜びの対価と考えれば高くはないハズ!?
じつはエンジンチューンも楽しめる
最後に、チューニングについても触れておこう。オーナーはミニバイクレースもしていたバリバリの走り屋だけあって、機能面の向上、そして目立つためのドレスアップにも余念がない。
エンジンはエムソウルオリジナルのLEVEL10ビッグヘッドキットで183ccに排気量アップ。これにレーシングハイカムや武蔵改マフラーの投入、ダイレクトイグニッション化などでモアパワーを獲得。吸気はビッグインジェクター&LEVEL10パワーフィルターを搭載し、トルク型に振った駆動系セットに合わせてパワーコマンダー(サブコン)によって街乗りでも扱いやすいように燃調されている。前後足周りやブレーキ、ハンドリングなども熟考されており、レーシーな外観に見合ったポテンシャルを獲得している。
■ディテール解説■
<ショップ概要>
エムソウル
神奈川県川崎市宮前区潮見台9-4
TEL:044-976-5603
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